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W杯3次予選 日本対北朝鮮レビュー

注意!画像が多いです。


えーと、完璧に時期を外していますが、今更なんですが、日本対北朝鮮のレビューを行います。正直、出遅れました。もっと早くやろうと思ってたんですよ。でもね。真面目に分析記事上げようと思ったら、やっぱ時間かかるんですよコレが。てか、一国の代表の話をしようとすると、どうしても時間がかかるもんです。やっぱねぇ、代表は特別ですしねぇ。


というわけで、レビューの本番に入ろうと思います。

まず最初に双方のフォーメーションとマッチアップ



というわけで、まず最初に、双方のフォーメーションとマッチアップから。図を載せときますが、こんな感じです。日本はいつもの4231。本田と長友が怪我でいないので、トップ下には柏木、左SBには駒野が入っています。


一方で、北朝鮮なんですが、これが微妙によくわからないフォーメーション。442なんだか、4411なんだか、4141なんだかよくわからない。


なんでかっていうと、元川崎のチョンテセがCFなんですけど、もう一人のFWがトップ下かセカンドトップ、偽のトップ下で中身は守備MFなのか、よくわからなかったんで。


ですが、北朝鮮は韓国より守備がよかったです。理由は図に書き入れましたが、チョンテセが守備を非常に頑張ってたからです。この部分は、今回の試合で非常に重要でした。なぜなら、そこが、前回の韓国戦との違いでもあったからです。前回の韓国戦は、ワントップのFWが、テセほど守備をしなかったんで。プレスは、ほんのわずかなズレが、後々に大きな差になって出るんですが、今回の試合は、それがよく分かる試合でした。FWがしっかり守備を頑張ってれば、韓国もあそこまで酷いことにゃならなかったんですけどね。


で、そのテセなんですが、とにかく守備を頑張ってました。具体的には、遠藤と長谷部がボールを持つと、頑張って寄せてました。特に前半は頑張ってました。なんで、日本は、最初、テセのプレスをどうやって外すかが最初の問題になったわけです。まずはその辺り、詳しく話そうと思います。


テセの守備がなんで日本の問題になったかという話と日本の攻撃パターン

で、なんですが、とにかく、前半20分過ぎまで、テセが恐ろしく守備頑張ってました。まぁ、いくつか画像を張っときますが、こんな感じです。


赤で囲んだとこを見て貰えばわかると思うんですが、大体、前半の20分過ぎあたりまで、テセは、ほとんどヤットに対するストーカー状態でした。今回の北朝鮮戦で、まず最初に問題になったのがココです。

ちょっと話を戻して、前回の韓国戦との違いですが、韓国は、CFがテセほど守備をしませんでした。そのせいで、下記のような状況が頻繁に生まれてました。


これは、韓国戦における前半21分の場面なんですが、韓国のキム・ジョンウとイグノが前に釣り出されちゃった状態の時です。円で囲ってありますが、守備ブロックから前にでてしまっていて、空いたスペースに香川と岡崎が入ってます。なんでこんな事になってるかというと、韓国のCFの守備が緩いですよ。だから、引いてボール受けた長谷部がフリーで前むいてしまっている。そんなわけで、グノが当たりに出ちゃった場面です。キャプした奴で、その後の展開を説明すると、



という流れになりました。この後、本田から香川にパスが出て、強烈なシュートを韓国は浴びる事になったわけです。前回の試合だと、韓国のCFの守備が緩いもんだから、イグノやキムジョンウがしょっちゅう前に出てプレスに行ってしまってるんです。日本としては、こうなりゃ、後は簡単なんですよ。長谷部か遠藤が最終ラインに降りて、ボール受けて、相手のボランチ釣り出して、ボランチの空けたスペースに香川が岡崎が入ってボール引き出せばいい。韓国はこの流れでボッコボコにされてました。CFの守備が緩いと、あーなります。FWの守備の緩さが、日本にスペースを与えてしまってるんですね。勿論、小さなスペースでボールを受けれるようになった岡崎の進歩については、特筆に値するわけですが。


いくら、4141で守備ブロック作っても、あーいう風にFWが守備さぼってると、日本にスペース作られるよって話なわけです。


前半の20分過ぎあたりまでは、テセが相当守備頑張ってて、こんな感じでした。



マッチアップ的にはこんな感じです。北朝鮮は、日本のCBにはボール持たせてくれるんですが、その先に出し所がない。遠藤と長谷部は北のFW二人がぴったり張りついてる状態だし、他の選手もぴったり人がついている。で、韓国戦みたいに、中央に香川と岡崎を絞らせて、ゾーンの隙間でボールを受けようにも、中央で一人余ってる状態なんで、そいつがすぐについてくる。そんなわけで、北の守備が良くて、なかなかボールを繋がせてくれない状態でした。



で、他にも、こんな感じで、遠藤が左サイドに流れて、駒野を前に送り込み、左サイドで数的優位をつくってみよーってチャレンジもしてましたが、遠藤にはしぶとくテセがついてくるので、それも出来ない。


また、香川が中央に降りてきて、ボール運び手伝おうとかやってたんですが、やっぱり、北は中央で一人余ってる訳だから対策が簡単なわけで。


そんな訳で、北朝鮮の方は、非常によく日本を研究してるな、という感じでした。というか、まぁ、こないだの韓国戦で手の内みせすぎたかな、という。遠藤とか長谷部が最終ラインに降りてきて、相手の中央のボランチ釣り出すパターンは綺麗に封じられてました。


基本、日本のビルドアップは、3パターンあります。

1、CBがサイドに開いて長谷部か遠藤が、中央に降りてボールを受けるビルドアップ
2、左SBを上げて、遠藤を左SBの所に降ろしてビルドアップ
3、右サイドの内田に預けてのビルドアップ

となります。


で、なんですが、テセが中央と左サイドで守備に走り回ってるせいで、1と2は、上手くいきませんでした。そんなわけで、残るは3で、うっちーからのビルドアップで状況を打開したい所なんですが・・・・日本の右サイドって、岡崎、長谷部、うっちーなんですよ。ボールを運ぶ力が、やっぱり弱い。この日、うっちーの悪い癖で、マークがついてる岡崎に縦パス入れて、そこで潰されるってシーンが二つありました。この日の右サイドは悪い右サイドで、うっちーが良くない時は、これが頻発します。シャルケなら、ファルファンがなんとかしてくれるかもしれないけど、日本代表、岡崎じゃどうにもならんでしょうという。前半16分のうっちーのプレーなんですが、岡崎にマークついてるのに縦パスいれて、岡崎がつぶされちゃってます。これ、代表で何度みたことか・・・

北朝鮮が払った代償

なんですけど、こーいう守備をやってたんで、北朝鮮も当然の如く、代償を払ってます。まぁ、もう次のキャプをみてもらえばわかると思いますが



前半、北朝鮮、シュート0本です。シュート0本じゃ勝てネェだろっていう。まぁ、しょうがないんですけどね。テセをあそこまで守備に走らせれば、攻撃の時に疲れちゃってて、簡単に潰されちゃうだろっていう。テセ、この試合では吉田に完封されてましたが、あんだけ守備やらされたら、そりゃ攻撃に回す力なくなるだろって感じです。


このあたりが、難しい話になるんですよ。CFに守備させすぎたら、攻撃の時に違いを作り出せなくなる。しかし、CFが守備やらないと、実力差がある相手には、攻撃でスペースを与えることになる。さて、どうする?って話になるわけです。北朝鮮は、前半の立ち上がり、前者を選んだって話なわけです。


そして、それはある程度、成功しました。前半は0対0に抑えたわけですからね。


ただ、前半の時点で、ほころびはみえてました。こんなシーンですが。



これ、セレッソパターンです。同じサイドにシャドー三人集めて突破っていう。この場合では柏木が左サイド、香川が中央左より、で、後から岡崎まで左サイドによってきて、そこで、遠藤から縦パス引き出したシーンです。香川の指示も的確でした。動画みてもらえばわかると思いますが、一瞬、岡崎のマークが外れてて、そこを指さしてます。で、岡崎にあてて香川がうける、と。なんですが、崩しはいいんですが、最後がよくない。


キャプにも書きましたが、両サイドにアタッカーがいないんで、香川にパスコースが一つしかない。あそこで両サイドにアタッカーがいれば、二つパスコースがあるんで、遙かに得点期待値が高いんです。だから、なんで、李と柏木が両サイドに開いてないんだと小一時間・・・この場面、岡崎が中央に入ってきた時点で、李は右に開くべきだったし、柏木は岡崎にパスが出た時点で、左サイドに梁李込まなきゃいけなかった。はあ・・・という場面です。前半、テセのプレスが外れてる時は左サイドから良い崩しが何度もありました。20.21,28、31、33、39分ですね。まぁ、テセの守備が緩くなると、北はやばいってのが前半の時点でわかってました。

後半戦、北朝鮮の守備と日本

で、なんですが、後半に入ってすぐ、わかった事なんですが、北朝鮮、後半に入ってから、テセと4番が守備をあんまやらなくなりました。まあ、あんだけ走らされたらしょうがないんですけど。


というわけで、遠藤が左サイドに流れなくても、中央からパスをさばけるようになります。そうなると、もう韓国戦みたいな事になるわけで。



こんな形で、香川が後半始まってすぐに、中央でパスを受けれるようになります。こうなっちゃうと、やばいのは北。このままだったら、香川に中央割られてたでしょうけど、すぐに修正。4番変えて10番入れてきます。


ザックも、中央の守備が緩くなったって事と、香川があんだけ中央でパスを引き出せてたら、柏木じゃなくて香川のトップ下でいいよねと判断したのか、柏木に代えて清武を入れてきます。で、清武が入ったんで、右サイドが活性化。逆に、岡崎が入った左サイドは沈静化。どうにかならんものかコレ・・・という感じです。無論、左からも良い崩しはあるんですが、



こんな感じで。岡崎も、左SBの注意を引いてたりと、いい動きはしてるんですけど、うーむ、左がねぇ・・・岡崎のいるサイドからは、あんまり良い崩しができないというのは、頭の痛い所です。無論、岡崎のいる逆サイドから良いクロスが入れば、岡崎が決めてくれるっていう利点もあるんですが、この日は岡崎がそれを外しまくってしまい、彼の日じゃありませんでした。



後半は、北のFWの守備が緩くなってた上に、北は30分過ぎあたりから香川にボランチをマンマークにつけてたんで、長谷部と遠藤がかなりボールに絡めるようになってたんですが、とにかく決めきれない。28分と35分の決定機も決めきれず。ハーフナーを投入して、ハイボールを入れるも決めきれずと、なんだか消化不良してたら、37分に北にレッドカード。その後は、もう一方的な展開で、2分ごとに決定機って状態でしたが北のGKが神状態でビッグセーブを連発。


で、48分に待望のゴールをマヤがゴール。これで終了。

もう疲れてきたんで今日のウズベキスタン戦の前に簡単な日本代表の総括

なんか疲れたんで、最後はやっつけです。


1 基本、今の日本代表は、プレッシャーが厳しい時は左サイド頼み。遠藤香川駒野頑張れ。
2 長谷部は今回素晴らしかったけど、前に行きすぎる。後ろにとどまって、SBをもっと高めに送り込ンで幅作って欲しい。
3 ハーフナーと李のどっちがいいかはまだわからない。
4 岡崎はスイッチ役なのかフィニッシャー枠なのかわからないけど進歩してるのは確か。
5 韓国戦で手の内見せすぎた。相手は対策してきてる。
6 香川をトップ下にすると、サイドでボール運ぶ時どーする問題。清武左のほうがいい気せんでもない。遠藤と絡みやすいし。
7 香川と清武、うっちーで右サイド作れるなら、右中心でもいいんだけど。

って所です。


とりあえず、ウズベキスタンは、FWが守備をテセほど献身的にしないんで、点は普通に取れるだろと思います。ただ、その分、攻撃力があるんで、マヤがやらかさないか心配です。