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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

日本代表対オーストラリア戦のレビュー 「アレックス起用の意図について」

さて、みなさん、こんにちは。めっちゃ間が空きましたけど、今日は、日本代表対オーストラリアの試合のレビューを行います。間が空いた理由はユーロ見るのに忙しかったからです。言い訳になってませんね。


ユーロ見ながら書いても良かったんですけど、ユーロ見た後にレビューの記事書くのって疲れます。というか、レビューの記事はめちゃくちゃパワー使うので、ハイペースで更新するの無理です。なんで、ユーロの記事は、GLが全部終わった辺りで書こうと思います。読者様から、色々コメントで要望を頂く事もあるんですが、とりあえず、次はユーロやります。イタリアかフランスあたりの話になるとは思うんですけどね。オランダは完全に壊れたチームと化していて、なんか無残ですけど。



日本代表対オーストラリアにおけるオージーの守備のやり方

さて、まずはマッチアップから入ろうと思います。ちなみに、オージーの攻撃については、アジアカップの時と同じでロングボールです。それからもう一つが、SBの裏狙いですね。日本はSBを頻繁にあげてくるので、その裏を狙った攻撃をやってました。まあ、これについては、キャプ使うまでもないので割愛します。



さて日本はいつもの4231ですが、マヤが怪我しちゃったので、右CBにはマリノスの栗原番長が入ってます。一方、オーストラリアは442です。アジアカップの時と同じですね。さて、ここ何回かのエントリで触れてきましたが、4231と442はミスマッチが生まれます。図にすると、中央の部分です。



ここですね。中央のエリアが問題になります。本田、遠藤、長谷部の3人をボランチの二人が見なくちゃいけなくなります。さて、オーストラリアは、この部分をどうしていたかという話になるのですが。


試合始まる前、スタメンみた時にいやーな予感がしたんですけど、FWに清水でボランチやってるアレックスが入ってるんですよ。これ、見たとき、非常にイヤーンという感じだったんですが、それは何でかって話になるんですけどね。


あらかじめいっておくと、オーストラリアは、最初の時間帯、結構前から来てましたが、20分すぎあたりから、それほど前からプレスには来なくなりました。コンディションの問題でしょうが、長距離移動+メンバーの高齢化という問題を抱えているチームだったので、ハイプレスが長続きしないのはわかってました。で、そうなると、ハーフウェーラインあたりからプレッシングになるわけですが、オーストラリアは、どうやっていたのかという話になります。


結論からぶっちゃけていうと、ケーヒルが長谷部にプレスバック、アレックスが遠藤にプレスバックしてました。ケーヒルが長谷部番、アレックスが遠藤番と思って頂いてよろしいかと。



図にすると、こんな感じです。見ていて、個人的に「参ったなあ」と思ったのはFW二人がしっかりプレスバックしてくるんですよね。だから、日本代表はボランチの所で、なかなかボールを落ち着けることが出来ない。ここが、今回、日本代表を非常に悩ませた部分でしてね。ここからは、キャプでやりましょうか。前半15分の場面です。







このシーンなんですよ。ここね、その前のヨルダン戦だと見られなかった光景でした。CFのアレックスが、遠藤にプレスバックしてきてボール奪っていく訳ですよ。アレックスがCFに使われていたのをみて「うげー」と思ったのは、こういうシーンが頻繁に出てくるだろーと思ったからなんです。アレックスは、清水でボランチやってることからわかるように運動量と守備力があります。なんで、今ちゃんにプレスかけたり、遠藤にプレスバックしたりして、日本の左サイドのビルドアップを邪魔しまくってました。また、ケーヒルが長谷部にべったりくっついているのもキャプからわかると思うんですけど、FW二人が、ボランチにプレスバックしてくると、日本は非常に厳しくなります。


このシーンなんですけど、アレックスがプレスバックしてこないなら日本は本当に簡単なんです。遠藤はボールもって、相手のボランチを前に引っ張り出してから、香川に展開すればサイドで香川とSBの一対一が出来る訳ですよ。そしたら日本のターンです。ところが、ここでアレックスがプレスバックしてくるので、それが上手くいかない。ヨルダン戦だと、あそこにプレスバックがこないから、ガチャピン無双になってましたけど、アレックスがプレスバックしてくるようだと、ガチャピン無双は難しくなります。というか、無理です。オジェックがアレックスをあそこで使った意図は、ココですわな。遠藤に時間を与えない。


また、前半21分のシーンでも「アレックスuzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!」と思ったシーンがありましてね。












こうなった訳でございますよ。本気でuzeeeeeeeeeeeeeeと思ったシーンでして、あそこ、アレックスのプレスバックがなかったら、遠藤は絶対に赤川にスルーパスだせてました。で、その後は、香川がゴールして日本が先制してました。マジでうざいアレックスのプレスバック。アレックスが遠藤にプレスバックしてくるので遠藤には時間がないんです。だから、香川に出すべき所で、長友のほうにパスだしちゃったりする。時間をアレックスが与えてくれないんです。また、28分のシーンでも、長谷部と遠藤のパス交換のところ、オーストラリアに狙われてましてね。








こうなった訳です。これで、今ちゃんがイエロー貰ってしまい、時節出場停止。ここね、今回のオージー戦で、延々と問題になっていた部分でして、左サイドで遠藤がフリーでもらえそうな時でも、アレックスがプレスバックしてくるので、左サイド上手く使えなくなってたんです。勿論、時々、アレックスがさぼってる時は、日本がいい攻撃できてましたけどね。


そんな訳でして、オーストラリア戦の前半はなかなか、日本はペースつかめませんでした。左サイドは、ボールの出所である遠藤へのプレスバックが厳しくてむずかしい。そうなると、右サイドなんですけど、右サイドのボールの出し手であるうっちーにはSHが、長谷部にはケーヒルがべったりついてるから、それも難しい。そんな訳で、前半は、日本はなかなか難しい試合でした。

マヤがいない影響の話

さて、前半の話が終わった所で、マヤがいない影響の話をしたいと思います。というより、日本代表が、どういう攻撃をすればよかったのかみたいな話になるんですけどね。


まず、ちょっと考えて見てください。オージーは、日本がビルドアップするとき、ケーヒルが長谷部番、アレックスが今ちゃんと遠藤を見てます。ここで誰もみてないのが栗原です。ここを日本としては上手く使いたい。どうつかえばいいのかというと、これは図でやりますが



こうなります。えーと、ちょっと具体的に説明しますが、うっちーがボールを持って前を向いたとしましょう。そうすると、オージーはブロックの中から左SHが前に出てきます。そしたら、SHが開けたスペースに岡崎を降りてこさせます。この動きをいれるとオージーのSBがでてきます。そうしたら、オージーのSBの場所が空きますよね?そこを日本としては狙いたい。だから、そこから、うっちーが栗原にはたいて、SBの裏にフィード出せばいいんです。SBが開けたスペースは本田が流れてつかうと。


ただね。


栗原って選手、めちゃくちゃ打点の高いヘディングを持っているのが特徴なんですが、一方で足下はひじょ〜〜〜〜に残念な選手なんです。


だから、うっちーは栗原を使えない。独力で打開するしかないんです。長谷部に出してくても、そこにはケーヒルがべったりついてるので使えませんしね。そんな訳で、マヤがいないと、こういう時に影響がでるんですね。ボランチ二人にFWが強烈にプレスバックしてくるチーム相手の場合、CBのフィードが生命線みたくなるんですけど、マヤがいないと、これが日本代表はできなくなる。


という訳で、前半は非常に日本としては苦しい試合となりました。マヤがいれば、ビルドアップは、かなり楽だったんですけどね・・・・


日本代表対オーストラリア、後半戦で起きた事

さて、後半なんですけど、皆さん、ご存じの通り、試合が動きました。後半9分、うっちーに対するミリガンのファウルで、ミリガンが二枚目のイエローを貰ってしまい、退場となります。これが劇的に試合を動かす事になります。ネットで色々とネタにされてますが、この時のうっちーの色気が尋常ではなく、



こんな感じでした。うっちーの色気半端無い。審判をガチで悩殺できるSB内田。日本の隠れたストロングポイントです。


さて、これで一人少なくなってしまったオーストラリアでございますが、これ影響が尋常じゃありませんでした。その後、すぐのシーンで、オーストラリアが一人少なくなった影響が出てます。後半10分のシーンなんですけどね。







と、こうなりました。ここね、何が問題かっていうと、あの位置で遠藤がフリーでボールさばけてるわけですよ。ボランチが前にでれば?と思う人もいるでしょうけど、それをやっちゃうと香川か本田に背後を取られます。このシーンでも、遠藤は、ボランチが前に出るそぶりを見せた瞬間に香川にグランダーのパス通してますしね。


で、ここから日本が先制するまで、延々と遠藤が浮いてました。13分のシーンとかもそうですけど







こうなった訳ですよ。遠藤がフリーになれたんで、ここからは日本が完全に試合を支配できるようになります。17分のシーンでもそうでしたが、遠藤が完全に浮いてるんで、日本はボールの避難場所に困らないわけです。詰まったら遠藤に戻してゲームを作り直せばいい。で、そういう流れで、日本が先制するわけです。日本の先制は、本田の素晴らしいドリブルからのアシストでしたけど、このゴールの原因となったのは、オージーが一人少なくなって、遠藤が自由にビルドアップできるようになった事が原因なんです。あそこから、日本は一方的に試合を支配できるようになりました。


しかし、オジェックも動きます。マッケイに変えて、ルカビチャを後半19分に投入してきます。ただし、これの狙いは当たるというより、うっちーが謎のイエローでPK取られちゃうわけですが。オジェックは、19分以降、4−3−2みたいな布陣に変更します。後ろ7枚で守るやり方に変更したんですね。ホームだし、なんとか勝ちを狙いにきてました。


ただ、7枚で守るって無理がありまして、その後、何度も日本に危ないシーン作られてました。あまり、この交代は機能しなかったかなと。


僕は、7枚の守備ブロックとか、ハナっから馬鹿にしてる口なんですけど、それが何でかというとですね。







とまあ、こういう崩しで簡単にやられちゃうからなんですな。根本的に守備で人数たらんのですよ。ボランチのところからサイドに展開されると簡単にサイドで一対一作られちゃうし、SBとCBの間にスペースができやすいんです。まあ、日本が追加点いれらんなかったのは、ピッチが悪かったからとしか。ユーロ2012では、どこの国も揃いに揃って9枚くらいでブロック作って守ってますけど7枚とか8枚で守りきれるような時代じゃないんです。


7枚で守りきるのは無理って話なのは、以下のシーンからも、明らかだと思うんですけどね、









こういう流れでパス回されたら、簡単に中央1ボランチにされてバイタル使われ放題になるじゃんって話で。僕が7枚での守備なんて今の時代無理ゲーというのは、このシーンみたいな形でパス回されたら、バイタル使われるのは避けられないからなんです。SBのオーバーラップを使って、相手のボランチを一枚、サイドに引っ張り出し、その後、一回ボランチに戻しボランチがドリブルいれて、二枚目の相手ボランチをサイドに引っ張る。これで、中央に残ってるのは1ボランチのみになります。あとは、バイタル使い放題。もっとも、このシーンで日本がシュートできなかったのは、日本の最後の部分でのミスのせいなんですがね。遠藤と香川なんでやねんと。


まあ、そんな訳で、最後まで日本は追加点取れず、オージーとは引き分けに終わりました。最後の7枚守備ブロックのシーンはちょいと蛇足でしたが、今の時代、7枚で守備をやるのは難しいという話を、せっかくだからしようと思っただけなんですわん。


さて、まとめに入ります。

この試合、試合後に審判のジャッジにばかり注目が集まってしまって、ちょっとアレでしたが、試合自体はかなり面白い試合でした。久々に日本代表の試合でフットボールを見れて楽しかったです。


W杯最終予選の最初の3連戦で、日本は勝ち点7取れたわけで、十分すぎる結果です。二位以下は勝ち点を2しか取れてないし、オージーは残り6試合で日本と勝ち点差5をひっくり返さないといけないわけです。これ、かなり難しいと言わざるをえません。日本とのホームでの試合も残ってますからね。次はホームでイラクとですし、次で勝ち点10を取れるでしょう。突破に必要な勝ち点は13〜14なんで、次で勝てばW杯出場はほぼ決定です。


今回の試合みたいにFWががっつりプレスバックしてくるケースでは、どこだろうと難しい試合になります。実はオージーがあそこまで日本をリスペクトした試合をしてくるとは思いませんでした。個人的にケネディ使ってくれた方が嬉しかったんですよね。ケネディは今、調子悪いしプレスバックもそんな熱心にはやりませんから日本がゲームを支配できる。ケネディへのロングボールは確かに脅威です。セットプレーでも怖い。しかし、ケネディはプレスバックをあまりしない選手なので、ケネディを起用してしまうと日本に中盤を支配される危険性があります。オジェックがケネディでなく、守備力と運動量があるアレックスを起用した理由はそこでしょうね。日本に絶対に中盤で主導権を渡したくなかった。渡してしまえばズタズタにされてしまいます。


これ、似たようなケースが2007年のCL決勝、ミラン対リヴァプールの試合でありました。アンチェロッティのミランとベニテスのリヴァプールが激突した試合ですね。この試合、ベニテスはカイトをワントップ、ジェラードをトップ下に置いた4411を採用しました。カイトとジェラードは運動量と守備力をもっているので、リヴァプールの激しいプレッシングの前にミランは中盤を全く使えず、試合は膠着状態に陥ります。試合を動かしたのはFKでした。ピルロのFKをインザーギが背中で押し込んでミランが先制。これによってリヴァプールは追い詰められます。


ミランのアンチェロッティが恐れていたのは後半からカイトに変えて、身長2mのピーター・クラウチを入れ、ロングボールを放り込まれる事でしたが、ベニテスは後半残り15分までクラウチ投入に踏み切れませんでした。理由は明らかな事ですが、クラウチは守備あんまりやりません。だから、クラウチを投入すれば、ミランに中盤を支配されるのは目に見えている。それが嫌だったから、後半開始早々からのクラウチ投入に踏み切れなかった。最後は前がかりになったリヴァプールに対してカウンターからミランが追加点を決めて、ミランがCL優勝と。


今回の試合では、ミランみたいに日本が上手くやれたわけじゃないんですけど、オジェックがああいう布陣とスタメンを採用したのはベニテスと同じ考え方をしたからでしょう。ああいうやり方をされると日本は苦しくなりますが、それはどこのチームでも同じなんです。FWに運動量と守備力のある選手を採用して「相手の長所を消すサッカー」をやられたら、どこのチームでも苦しいもんです。


次の試合は、ジーコ率いるイラクな訳ですけど、ジーコがそういうサッカーをしてくるかどうかは知りません。多分やらないと思うので、日本にとっては楽な試合になると思ってるのですが。日本のホームで糞ピッチに悩まされる事もないですし。


今日はそんな所で。


それでは皆様ごきげんよう。