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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

2012ロンドン五輪、日本対スペインの簡易れびゅう

サッカー

みなさん、こんにちは、突然ですが、今日は、先日行われた日本対スペインの試合のレビューを行います。ユーロ2012の話をしようとしてたら、いつの間にかロンドン五輪がはじまっちまいました。サボりすぎでございます。


もっとも、日本代表が金星あげたので、すでにレビューは大量に出てるので、あんまり書くことないんですけど、他のレビューであんまり触れられてない所があったので、そこについて、いくつか補足的な話をしようと思います。


ちと時間がないので、今回のレビューは軽めでキャプもあまり使いません。

日本対スペイン、スペインのゲームプランについて

というわけで、まずは、マッチアップから。



マッチアップはこうです。日本が4231で、スペインは433。システム的には、完全にかみ合ってる対戦です。なんで、普通にやると、これ、がっつりかみ合ってしまうのですね。完全にシステム的にかみ合ってるので、ミスマッチが生まれない対戦なんです。


ただ、スペイン代表は、ポゼッションサッカーのチームなんで、相手と完全にシステムをかみ合わせたまま試合することはまずありません。システムで、かみ合わせをずらしてきてます。


日本は、高い位置からプレスを行う時は、442でハイプレスかけてきます。なんで、スペインのほうは、ポジションチェンジでシステムをミスマッチさせ、日本のプレスを回避しようとしてました。スペインはポゼッションサッカーなんで、ハイプレスかけられた時でもロングボール蹴らずに繋いでプレス回避を狙ってきます。


これ、どういう方法かというと、アンカーのハビ・マルティネスを最終ラインに下げて、SBを上げて、3バックを形成するやり方で永井と東のプレスを回避。その上で、右SBのモントーヤを高い位置にあげて、右WGのマタを中央にしぼらせるってやり方です。図にすると



こうなります。3バックになって、東と永井のプレスを無効化し、モントーヤを高い位置に置くことで、マタをフリーマンにします。でもって、3バックとフリーマンのマタをつかってビルドアップしていく形ですね。


ここで、フリーマンになってるマタが厄介で、試合開始直後から、ちょくちょくマタに危ないシーン作られてました。ちと、キャプでやりますね。前半7分の場面です。












まあ、こういうビルドアップからの攻撃です。これ、前半の日本にとって、結構厄介で、フリーマンのマタをつかった攻撃だけは、この試合で、日本に問題を引き起こしてました。この試合、スペインに関しては、デヘアとマタのパフォーマンスだけは凄かったですが、ほぼ攻撃でフリーマンのマタは、日本のゾーンディフェンスにとって非常に厄介で、彼が絡むとスペインの攻撃にリズムが出ていて厄介でした。誰がつくのか、どうしてもボヤけますからね。


もっとも、彼以外は、大したことなかったのも事実なんですが・・・・

でもって、日本のゲームプランなんですが

さて、ここからが、日本のほうのゲームプランです。日本は、相手陣内深いところでは、ハイプレスかけてましたけど、スペインが3バックに変形して、マタが降りてきたときは、流石にハイプレスをかける事はできません。というか、「3バックポゼ+ボランチのポジションに降りてきたマタ」が揃ってる7分のシーンみたいに、無理にハイプレスかけると交わされてゴール前までボール運ばれます。


なんで、そーゆー時は、さっさと自陣に撤退して、9〜10人でさっさとブロック作り、じりじりサイドに追い込んで相手のミスを誘う守備に切り替えてました。スペインが一人退場するまでは、こっちのほうが多かったですね。


自陣に撤退してブロック作る守備だと、高い位置でボールを奪ってショートカウンターってのは難しくなるんですけど、この日の日本代表には、低い位置からカウンターを行う為の方法がきちんと整備されてました。この日の日本代表の、低い位置からのカウンターに関しては、他所であんまり扱われてなかったので、僕はそっちについて扱おうと思います。


えーと、2番目でつかった図を流用しますが、



スペインは、あの日の前半、日本の442ハイプレス回避のため、ハビ・マルチネスを最終ラインに落として3バックを形成してました。これで永井と東のプレスは無効化できます。で、あとは、マタあたりが降りてきてボールを受けると。WGのマタが降りて来ると、右サイドの高い位置にモントーヤが上がっていくと。


で、なんですけどね。


このやり方、日本のハイプレスを交わすのにはいいやり方です。


ただね、構造的に欠陥があるんですわ。それが赤で囲ったスペースなんですけどね。つまり、モントーヤが上がった後ろのスペースがガラ空きになるんです。バルサの場合、ダニ・アウベスが高い位置をとるため、その後ろに広大なスペースが広がってますが、u23のスペイン代表の場合、ポゼッション時、モントーヤが上がりっぱなしに近い状態なので、その裏はガラ空きなんです。


それで、関塚ジャポンなんですが、この辺りは、きっちりスカウティングでわかっていたことのようで、モントーヤの裏を前半はずっと狙ってました。


この日の関塚ジャポーンのゲームプランは、「取れそうな時はハイプレス+ショートカウンター」、「取れなかったら自陣にさっさと撤退してスペインにボールを持たせてモントーヤの裏を狙ってカウンター」という二段構えの作戦です。


スペインはボールもたせとけば、勝手にモントーヤ上げて攻撃してきてくれるので、関塚ジャパンとしては、カウンターしやすいチームなんです。モントーヤの裏はいっつもガラ空きだし。


ちなみにモントーヤが上がってこないなら、マタは右WGの位置から動けないんで、スペインのビルドアップがどん詰まりになります。だったらハイプレスです。3バックに変形し、モントーヤを上がらせ、マタが降りてきてビルドアップを手伝うなら、自陣に撤退してボール取ったらモントーヤの裏へレッツゴー。前半の日本代表のゲームプランとしては、そんな感じでした。しっかりスペインのスカウティングは完了してますよ、という奴です。


これ、前半9分のシーンのキャプで説明しますけど、







こういう流れでした。前半9分の時点で、スペイン代表の弱い所は明らかで、スペインはポゼッション時、SBのモントーヤが高い位置を取ってるから、その裏にスペースがあるんですね。だから、ボールを奪ったらワンタッチでパスを繋ぎ、両SBの裏をつかってカウンターってのを日本は狙ってました。あそこ、絶対空いてるので。


時間ないんで、キャプでやりませんけど、26分(モントーヤの裏)、27分(両SBが高い位置を取っていてスペインの自爆)と、日本代表、あそこをネチネチと狙ってました。


日本の先制点に繋がる32分のカウンターシーンでもそうなんですけど、




ここなんですよね。モントーヤが無駄に高い位置とってて、攻守が切り替わった後に清武のマークを外してしまいました。で、徳永は、ここはクリアーせずに、モントーヤの裏の清武にパスと。で、モントーヤが清武のマーク外してたんでハビ・マルティネスが清武に当たりにでたんですけど、清武はそこで潰されず、東にきっちりヘッドで繋ぎました。これで、東が完全にフリーになれたんで、そこから日本にカウンターを受けて、スペインはCKを取られ、CKから大津に決められて先制されましたとさ。


これ、ポゼッションサッカーをやるチームの頭の痛い所なんですけど、SBを高い位置においてWGの代わりに使うと、絶対にSBの裏を使われてのカウンターには脆くなるんです。あそこは構造的に絶対空いちゃうんですね。こいつは去年のセレッソとか、柏レイソルが構造的に抱えてた弱点でもあります。SB高い位置取らせると、その裏使われてカウンターされるのは避けられない運命でござる。


とはいえ、この試合で決定的だったのは、前半40分にイニゴ・マルティネスが永井にボールかっさらわれて、抜け出された時に永井を倒してしまい、一発レッドで退場した事です。アレは、ドミンゲスの不用意なバックパスが原因で、スペインのCB、思ったより足下ヘタだなあ・・・と。


でもって、その後は、皆さん、ご存じの通り。一人少ないにもかかわらず、繋いで攻めてくるスペインに対して、カウンターとシュートミスの嵐を日本が浴びせかけて、この試合は何でか1−0で日本が勝ちました。なんで1−0やねんと。5−0いけただろー・・・


日本が欧州列強に夢のスコアで勝つ千載一遇のチャンスだったのにさあ・・・・


もっとも、清武、東、永井は笑えるほど守備やってたんで、彼らを責めるのは酷なんですけどね。ただ、スペイン相手に夢スコやるチャンスなんて、僕が生きている間にもうないと思うので、やってほしかった・・・・


軽くまとめますが(追記として何で宇佐見とエヒメッシがスタメンでないのかという話も)


今回は簡易レビューなんで、ほんとに簡単にまとめます。


今回の試合は、日本はホントよく準備して試合に入ったと思います。ゲームプランはほぼ完璧だったし、試合自体も日本の理想通りの展開でした。


ボール取れそうな時は、ハイプレス+ショートカウンターで攻め、スペインがポジションバランスを崩して攻めてきたら(マタが中央に絞り、モントーヤが高い位置を取ったら)、自陣に撤退して9人でブロックを作りモントーヤの裏をつかってカウンターを見舞うって感じです。これ、笑えるほどハマってました。


で、なんですけど、この試合、宇佐見とエヒメッシこと斉藤学がスタメン外れてた訳なんですけどね。


これね、適正の問題でして、宇佐見とかエヒメッシって、基本的に純粋なWGタイプのプレーヤーです。突破力と得点力を併せ持つFWに近い選手です。


ただ、守備の面でも、純粋なWGなんです。上がってくるSBについていくって位の守備くらいしか頼めません。


この日の日本のサッカーだと、WGプレーヤーには、連動したハイプレスに参加するだけでなく、スペインにバイタルエリアを使わせない為に、ボランチとの連携に注意を払って、中央に絞って守備をやれる選手が求められてました。つまり、SHとしての適正の高い選手のほうが優先されるわけです。


そうなると、適正が高いのは東、清武とか大津のほうなんです。てか、清武があんな鬼気迫る勢いで守備やるとは思わなくて、僕はびっくりしました。


東と清武に関しては「おまえらボランチかよ!」と突っ込みたくなるくらいボランチを助けて中央での守備を手伝っていまして、そのせいもあって、スペインはほとんどバイタルを使えませんでした。あのくらい、トップ下とWGが中央に絞って守備やって、さらにハイプレスにも参加なんて事をやってたら、どんな国だろうと苦労します。


ただ、ああいう事やっちゃうと守備で力を使いはたしてしまうので、攻撃でシュートミス連発しちゃうのは、しょうがない事なんです。なんで、東と永井と清武のシュートミスの連発に関しては多目にみてやってください。しょうがないです。普通はあそこまで攻撃の選手に守備やらせません。ゴール前で燃料切れになっちゃうから。ただ、今回は相手が相手だったので、選手にそこまでやってもらう必要があったんです。


アタッカーが点取れないと困るというのも事実なんですが、一方で、強い相手とやる時は、アタッカーが守備を助けてくれないと困るというのも又、事実なんです。


もっとも、今日のモロッコ戦に関しては、そこまで日本と実力が離れているという相手ではないので、宇佐見とかエヒメッシの先発もあると思ってます。


僕はどっちも非常に評価している人間で、宇佐見とエヒメッシは、もの凄いWGになれると思っている人間です。今回は使われませんでしたけど、ああいうタイプの「試合を壊せるWG」ってのは、チームに必要なんです。今回は、相手がボール持たせとけば、ボール繋いで勝手にSBを上げて攻撃してきてくれるスペインだったから、彼らの出番はあんまなかったです。ああいう相手にはハイプレスとSBの裏使ってスピードのあるカウンターしてるだけでよかった。


ただ、「縦ポン+SB上げてこない」って相手には、同じやり方しても意味ないので、そーゆー相手には、彼ら二人は絶対に必要なんですわ。


という訳なんで、スタメンは適材適所という形です。彼らには、腐らず、出番を待って欲しいなと。


今日はそのあたりで。ではでは。