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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

ACLを巡るジレンマのお話

サッカー

皆さん、こんにちは。本日はACLがらみのお話をしようと思います。ACL16ラウンドでJリーグ勢が全滅してしまい、Jリーグサポーターにはかなり精神的にきつい状態なんですが、今日は頑張って更新してます。



フィジカルコンディションとACL

さて、ACLの話になる場合、避けて通れないのがこの話題です。


フィジカルコンディションはサッカーの結果を大きく左右します。たとえば、あのバルサですら、代表戦の後には勝率が30%近く低下します。これは、代表の試合で消耗したバルサの選手達と、代表期間中にしっかり休んでコンディションを整えることができるチームの選手達の間で、コンディションに明白なまでの差があるからです。


欧州のビッグクラブが代表戦の試合数を減らせ減らせと、やたらと騒がしく要求しますが、代表クラスの選手を数多く所有するビッグクラブにとって、代表戦の後の勝率の低下は、もはや見逃すことが出来ない問題だからです。


そして、いわゆるジャイアントキリングが起こりやすいのが、ビッグクラブのフィジカルコンディションが落ち込みやすい開幕直度の1〜2ヶ月と、代表戦直後です。


この理由は、アンチェロッティが、「アンチェロッティの戦術ノート」の中で詳しく述べているので、そこから引用しましょう。

シーズンが開幕してからの1、2ヶ月は、リーグ戦が最も不安定になる時期だ。優勝候補の一角に挙げられたビッグクラブが思わぬもたつきを見せたり、逆に弱小クラブが意外な健闘を見せて注目を浴びたりすることは、決して珍しいことではない。というよりもむしろ、毎シーズン起こる、恒例行事のようなものだと言った方がいいほどである。


それでは、なぜシーズンの序盤にはいつもこのような番狂わせが起きるのだろうか?結論から言えば、最大の要因は、タイトルを狙うビッグクラブと、残留争いを戦う中小クラブとでは、開幕時でのフィジカルコンディションにはっきりとした差があるということだ。


タイトルを狙うようなビッグクラブは、シーズンを通して80%前後の、安定したコンディションを保つことに重点を置いて、プレシーズンのフィジカルコンディションを積み重ねてくる。一方、残留争いを戦う中小クラブは、不確定要素が多く格上相手にポイントを稼ぐチャンスがある序盤戦と、すべてが決する終盤戦にピークを持ってくることを意識して、トレーニングメニューを組む。その違いが、開幕時のコンディションの差につながってくるのだ。


具体的に説明しよう。プレシーズンのキャンプは、一年間のコンディションを左右するフィジカルトレーニングを集中して行うことができる、唯一の機会だ。そこで、どんなタイプのトレーニングを行うかによって、一年間のフィジカルコンディションの大きな傾向が決まる。


というのがあるんです。ちょっと、ビッグクラブと中小クラブのフィジカルコンディショニングの違いを表にしますが、


ビッグクラブ

  • プレシーズンに有酸素運動、パワー、持久力の向上を目的とする負荷の高いトレーニングを行う。
  • 疲労の蓄積が大きい為、キャンプ終盤からシーズン序盤にかけて一時的にコンディションが大きく落ち込む。
  • その後、コンディションは徐々に上がっていき、冬の時期にピークを迎え、その後、ゆっくりとコンディションは落ちていく。


中小クラブ

  • プレシーズンにスピードや敏捷性の強化を目的とする、あまり負荷の高くないトレーニングを行う。
  • 最初の二ヶ月程度はコンディションがきわめて良いが、その後、急激にコンディションが落ちる。
  • その後、終盤にかけて、再びコンディションは上昇していき、ラスト5試合で最高潮になる。


違いを箇条書きすると、こうなります。ビッグクラブは、序盤のフィジカルコンディションの低下は、もうしょうがないものとして受け入れざるを得ません。タイトルを狙うクラブにとって、中盤から終盤にかけてコンディションが落ち込んだ場合、立て直しが不可能になるからです。


また、アンチェロッティがこうも述べています。

フィジカルコンディションをめぐるジレンマは、開幕よりも一ヶ月近く前にCLの予備予選を戦わねばならないチームにとっては、より深刻なものになる。キャンプがスタートしてから一ヶ月あまりのこの時期に、シーズンの行方を左右する重要な試合を戦えるコンディションを作るためには、あまり大きな負荷をかけることなく、むしろスピード強化を中心とした軽めのメニューを行う必要がある。しかし、そうなると今度は、プレシーズンの間に負荷をかけておかなかったツケが、冬の訪れと共に回ってくることにもなりかねない。このあたりの”さじ加減”をどうするかは、監督とフィジカルコーチが本当に頭を悩ませる部分である。


このあたりはアンチェロッティのミランが06−07年に味わった苦悩でもあるんですけど、カルチョポリの影響で、ミランはCL予備予選を戦わざるを得なくなりました。結果として、シーズンを戦う為の土台となる負荷の高いフィジカルトレーニングを行うことができず、ウィンターブレークまでの4ヶ月、フィジカルコンディションが全くあがらず、故障者も続出、下位に低迷することになります。


また、CLグループリーグなんかでもそうなんですけど、9〜10月のCLグループリーグは、いわゆる大番狂わせが起こりやすい時期です。メガクラブのコンディションが上がりきってる時期ではないため、メガクラブが負ける事が珍しくありません。また、CL予備予選を戦ったチームは、フィジカルコンディショニングの問題がシーズン中に噴出するため、リーグ戦で大きく躓くことが珍しくありません。


はっきりいって、この時期に絶好調のメガクラブは、むしろ危ないと考えた方が良いです。冬に失速する可能性が高いからです。フィジカルコンディション的にいって、この時期にメガクラブが強いのはおかしいんです。


さて、ACLの話に移りましょう。Jリーグ春秋制をとっており、開幕は3月上旬です。さて、ここでフィジカルコーチと監督にとって問題なのはACLの開幕も3月上旬だって事です。つまり、一番、自分のチームのコンディションが悪い時期にACLのグループリーグを戦わないといけないって事です。


ACLで結果を残したいなら、フィジカルコンディションを巡る問題が噴出します。過密日程もそうですが、開幕二ヶ月にしっかり戦えるコンディショニングをしないといけません。ただし、これをやってしまうと、夏に絶対にフィジカルコンディションが落ちます。


一方で、普通通りのコンディショニングをするとACLを戦う時期、非常に厳しいコンディションで望まないとならない上に、リーグとの並行ですから、リーグ戦で大きく成績を落とす可能性が高いです。


この当たりのさじ加減は、ACLを戦うクラブを締め上げます。過密日程と移動、そしてフィジカルコンディションを巡るジレンマ。どうするかは、そのクラブのフィジコ次第ですけど、僕は、ACLを戦うチームがリーグ序盤戦で大きく成績を落とすのは、もう避けられないと考えているクチです。どうしようもないからです。


フィジカルコンディションが良い状態でACLを戦おうとすると、序盤戦はいいですが、夏に絶対失速します。優勝を狙うクラブにとって、それは絶対避けたい事です。中盤以降でつまづいてしまうと、巻き返しは不可能に近いからです。


一方で、優勝を狙う為に負荷の高いトレーニングを中心にしてキャンプを行うチームは、ACLで相当な苦戦を強いられます。これは、大概のJリーグのクラブがたどる道です。


ACLとリーグ戦を見る限り、フィジカルコンディションとか関係なく、単にチーム作りに失敗したガンバは例外として、柏、名古屋、FC東京は優勝を狙う為、プレシーズンのキャンプで負荷の高いトレーニングをしていたっぽいんで、ACLや序盤戦で苦戦するのは目に見えてました。どのクラブも、いまいちリーグ戦でふるわない成績ですけど、序盤戦で調子良すぎた仙台とか絶対夏場に失速しますからJリーグの優勝争いはここからです。名古屋だって、去年、序盤最悪だったけど、しっかり夏場から持ち直したし。FC東京や柏もACL無くなって、フィジカルコンディションが上がってくれば、順位を上げてくると僕は思ってます。


これは毎年の恒例行事みたいなモンで、僕はあんまり気にしてません。ACLのグループステージの開幕が、Jリーグの開幕と被っている以上、仕方ないことです。去年までのKリーグみたいにACL優先の日程を組んでもらえるならいいんですが、Jリーグはそんな事してないので、ACLが罰ゲームとか言われる所以はそんな所にあるんです。


Kリーグは日本と同じ春秋制なんです。ただ今年からKリーグも、そういうACL優先日程なくなったらしいのですが、案の定というか、Kリーグのチーム、グループステージから勝ち残れたの4チーム中2チームだけでした。また、去年のK王者、全北はグループステージで敗退してますし、城南一和はラウンド16で、ウズベキスタンブニョドコルに負けました。優先日程がなくなった以上、韓国のチームがグループステージで苦戦したのはしょうがなかったかなと。韓国のチームは、今年からACL優先日程組まなくなったみたいなんで、韓国が今年のACLで振るわないのは目に見えてました。


フィジカルコンディショニングを巡る問題は、チームの成績にダイレクトに影響を与えます。Jの場合、チームのコンディションが最高潮になるのは夏場以降なので、リーグ優勝の為の本当の戦いはここからなんです。


アジアにおけるフットボール勢力の変化について


さて、昨今、アジアにおけるフットボールの勢力に変化が生じてます。ちょっと、ラウンド16の結果を乗せておきますが



こうなりました。はっきり申し上げますが、ラウンド16は一発勝負なんで運の要素がでかすぎます。なんで、グループステージの得失点差のほうがクラブの実力を示す指標となるもんなんですけど、こんな感じです。






まあ、サンプル数が6試合だけなんで、アレなんですけどね。ただ、そう悪くはないです。ガンバさんはどうしようもないですが。


国別にラウンド16に残ったクラブを列記すると


日本 3
UAE 2
ウズベキスタン 1
イラン 3
サウジアラビア 3
韓国 2
オーストラリア 1


という感じです。


さて、昨今、圧倒的に力をつけてきているのは、産油国のクラブと、中国のクラブです。どちらも金がうなるほどあります。産油国は、オイルマネーを使って世界中から選手かきあつめてますし、中国のクラブは、不動産のバブルマネーをサッカーに突っ込んでます。昔のJリーグみたいですけどね。バブルはじけた後、どうすんでしょうね。


ここで残酷な現実を申し上げますが、最近のサッカーは勝とうと思ったら銭がかかります。


ACLのラウンド16に残ったクラブをみれば一目瞭然ですけど、イラン、日本、韓国あたりはアジアではサッカー強国ですから、残ってるのは当たり前として、UAE、サウジアラビアあたりの躍進が目につくわけです。オイルマネーで選手かき集めてるから当然なんですけどね。


また、中国の広州あたりは、ドルトムントのバリオスとったりリッピ監督を雇ったりで日本でも有名ですよね。


これらのクラブは、金に糸目をつけず、選手集めてます。総年俸で30億以上使えるようなクラブなんです。


一方で、Jリーグは、名古屋が年俸総額9億4090万、FC東京が6億8600万、柏が6億6100万、ガンバが8億1660万となってます。


広州に関しては、マルチェロ・リッピの年俸10億円、ダリオ・コンカの年俸11億4000万円、バリオスの年俸7億円となってます。ぶっちゃけた話、Jリーグの4チーム合わせた総年俸で、やっとこ広州の外人傭兵3人とトントンくらいな訳でございますよ。嫌な話ですね。


さて、ここで問題でございます。この問題を解ける人がいたら、是非、Jリーグのチームにアドバイスしてあげてくださいませ。


Q:貴方の敵チームは、貴方のチームより20億以上の金を持っています。その金で世界中からいい選手をかき集めてきています。過密日程の中で、この敵と戦って、みっともない負け方をせずに済ませる方法を考えなさい。


答えが出せる人がいたら、是非、来年のACL参加チームまでご連絡ください。僕には無理です。


Jリーグにおいて、最低の年俸総額が鳥栖の1億7510万円でございます。闘莉王の年俸が1億5000万円ですから、鳥栖は闘莉王一人とアマチュア10人くらいの戦力なんです。それであの成績です。サガン鳥栖マジミラクル。鳥栖の話は、又今度しますが、あの年俸総額で、あそこまで勝てるチーム作ったユン・ジョンファン監督マジゴッド。


鳥栖にまけたチームのサポは、恐ろしいレベルで荒れますが、闘莉王一人分ちょいの金しかかけてないチームに負けたら、そりゃ荒れますよね。。。。。


Jリーグは格差がさほどないリーグと言われます。実際、上と下で、総年俸の差は、8億程度しかありません。これくらいなら、まあなんとかやれるレベルの格差です。


しかし、これがインターナショナルレベルとなると話が別なんです。


セリエA、プレミア、ブンデス、リーガでは、トップクラブとボトムズとの差は、年俸総額で100億以上の差があります。これだけ差があったらリーグ戦でまともに戦える訳ありません。自分達より100億余計にもってる相手にまともに戦って勝てると思います?そう思ってるなら貴方は精神課のドアを叩いた方がいいです。


勿論、ミラクルなチームもありますよ。セリエAではウディネーゼ、ブンデスではドルトムントあたりですけどね。ウディネーゼは年俸総額20億ちょいのチームですが、今年、3位に入りました。年俸総額で150億のインテルより成績良かったわけです。ぶっちゃけ、バルサを研究するより、ウディネーゼを研究したほうがいいだろって話で。コスパ最強すぎる。


ドルトムントもそうですがね、バイエルンとの年俸総額の差は100億あります。開幕前、クロップやドルトムントのフロントが「優勝はバイエルン」って断言してましたけど、こんだけ差があるのに勝てると思うほうがおかしいんです。今年、ドルトムントはブンデス2冠でしたが、100億余計にもってる相手をたたきのめした訳ですから、そりゃ騒がれますよ。CLで早期敗退してたおかげとか言う人がいますが、年俸総額で100億ドルトムントより多く払ってるバイエルンの言い訳になる訳ないでしょって話で。ドルより100億余計に払ってアレじゃ、そりゃあ、バイエルンのフロントはショックでしょうよ。


そんな訳で、弱いチームはウディネーゼとかドルトムントを研究したほうがいいです。バルサは、移籍金や選手の年俸にアホみたいに金突っ込んでるクラブなんで、スタイル云々の前に、勝って当然のレベルなんです。あんだけ金があるなら、どんなスタイルだろうが普通は強いです。


今年、ブンデスではクロップが最優秀監督で、セリエAではフランチェスコ・グイドリンが最優秀監督に選ばれてましたが、当然だと思います。自分のチームより100億多い予算を持ってるクラブより上位を確保するなんて、普通の監督じゃあ出来ません。彼らは経歴をみればわかりますが、いわゆる一つの「特別な監督」です。年俸総額から予想される順位を超える結果をもたらせる特異な監督なんです。どちらも監督としての経歴が素晴らしい。こんな監督は滅多にいません。


ただね、ドルトムントにしろウディネーゼにしろ、インターナショナルレベルの大会では結果だせてると言い難いです。CLとリーグ戦の過密日程を戦えるほどの戦力を抱えようとすれば、控えにも中堅クラブで余裕でスタメンはれるレベルの選手を集めないといけません。そうなったら、100億はかけないと無理です。


繰り返しますが、最近のサッカーは勝とうと思ったら銭がかかります。インターナショナルレベルでは、これは、もう絶対必須です。これからACLで勝ちたいなら最低20億、理想は30億必要です。じゃないと、産油国のチームに勝つのは難しいし、中国の広州みたいなチームにはまず勝てません。


鳥栖みたいなミラクルは確かにリーグ戦で時々現れます。ただね、リーグ戦とACLみたいな過酷なカップ戦を戦い抜くなら、10億程度のチームじゃ、もう無理なんですよ。20億はかけないと無理。確実にファイナルいきたいなら30億はかけるべき時代なんです。


欧州CLはすでにそうなってます。CLグループステージを勝ち抜いてファイナリストに進みたいなら、最低でも年俸総額で100億はかけないと無理な状況です。グループステージを勝ち抜くだけでも50億は必須です。



でね、結局、この話になるんですけどね。


皆さん、もっとJリーグみてください。スカパー入ってください。お願いします。



あのですね、海外のビッグクラブとJリーグのビッグクラブで、どこに差があるかっていうと、放映権料なんですよ。


日本最大のクラブである浦和を例にだしますけどね。


浦和の場合、

  • 入場料収入 22億
  • TV放映権料 2億
  • 広告料収入 22億


って所なんです。


それで、海外のビッグクラブなんですけど、イタリアのACミランユベントスインテル、ブンデスのシャルケドルトムントあたりは、入場料収入なんて20〜30億程度なんです。ここはぶっちゃけ、浦和と大差ないんですよ。


ところが、商業収入(スポンサー、ユニフォームサプライヤー契約含む)とTV放映権料がダンチなんです。商業収入がビッグクラブは大体50〜60億、TV放映権料はブンデスで40億、CLにでてるクラブは60億もらえます。セリエは、放映権料だけで100億超えです。


特にCLからの収入が半端ないんです。ACLとは差がありすぎる・・・ただね。


中国と韓国、日本あたりでサッカーの人気がもっと出れば、ACLの放映権料だってもっと上がるし、絶対、もっともらえるようになると思うんですよ。


スカパーの加入者がもっと増えれば、放映権料だって上がるし、それに伴ってクラブはスポンサーも探しやすくなります。


だからね、もっと皆さん、Jリーグも見てください。お願いします。Jリーグにお金が落ちないと、インターナショナルレベルで強いチームなんて出来ないんです。クロップやグイドリンが成し遂げたように、国内では勝てるかもしれません。でもインターナショナルレベルの大会で結果出すには銭がかかるんです。


インターナショナルレベルで強いチーム作りたいなら、金かけないと無理なんです。欧州CLはすでにそうなってますが、ACLでも、その傾向が強く出るようになってきました。


なので、皆さん、もっとJリーグ見てください。面白いチームは沢山ありますから。