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アジアカップカタール戦の感想と日本の中央突破サカー

なんか、また喉が痛いわけですが、今日もサカーの亜細亜割賦のお話。ちなみに、試合は、皆さんご存じかと思うんだけど、3−2で日本がカタールに逆転勝利。凄い試合だった。よく頑張った!!一人少ない状況から逆転勝利!!しかも、得点が全部中央突破!!中央突破といえばバルサ。中央突破で3点とかメツ監督の「日本はアジアのバルサ」発言が現実に。なんということでしょう。



個人的には、左サイドの攻防がカギになるかと思っていた。理由は、日本の4231で、右サイドのオカザーギとイノーハがゲーム作れるタイプじゃないからである。中央の本田は起点になりきれてないので、日本は香川の左サイドでゲーム作ってくるだろうし、カタールは左サイドでボール奪ってカウンターという展開でくるだろうと思ってたんである。そんな訳で、組み立てに参加しなきゃいけない香川はあまり点には絡めないだろうと思っていたのだが、まぁ、蓋を開けてみたら、日本の得点が全部中央突破で香川が全得点に絡んでたり、前田が空気だったり、クロスだ!クロスもってこーいアパーム!!


とにかく、今回のゲームで印象的だったのは、長谷部、香川、岡崎あたりが、ポゼッション中に頻繁に相手の守備の裏を取る動きを繰り返してて、背後を取る動きが活発だった事。なんだよ、やれば出来るんじゃないか・・・・。


でなんだけど、ちょーど発売されたばっかりの「ワールドサッカーダイジェスト」で、中央突破の特集やってて、バルセロナのシャビのインタビューや、毎回楽しみにしてるマウリツィオ・ヴィシディのコラムが楽しかったんで、中央突破の話をしながらカタール戦の感想でも書いていこうかと。

カタール戦の感想の前に、モダンなサッカーで中央突破が重要になってきた理由

とりあえず、カタール戦で、日本は中央突破で3点いれたんだけど、なんでモダンなサッカーで中央突破が重要になってきたかって話。こいつは、今回のワールドサッカーダイジェスト(以下WSD)のマウリツィオ・ヴィシディのコラムで説明されてて、守備のスタンダートがマンツーマンディフェンスからゾーンディフェンスに切り替わったせい。今週号のヴィシディのコラムから引用するけど、

『中央突破かサイドからの崩しを問わず、ゴールを奪うためのもっとも重要な戦術コンセプトは常に変わらない。「ボールを敵DFラインの裏側に入れる」こと。今回のテーマである中央突破に話を限れば、そこに「ペナルティエリアの中で」という条件がつけられる。中央突破でゴールを奪うには、チーム全体がこれらの戦術コンセプトを共有し、その実現を目指さなければならない。』


『一対一の突破の有効性が高いのは、守備のスタンダートが変わったためでもある。現在のスタンダートでは、最終ラインを一本のフラットなラインと捉え、それを保とうとしながら振る舞う傾向がある。それが特に顕著になるのはボールが中央にある場合。ボールがサイドにあればカバーリングのラインを斜めに形成するが、中央にあるときはフラットなラインを保って守ろうとするチームが少なくない。そのため目の前のDFをひとりかわせば、敵最終ラインを一挙にかわしたも同然という状況が容易に生まれるようになっている。かつて、リベロを置いたマンツーマンディフェンスの時代は四人対一人という守備側が圧倒的に有利な数的関係からゴールを奪われるなど、ありえなかった。しかし、現代のゾーンディフェンスでは、そういうことも起こりうる。』


『攻撃編で述べた通り、中央から攻められた場合の守りで、多くのチームは最終ラインをフラットに保ちながら対応しようとする。DFとDFの間の距離を狭め、スペースを消し、最終ライン裏へのスルーパスやミドルシュートのコースを消そうとするわけだ。ところがこの守りには、一対一の突破に脆いという問題がある。一対一の突破を許せば、横並びの最終ライン全体が一挙に置き去りにされてしまいかねない。
 そうした自体を避ける上で重要なのが、ピラミッド型のカバーリングラインを敷く事だ。


ちょっと長めの引用になったが、中央突破には「2ライン間(DFラインとMFラインの間)で前を向いてボールをもつプレーヤー」がいることが前提となる。日本の4231の場合、前田がポストプレーで本田にボールを落とすか、香川本田岡崎前田のいずれかが、2ライン間で、中盤やサイドからボールを引き出さないことには中央突破は始まらない。まぁ、2ライン間にどうやって人を送り込むかは、今回は関係ないので、省略。


で、上記の引用部分で、強調したピラミッド型のカバーリングラインなんだが、これも、現在の守備におけるひとつのセオリーで、2ライン間に入られてしまった場合、フラットなラインを維持したままだと、一人かわされただけで失点しかねない。


そのため、最終ラインの一人がボールホルダーに当たりに行き、横の二人が内側に絞って背後をカバーするチームも多いのである。これがピラミッド型のカバーリングライン。ピラミッド型のカバーリングラインを形成すれば、とりあえず、サイドへ展開される位で済むという守備方法。



ちょっと図でしめすと

DF岡崎DF  DF  DF

     球
香川   本田

MF  MF  MF  MF


という状態の時、本田は、ミドルシュート、岡崎へのスルーパス、ワンツーなどの選択肢を持っているわけなんだけど

 DF岡崎DF DF

    DF
    球
香川  本田

MF  MF  MF MF


最終ラインがこういう形に変形することで、本田からスルーパス、ワンツーなんかの選択肢を奪うことが出来るわけだ。DFがフラットからピラミッド型に変形するのでピラミッド型とか言われる。勿論、サイドには出されやすいが、中央ぶち抜かれるよりはマシなわけだ。中央突破を食らったとき、相手の最終ラインがピラミッド型に変形するタイプなのか、フラットのままで守備を行うかは、攻撃方法にも影響を与える。


なんだけど、モダンなサッカーというのは、究極のメタゲーム化してきていて、ひとつの守備戦術が生み出されると、それに対応した攻撃戦術、その守備戦術に対して破壊的な能力をもつプレーヤーが現れてくるもんなんである。例えば、今年のバルサに対して引いて守っていると、ズタズタにされてしまう。このピラミッド型のカバーリングラインに対する破壊者が、バルサのペドロ。地味なんだけど、彼の能力は非常に危険。今週のWSDで、シャビがペドロの能力について、こう述べているので引用。

シャビ『ペドロの存在はバルサにとってとてつもなく大きい。彼はボールの流れを読むのが凄く巧くて、狭いスペースにもタイミングよく入り込んでくれるから、俺のようなパサーにとってはかなりありがたい存在なんだ。そういう動きがあるとないとでは、攻撃の幅や奥行きがまるで違ってくるからね。どちらの足も遜色なく使えて、サイドだけでなく中央に切れ込むプレーも出来るから、ダニ・アウベスのような攻撃的サイドバックの持ち味も引き出せる。レオやビジャと同様、バルサ攻撃陣にとっては、なくてはならない存在さ。』


こないだのエントリでも話した事だけど、最近、日本でも、この手の「ボールの流れを読むのが凄く巧くて、狭いスペースにもタイミングよく入り込んでくれるから、俺のようなパサーにとってはかなりありがたい存在」的な選手が増えてきた。特に若い世代で、セレッソ大阪のスリーシャドーやレッズの山田直輝なんかは、この能力を持っている。


だが、なんといっても、この能力については、香川真司の名前をあげずにすませるわけにはいかない。彼の能力は、現代の守備戦術にとって、もっとも厄介な存在なんである。なぜなら、フラットな最終ラインの前で前を向けば、ミドルシュート、スルーパス、一対一での突破、コンビネーション、その全てに秀でているからだ。


だが、彼の美点はそこで終わらない。彼がブンデスにおいてもあまり危険な存在であり続けられるのは、彼がピラミッド型のカバーリングラインをも破壊できる能力を持っている事である。バルサのペドロのように。信じられないほど、ボールの流れを読むのが巧いし、そしてなによりも、相手の守備ラインが、どう動くのかを先読みして裏を取っていく。これは天性としかいいようがない。


ちょっと、ドルトムント対シュトッツガルト戦での彼の動きで解説するけど、



この場面で、右上でパスを受けたのが香川である。これは、ドルトムントが自陣深くから、右ウィングのゲッツェが一気に前線にボールを持って運んだシーンで、香川はゲッツェからパスを受ける。後ろからはドルトムントのゲームメーカー、サヒンが走ってきている。で、ここでは、香川が次に選択したプレーが問題。貴方なら、ここでどういうプレーで「ボールを敵DFラインの裏側に入れる」のを目指しますか?



香川の選択は、いったん後ろのサヒンにパス。しかし、単純なパスではない。サヒンにパスをすると同時に香川は走り出してマークを外す。狙いは・・・・


ここがキモのシーン。現在のサッカーのゾーンディフェンスというのは、ボールホルダーにプレスがかかっていることが前提であり、フリーのボールホルダーには誰かが当たりに行こうとする傾向がある。こういった「ボールホルダーに当たりに行こうとするDFの習性」を利用して、最終ラインにいたMFの一人を前に釣り出す。これが彼の狙い。そして、狙い通り、サヒンに当たりにDFが前に出た事でゾーンの間にわずかなスペースが生じているのがわかると思う。ここでボールを受けることができれば、敵DFラインの裏に抜け出せる。香川はこの判断がもの凄く速い。



そして、サヒンを信じて走った香川のプレーは報われた。釣り出したDFの裏のスペースへパスがでる。



だが、残念だが、このプレーでは香川のゴールは生まれなかった。理由は、敵のSBが香川の動きについてきたからである。このSBの動きによって、もう最終ラインはぐちゃぐちゃになってしまったのだが、彼は、ゾーンのカバーや最終ラインをフラットに保つ事より、「マークする相手とゴールの間にポジションを取る」という守備の大原則を優先したのである。そして、それは報われた。彼が体をいれていたおかげで、決定機を乗り切ったのである。


最終ラインの選手は、このように、クレーバーな判断を求められている。つまり、「ゾーンをカバーする」か「人をマークするか」の判断である。ここでは、相手SBが自分のゾーンを捨て、フラットなラインも諦めて、「人をマークする」事を優先したことで、香川を止めた。この判断力は、SBやCBにとって、非常に重要である。ゾーンやフラットな最終ラインを諦めてマークを優先しなければならないときもある。このクレーバーな判断が重要なんである。


ちなみに、このシーンを紹介したのは、今回のカタール戦での香川の得点シーンなどは、基本的に、こういう動きで裏をとる動きだからである。

カタール戦での一点目のシーン。

ちょっと異様に前フリが多くなったけど、では、カタール戦、一点目のシーンから。実は、このシーン、カタールの左SBが信じられないようなポジショニングをしてて、見返して確認してたら驚いてしまった。香川→本田→岡崎→香川→ゴールと繋がったシーンなんだけど、注目は「なんであの位置で本田がフリーでボール持てたの?」という事と「なんで岡崎ドフリーなの?」という事。



このキャプからわかると思うんだけど、まず、香川にDFが三人引きつけられてしまい、ゴール前の本田がドフリーになってしまった。そこにパスがでちゃったんである。この場面での左サイドの攻防は結構たいしたもんで、あの位置でよく反転できるなぁ香川とか、なんで反転させてんだよ、体よせて反転潰せよカタールとか色々思うけど、本田があの位置でフリーでボール受けられたのは、香川にDFが三人引きつけられてしまったからである。


だが、ここでの最大の問題はそこではなくて、手前のSBの謎のポジショニングである。イノーハの謎ポジショニング決勝ゴールに匹敵する謎さである。あそこで、あいつは何を守っているんだという話である。ひょっとして落ちてる財布でも発見したんだろうか。財布が落ちてたならしょうがないけど。


本来、このSBは、最終ラインにいて、岡崎の横にいなきゃいけないんである。岡崎の横に、このSBがいれば、岡崎にボールがでた瞬間にゴールと岡崎の間に体を入れられたかもしれないんだけど。多分、地面に財布が落ちてたんだろう。本田あたりが財布落としといたんだよ。多分ね。そうでもないと、あそこで何してんだからわからない。


で、もう自棄になってるのが、岡崎をマークしてたCBである。前門の本田、後門の岡崎。俺ならしんでもこんなシチュエーションお断りだ。究極の選択である。本田に当たりにいかないと何されるかわからんし、岡崎のマーク外したら裏に飛び出されてジエンド。終わってる。ああ、すごい終わってるシチュエーション。これ全部、左SBのせいである。左SBがいりゃ、左SBに岡崎まかせれるのだが、この場合は終わってる。


で、もちろん、本田は相手のCBを釣り出してから、岡崎へとループでパス。冷静に冷静に。フリーだしね。ここでは、香川も同じ事考えてて、相手のCBが空けたスペースに向かってスプリントしてたりするんだけど。でだけど、岡崎がループシュートうって、香川がごっつぁんゴール。香川初ゴールおめでとう。


で、なんだが、この左SBに関しては、南米あたりだったら、帰国時に射殺されかねない酷さである。ほんとーに何かんがえてたんだろう。


カタール戦二点目のシーン。

で二点目のシーンなんですが、イワマサさん、足下ぐずぐずとかいってすいません。



これは、日本の二点目のシーンの最初のほうのキャプ。マーヤが退場くらって10人になった上にFK決められて、一点ビハインド。すいません、半分あきらめてました。で、なんだけど、このシーン、個人的には何も期待してなかったんである。というのも、最終ラインのボール回しから、イワマサがフリーで前むいてボールもてたわけだが、イワマサって、足下が下手くそって印象しかったし、なにより、日本の右サイドには攻撃組み立てれる奴がいないんである。岡崎あたりに下手なロングボール入れて相手ボールになるものとばかり思っていた。すいません。



で、中央ちょい右あたりにボールが入るんだが、ここで奇跡的にも日本がマイボールに出来たんである。正直、拾えるとは思わなかった。


そして次のシーン。香川が拾って日本のゲームメーカー遠藤へパス。そして、この瞬間に、まさに香川の特殊能力が発動するんである。ちょっと上で、同じ展開あったよね?後ろのサヒンにパスして、サヒンがDFを釣りだし、その後ろを狙って走り込んだ香川。


ちょっとわかりにくいかもしれないので、動画でも確認して欲しいのだけれど、遠藤にボールを預けた瞬間に動き出す香川。そして、遠藤は、本田にボールを預ける。本田が前をむいてボールをもった瞬間に、本田に寄せてくるDF。

こっちは上空図なんだけど、ポイントは、本田が前を向いてボールを持った事で、最終ラインのうち、一枚が前目にポジショニングを移動させた事である。最終ラインのDF一枚が釣り出された事によって、香川が狙い続けたスペースが生まれたんである。何度もいうけど、ゾーンディフェンスは、ボールホルダーにプレスがかかっていることが前提であり、DFは、ボールホルダーに当たりに行く性癖をもっている。この性癖を利用して釣り出せば、その後ろにスペースが生まれるのだ。一瞬だが。


これは、相手のDFラインが、ピラミッド型に変形しようとする、その一瞬の隙をついたスプリントで、ピラミッド型に変形しようとすれば、一瞬だが、△の中心から底辺にかけてスペースが生じてしまうのは避けられない。その一瞬を逃さず、走り込んでボールを受けることができれば、フリーで裏に抜け出すことができるのだ。香川がJ2で、そしてブンデスで散々繰り返している動きである。彼は、本当によくサッカーを知っている選手だと思う。この一瞬を逃さない。



でもって、運も日本に味方した。本田のループパスを岡崎が受け取るんだけど、ファーストトラップで反転はできず、こぼれてしまう!だが、幸運にも走り込んできた香川の足下にボールが入るである。相手のDFは混乱していて、香川のマークが外れてしまった。


そして、抜け出した香川。こうなっちまえばこっちのモンである。角度もないし、逆足だけど、香川は逆足のシュートが超上手い。バシッと決めて、日本は劇的な同点ゴールをあげた。運もあったけど、香川の動きは、やっぱり非凡。相手の最終ラインが変形した、その一瞬を逃さず、スペースに飛び出す。この感覚は非凡としかいいようがない。岡崎と香川は、この一瞬を逃さなかった。

日本の決勝ゴールのシーン

そして、最後の日本の決勝ゴールのシーンである。左サイドに流れた本田が長友のロングボールを無理矢理収めて中央へドリブル。しかし、この時、彼がボールをもっているのは右足。でもって、逆足でもってる本田にタックルかまして転ばすカタールDF。ファウルだろ?とか思ってたら流される。岡崎が次にシュートを打とうとするが、跳ね返される。香川が裏に走り込んでたんだが・・・。で、次に遠藤が拾って、中へのパスを狙うんだけど、体寄せられて潰される。これもファウルだろ?で、遠藤から長谷部にパスが入る。ところが、ここで主審が流しまくったせいで、香川が最高に得意な状況になっちゃったんである。


何度でも繰り返すが、現在主流のゾーンディフェンスは、常にボールホルダーにプレスがかかっていることが前提であり、ボールに対してポジショニングを行う。ここで、長谷部にボールが入った事で、中央のDFのうち、一人が長谷部に当たりに行かざるをえなくなった。そのせいで、中央にどでかいスペースが生じてしまったんである。このスペースは埋めなければならない。というわけで、CBは前へ動く。


そして、やっぱり、これは香川の得意のパターンなんである。ボールホルダーに対してポジショニングしようとするDF達。その瞬間に生じるわずかなスペースと時間。この瞬間をついて香川は相手のDFラインの裏へと飛び出すのが得意なんである。しかし、ここでは、長谷部のパスを褒めなければならない。あの弾丸みたいなパスのせいで、香川の後ろにいるSBは、香川の前に体を入れる事ができなかったのだ。パススピードが速すぎ、そして香川はあまりに、そのパスを上手にトラップしてしまった!とはいえ、このSBについては、「なんであそこで香川の前に体をいれてなかったんだ!香川をフリーにするなといっただろう!!」とかロッカールームで言われてるかもしんないけど。言われてたら可哀想。無理だって。


神トラップから裏へ抜け出す香川。前にいこうとしてたCB二人の裏へのコースを取ったので、香川をマークしていたはずのSBはもうゴールと香川の間に体を入れられず、後ろからのタックルを試みるしかなかった。それもかわしちゃうんだから香川凄い。しかし、皆さんご存じの通り、GK交わした後に、どう考えてもPK即レッドなバックアタックをくらってこかされる香川。


なんだけど、なんでそこにいる素人伊野波。アマチュアレベルのポジショニングでゴール前に飛び出してくる伊野波。まさか、日本でしばしば大問題化する異常に前目にポジショニングしがたるSBという謎種族が役に立つ日がくるとは。もう訳わかんねーよ。カードも出ないし。とにかく、何がなんだかよくわからないけれど、日本はこの決勝ゴールでカタールを下し、準決勝に進んだ訳である。


でもやっぱりウッチーは前目にポジショングしすぎると思う。


ついでに、キャプにつかった動画の紹介。




でなんだけど、日本代表はホントに攻撃面で成長してますよって話

今回の試合を見返してチェックしてみて気づいたんだけど、香川は、今日説明した動きを、前半2分ちょいあたりのシーンと、後半12分あたりのシーンでも行っていて、それ以前の試合よりも、ずっとスムーズに、こいつが行えるようになってきた。ザックが「このチームは成長している」って言ってるけど、これは本当だと思う。サウジ戦からカタール戦にかけて、ポゼッションしながら相手のDFラインの選手を釣り出して、その背後にすーっと香川や長谷部、長友、岡崎なんかが入っていく動きが出来るようになってきてて、明らかに成長している。数試合前に足下サッカーをしていたのが嘘のようである。もっとも前田だけ蚊帳の外なんだけど・・・・

ブルーノ・メツ監督コメント

「今日の試合は日本もカタールも非常によかった。優勝候補の日本に対して、我々は戦術的にも肉体的にもよく戦ったと思う。それなのに勝てなかったのはミスがあったからだ。日本のチームは攻撃面で非常によいものを持っている。ゴール前のラスト20メートルの場所ではベストチームだ。我々はフィジカルなプレーだったから、最後は疲れてしまった。日本の人に聞いたら分かると思うが、今日は日本にとって非常に難しい試合だったはずだ」


カタール代表のメツ監督「日本はゴール前ラスト20mではベストチーム」

まぁ、カタールの監督がこんな嬉しいコメントを残してくれたけど、ほんとに動きがよくなってきた。香川もドルトムントの時みたいなプレーができるようになってきたし、長谷部と岡崎も驚くようなパフォーマンスを見せていて、本当に頼もしい。というか、日本代表が、こんなに中央突破で点とれるチームになるとは思わなかった。ホントに進歩してるんである。中央突破が多いのは、バルサとかアーセナルだが、ポゼッションから中央突破ができるようになったのは本当に収穫だと思う。もっとも、ザックはサイドアタックが好きそうだし、あまり面白く無いかもしれないけれどw


課題は守備だけど

ところで、今回は、もうわかりやすいくらい日本の弱点をカタールがついてきていて、ボール取ったら、速攻で高さの足りない最終ラインにほうり込んでセバスチャンに競らせて、こぼれたボールをフィジカルごり押しで取りに行くというサッカーでした。高さとフィジカルコンタクトに不安がある日本はあいかーらず。カタールさん本当にありがとうございます。


つーかさ、韓国とオーストラリアは絶対この戦術で日本を潰しにくると思うんだけど、大丈夫な訳ないよね。あいつらロングボールサッカーはカタールより強いもんね。


というわけで、今のままの守備だと一点は絶対取られると思うんで、ザックなんとかしてください。といっても、もうどうしようもないんだけど。イワマサ先生に全部弾きかえしてもらうしかないのか。それとも攻撃陣が頑張って点をとるしかないのか。馬鹿ゲーになるけど。


そもそも4試合で11得点4失点とかイタリア人監督のチームじゃないやい。