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2012ロンドン五輪 日本対モロッコのレビュー 「東、ハルジャにつけ」の巻

さて、みなさん、こんにちは。本日は予告の通り、先日行われた日本対モロッコの試合のレビューを行います。ユーロの話はどーなったとか言われそうですが、こっちも半分くらいは書き終わってるんです。ホントです。もうちょいしたらやります。今年はフランス代表との親善試合も組まれてるので、フランス代表の話もやりたいんですけどね、ホントは。


とはいえ、中二日で五輪サッカーがあるので、そっち優先でアップしまふ。

日本対モロッコのマッチアップと事前情報


さて、まずは日本対モロッコのマッチアップから入ります。これは恒例の図でやりますが



こうなってました。日本代表は4231、モロッコ代表も4231なんで、完全なミラーマッチです。日本はスペイン戦で怪我した柏のほうの酒井が外れて、代わりにゴートクが入ってます。


この試合、完全に同じフォメの対戦なんで、普通にやると、完全にかみ合うので、ミスマッチが起こりません。


ただし、この試合の前に、日本がスペインを撃破してたので、モロッコのほうがどう出るかが肝でした。スペインを日本が撃破したので、相手は、日本のストロングポイントを消してくる事は予想でてきました。


まず、スペイン戦で幾つか、明らかになってた事ですけど、

  • 日本のハイプレスはかなり強烈でシステムをかみ合わせてしまうと危険
  • ワントップの永井はスピードがありライン上げるとやばい
  • SBを上げてしまうとそこを確実に使ってカウンターしてくる
  • ボールを奪った後、スペインはすぐに奪回を試みていたが、日本はワンタッチのパスでそれを交わし、スペインのプレスを交わすだけの技術と組織的メカニズムがあった

って所ですね。この間のレビューは、個人的に、かなり書くこと端折りました。というのも、カウンターの際に、日本がどうやって、スペインのハイプレスを交わしていたかって所も書きたかったからなんどす。


スペインってチームは、基本的にボールを奪われたら、すぐに奪回を目指すチームです。このあたりはバルサと同じです。だから、ボール奪われたら、すぐに取り返しにくるんですけど、日本のほうは、それは折り込み済みでして、それをうまーく交わしてました。どういう風にやってたかというと、サイドに追い込んでボール奪ったら、素早く逆サイドに展開してました。


基本、スペインはボール失ったら、すぐにボールサイドに人数かけて奪回を試みます。ですが、これ、諸刃の剣で、その際に逆サイドがスカスカになる危険性を背負い込むんです。だから、ボール奪ったら素早く逆サイドに出せれば、日本はチャンスになるんですね。スペイン代表はバルサみたいなサッカーしてましたが、一方で、バルサの欠点もコピーしちゃってたチームなんですね。


この辺り、ボールを奪ってから、どうやってスペインの前プレを交わしていくかって所も含めて、スペイン対日本の試合は、非常に見応えのある試合でした。


さて、スペイン戦があったので、こういった情報は、モロッコのピム監督に伝わっているわけです。さて、こういう相手にピム監督はどう出るかな、という形で、興味深く試合を見ていたのですが、さてどうなったかというと。




日本対モロッコ、前半のモロッコの攻勢の原因のお話


さて、まずは、この試合の最初に「あやや」と思ったシーンからなんですがね。ちょいとキャプでやりましょう。



ここです。開始3分の場面なんですが、個人的に「ぐぬぬ・・・」って感じで画面の前でしかめっ面したシーンなんですけど、このシーンで、ボランチのハルジャがSBとCBの間に降りてくるんですよ。で、SBが上がってる。


これやられると非常に厄介なんです。ちょいと図で説明しますけど



こういう形なんですけどね。これ、日本代表でよく遠藤がやってますけど、これ、442のゾーンで守る場合には、面倒なボトムチェンジなんです。SBがあがってくると、それにSHがついていかざるを得ないんですけど、そこで、SBがあけたポジションにボランチが降りてくると、それを誰がみるかが、ボケやすいんです。


このケースの場合、扇原がハルジャとマッチアップしてるんですけど、あの位置まで扇原がハルジャを追ってしまうと、中央が山口のワンボランチになってしまいます。そうすると、ワンボランチの両脇にスペースが出来てしまうので非常に危険です。図にすると、



こうなるんですけどね。降りてくるハルジャに、扇原がついて行ってしまうと、中央の守備が思いっきり薄くなるんで、それは出来ません。もし出てくるなら、ハルジャは、扇原を釣り出してから、CBにはたいて、中央に縦パス入れさせてるだけで良いんですから。


そんなわけで、あそこにハルジャに降りられてしまうと、扇原はついていけないから、ボランチのハルジャがフリーになりやすい訳です。


ここね、日本が前半にモロッコに攻勢に出られる原因になりました。


ちょいと、以前話題になってたサッカーのデータサイトの記事を紹介しますけど、


『U-23五輪代表 決勝T進出の立役者』 (モロッコ戦レビュー)


こういうのがあります。この中で、両チーム合わせて、一番攻撃ポイントが高かったのが、モロッコのハルジャなんですけど、彼の縦パスは、ケンゴ、遠藤クラスです。最初、何の知識も持たずにモロッコの攻撃を見ていて、「なんじゃこいつわ、ケンゴ遠藤クラスのボランチじゃねーか、U23にこんな化け物いるのかよモロッコ!!」と思ってびっくりしました。


まあ、5分のシーンでもそうでしたけど、セカンドボールをモロッコに拾われてからのハルジャの縦パスで裏に抜けられて、権田と一対一を作られてしまい、危うく失点する所でした。本当にパスの精度がやばい。


その後、「ああ、あのハルジャか」という感じで納得したんですがね。このハルジャさん、モロッコのOAの選手で、かつてインテルに所属して長友のチームメートだった選手です。なんで納得しました。


前回のスペイン戦と、今回のモロッコ戦で、「うわー良い選手」と思ったのは、マタとハルジャで、どっちも流石にビッグクラブに所属したことがある選手だなあと思いました。見てて、他の選手と全然違いますもん。もっとも、ピッチ内でのプレーみてると、清武とそんな差があるというわけでもなかったので、清武のポテンシャルを改めて再確認したんですけどね。


清武って、シャムスカとかポポビッチとかに「他の選手とまるで違う」と言われていた選手で、セレッソの強化部も「香川と同等のポテンシャルをもっている」と評価されてましたが、こーいう舞台で、ビッグクラブの選手と同じピッチでプレーさせると、やっぱり持ってるモンが違うなあ、なんて思います。清武だけ、彼らに見劣りしませんからね。この試合でも随所に良いプレー見せてました。



さて、モロッコのビルドアップの話に移りましょう。モロッコのビルドアップは、組織的にやっていて、かなり厄介でした。9分のシーンとか「うーん」と唸ってしまった奴なんですがね、










こういう流れだったんですが、「ぐおお、モロッコ、組織的じゃねぇか・・・五輪本戦なんだから当然か・・・アジアレベルじゃねぇ・・・・」と思って、もう涙目だったんですけどね・・・


ここね、ボールの動かし方も適切だったし、その後のオフザボールの動きも秀逸でして、思わず拍手しそうになりましたわ・・・・


このシーンだと、ハルジャにフリーでボールを持たせるために、一度左サイドにボールを当ててます。これで、一度、日本の守備ブロックを左に引き寄せてます。日本はゾーンで守っているので、ボールサイドにスライドして守るから、これやられると、一度、全体を左サイドにスライドさせないといけない。


モロッコは、それを逆手に取ってます。ここでは、日本の守備ブロックを一度、左サイドに引き寄せて、右サイドにスペースを作り、そこにハルジャを落としてボールを受けさせると。これ、ハルジャにフリーでボールを持たせるためで、モロッコの目論見通り、あそこでハルジャに前むかれちまいました。


でね、ハルジャにボールが入った瞬間のモロッコの動きが秀逸なんですよ。SBが高い位置を取り、SHが大津と扇原の間に降りてきました。そこにハルジャからパスが通ります。


でね、次に、SHにハルジャは一回ボールを当てます。この瞬間に上がっていたSBが降りる動きをいれてるんです。この動きで、徳永を前に釣り出してる。で、SHがハルジャにボールを落とすと、反転して、徳永の裏へスプリントします。そこにハルジャが縦パスいれて、日本は徳永の裏を取られかけました。


ここね、ホントに危ないシーンで、徳永がモロッコの狙いに気づいて、すぐに戻ってきてくれたから良かったんですけど、もし、ここでSBの裏取られてたら、マヤが釣り出された後にゴール前にマイナスのクロス入れられて失点してた可能性がありました。


この試合の前半、日本の最大の脅威になってたのが、このハルジャの縦パスと、モロッコの右サイドの組織的な攻撃で、なんつーか、ビルドアップの仕方とかみてて、日本のA代表と戦っているような気分にさせられましたよ、あたしゃ。


流石に五輪本戦というかレベル高いです。モロッコって、もっと個人技ゴリゴリって聞いてたんですけど、右サイドは組織的な攻撃ができるチームで、「やべーなハルジャと右サイド」と思ってました。


「この流れを持ってきてるのが誰か。それをわかってないと、ひょっとすると食われるぞ関塚・・・」なんてスラムダンク風に上から目線で思わずコメントしたくなる前半の前半でありました。


で、このままだと、まずいーとか思ってたんですが、12分にとうとう裏取られます。やっぱりハルジャの縦パスからで、




こうなりました。スペイン戦だと、日本代表、裏取られることはまずなかったんですけど、モロッコ戦では何度かハルジャの縦パスで裏を取られていて、ホントにハルジャが厄介でした。


で、また同じような事が17分に発生してましてね






まあ、又、SBとCBの間に降りてきたハルジャに縦パス入れられて、そこからCK取られました。本当にハルジャの縦パスは精度が高くて、立て続けにハルジャの縦パスからピンチを作られることになります。次は22分にやられてました。


ハルジャの縦パスは、ホントにいい所に通してくるので、ハルジャがフリーで前向くと、モロッコのアタッカーが動き出すので、ホントに厄介でした。動き出したアタッカーの足下にぴたりとパス通してくるし。


それで、大体、前半20分あたりまでにわかった事なんですけど、モロッコ相手だとハイプレスとゾーンで守るのは厳しいです。かなり低い位置での最終ラインのボール回しで東と永井のプレスは交わされてたし、ハルジャは低い位置からでも余裕でゲームを作れるロングパス精度を持っているので、ハルジャ経由で試合を作られてしまう。


さて、ここで関さんがちょっと動くんですが。

日本代表、守備で修正を入れるでござるの巻

さて、20分あたりまで正直な所、モロッコのハルジャにズッタズタにされてた日本代表なんですが、ここで関さんが、ちょいと守備で修正いれてきます。ほんのちょっとした修正なんですが、ここから、日本はペースを取り戻す事になります。


ぶっちゃけると、東をハルジャにマンマーク気味に貼り付けたんです、関さん


これ、ちょっとした修正だったんですけど、本当に効きました。ハイプレス+ゾーンで守るのを諦めて、バスケットでいう所のコンビネーションディフェンスに切り替えたんですね。ちなみに、コンビネーションディフェンスってのは、インサイドをゾーンで固めてアウトサイドに一人か二人、マンツーマンで守るDFを置くやり方です。



大体、24分あたりからですけど、東がハルジャにマンツーマン気味に張り付いて、他はゾーンで守るって形に変更されることになりました、U23日本代表。



まあ、24分あたりから、はっきりと東がハルジャにつき始めてまして、こっから、モロッコの攻撃がグダり始めます。ハルジャに依存しすぎなんですね、モロッコ。ココから、なんだか、遠藤を消された時の日本のA代表を見ているようで切なくなる事になるんですが。


次に27分のモロッコのビルドアップなんですが、東がハルジャについてるんで、




こうなったんですけどね、この後、ハルジャは何とか東のマークを外そうと色々やるんですが、東のマークがなかなか外れず、モロッコが一気にグダグダになっていきます。


こいつは33分のシーンなんですけど、東がべったりハルジャについてて、モロッコはハルジャを消されてしまうんですね。で、こういう状態で、無理にハルジャ使おうとすると、どうなるかっていうと、37分のモロッコみたいになります。どうなったかというと、キャプでやりますが





こうなりましたとさ。


これね、典型的なゲームメーカー潰しのケーススタディです。化け物ゲームメーカーもってても、CBが繋げないなら、ゲームメーカーにトップ下かCFを貼り付けて試合から消してしまえばいいだけなんです。最近は繋げるCBがもてはやされてますけど、なんで繋げるCBが必要かっていうと、相手がゲームメーカーにトップ下かCF、セカンドトップ貼り付けて、後ろで8人のブロック作る守備を組むコンビネーションディフェンスで来られたら詰むからです。


で、モロッコなんですけど、CBが繋げない選手だったんで、ほぼ詰んでました。ワントップのアムラバトがボール納めるの上手いので、そこだけチャンスがありましたけどね。


さて、後半に入りますが


さて、後半の話に入ります。ちなみに、こっからは、日本代表の攻撃の話に移ります。ですが、その前に、日本代表の守備の話から。といっても、前半から変わってませんけどね。東がハルジャに張り付いて、他はゾーンです。49分のシーンでもそうですが



こんな感じで、東がハルジャに張り付いてて、ハルジャがフリーになれないんですね。この後、ハルジャにパスが出てヒールで流すんですけど、それを東がカットしてクリアしちまいました。ハルジャ、あそこまでべったりつかれると面白くねーだろーなーとか思いました。


ちと、東って選手の話をしますが、彼、飛び抜けたものはもってません。宇佐見、清武みたいなSクラスのテクニックはないし、エヒメッシみたいなドリブルもありません。永井みたいなSクラスのスピードもありません。ただ、全部の能力値がオールAくらいの選手なんです。ボールスキル、オフザボール、守備、運度量、スピード、どれもAクラスでこれといって欠点がない。さらに結構、得点力もあるんです。


僕ね、最初にU23の試合を見たときからそうなんですけど、永井より東のほうに高い点数つけてるんです。これといって飛び抜けたものはないが、これといった欠点もありません。非常に完成度の高い選手です。そのうち、海外から声がかかる選手だと思ってるんですけどね。監督からすると、とても有り難い存在で、守備から攻撃までどの局面でも仕事をしてくれる良い選手なんです。こういう選手はホントに頼りになります。こういう選手が一人いるだけで、チームとしてはホントに助かるんです。いわゆるバランサータイプの選手ですけど、このタイプだと、日本では最高の選手の一人です。U23の場合、清武が結構フリーダムに動くので、バランスとってスペース埋めたり、清武があけたスペース使ったりできる選手が必要なんですけど、東はそれをしっかりやっていて、チームをしっかり支える存在になってます。


と、寄り道はこの辺りにして、日本代表の攻撃に移りましょう。


あらかじめ、ですが、この試合は難しい試合でした。というのもモロッコが日本をリスペクトしてきたからです。どういう意味かって?簡単にいえば、ボールを失ったら、10人自陣に戻してブロック固めてきました。アレには、かなりうんざりしました。アジアかよ!と・・・



図にすると、こんな感じです。ちなみに、ボールを失った後に、すぐ取り戻すアクションもほとんど起こしてません。時々はやってましたけどね。基本、自陣に撤退して10人でブロックってやり方で、かなりゲンナリしました。これやられると、点とるのは本当に難しいんです。


モロッコは、日本のカウンターを警戒してて、後ろにかなり人数残してきてたんでカウンターも難しい状況でした。


で、日本のほうなんですけど、前半は全く無理しませんでした。仙台がこーいう守備を去年散々やりましたが、仙台相手に無理に攻めるとブロックにひっかかって、カウンターでやられるチームが多いのと同じで、無理に攻めると相手の思うつぼです。


この試合、日本は引き分けでもいいって事で、前半はホント、リスクをとってませんでした。もっとも、それで良かったんです。いずれ、勝ち点が欲しいモロッコが前にでてくることはわかってたし、ラマダン期間中って事もあって、後半には運動量が落ちてくるって事もわかりきってる事でしたからね。


サッカーの試合ってのは90分行われます。でもって、サッカーのルールブックに、90分、試合を支配した方が勝つなんてルールはありません。だから、別に前半グダってもいいし、相手に主導権取られてもいいんです。相手の出方や状況にあわせて、やり方を変えていいんです。


モロッコのやり方だと、最初に運動量が落ちてくるのはFWとSHです。守備ブロックに参加し、攻撃の局面ではゴール前まで走っていく。かなりハードなタスクをこなさねばならず、まず最初にFWとSHの運動量が落ちます。そして、FWとSHの運動量が落ちれば、今度はボランチが広い範囲をカバーせねばならず、ボランチが疲弊していきます。そしてボランチの足が止まれば、バイタルがスッカスカになります。日本は、その時をま待ってれば良かったんです。


それでなんですけど、大体、後半の57分あたりから、日本がまず、FWとMFの間のゾーンを使えるようになってきます。キャプでやりますけど





こんな感じです。ここね、前半からそうでしたけど、基本的に、ボランチの前のゾーンは、モロッコのFWが潰しているから、モロッコのFWの運動量が落ちてこないと、FWとMFの間のゾーンを使えないんです。ただし、後半57分あたりから、FWの運動量が落ち始めて、日本がFWとMFの間を使えるようにります。こうなると日本のターンです。


この試合、ビルドアップのやり方も、日本とモロッコ、似てまして、どっちもCBとSBの間にボランチ落として、相手のシステムをずらそうとしてました。


ただ、モロッコは、10人でブロック作ってるんで、



こんな感じで対応されちゃうんですね。FWがラマダンのくせに、きっちり守備やってて、左サイドの底降りた扇原にすぐにチェックにくるので、扇原はフリーになれないし、相手のボランチもつり出せない。ただ、このやり方は、FWへの負担が非常にでかいです。だから、後半になれば、すぐにFWがガス欠だろーと思ってました。


で、実際、アムラバトの運動量が60分すぎには落ちてきていて、









それが原因で、日本にラインの裏を取られる原因になりました。ここね、日本のいい攻撃でしたが、この攻撃が通った原因は、アムラバトの運動量が落ちてきていて、スペース埋めきれなくなったからなんです。このあたりから、日本はモロッコのバイタルを使えるようになってきます。

71分からの両監督の采配合戦


さて、ピム監督も裏取られた事から、すぐ動きます。72分にアラムバトに代えて、ボランチのナジャハいれて、ハルジャを一列あげてきました。「どんだけ守備やる気なんだよドローでオッケーなのか・・・」と、さらにゲンナリです。もう守り倒す気満々の交代策で、日本に一切のスペースを与える気はないという交代でした。ハルジャが東のマンマークで潰されている以上、攻撃で唯一のカードといっていいアムラバト代えたんですから、もう守備の為の交代です。


さて、これをみて、関塚監督も動きます。相手が守備的にやるなら、こっちは攻撃的にいくぜ、という事で後半78分に大津に代えてエヒメッシを投入。こっから、日本代表のほうは、ポジションバランスを崩した攻撃をするのかな?と思ってましたが、80分になかなかいい攻撃がありました。










こーゆー攻撃でした。これは感心した攻撃で、エヒメッシと東、清武の三人の動きが素晴らしかったです。こーゆー攻撃できるなら、最初からエヒメッシスタメンで見たい所なんですが、守備から入るチームなんで、難しいかな・・・。



ただ、皆さん、ご存じの通りかと思いますが、日本の先制点、こういう攻撃からでなく、83分、清武のパスから永井のスピード活かしたゴールという見も蓋もない永井のゴラッソでした。



永井のスピードはホント異常です。ごちゃごちゃした戦術とかパスサッカーより、一人の男の鍛え上げられたスピードのほうが点取れる。それもサッカーです。



「私の戦術は永井だ!」とまでは関塚さん言ってませんが、永井のスピード見てると、ごちゃごちゃ戦術解説するのがアホらしくなる時もあります。

とあるシカゴ・ブルズの試合の後の逸話


テックス・ウィンター 「マイケル、チーム(Team)の文字には俺(I)はないんだよ」
マイケル・ジョーダン 「勝ち(Win)の文字には俺(I)があるぞ。で、あんたはどっちがいい?」


まー、競技を問わず、存在そのものが戦術になる選手もいるってこってす。チームスポーツでもね。


で、身も蓋もない永井のスピードを活かしたゴールで「うそーん」という形なのがピム監督。あれに追いつくのかよ!と思った時にはすでに時遅し。慌てて、選手交代でタワーいれてきますが、もう時間がなく、さらに権田のファインセーブもあり、日本が逃げ切りに成功しましたとさ。

さて、まとめに入りますが

ごちゃごちゃ書いてきましたが、そろそろまとめに入ります。


今回は、守備の試合みたいな感じでした。ですから、静かな試合だったです。両監督が、やたらと守備的にやってたのが印象的でした。


これね、監督同士の駆け引きが起こってたんですけど、「勝ち点欲しいモロッコはどっかの時間帯にハイプレスかけてSBガンガン上げて勝負に出てくる」ってのが関さんの読みで、それを待ってたんでしょう。カウンターしやすくなるし。だから、永井を最後まで引っ張った。一方、モロッコのピム監督のほうは、早い所、永井を下げて欲しかった。じゃないとカウンター怖くてSB上げられない。


最後は関さんの我慢勝ちでしたね。


いずれにしても、この試合、日本は勝ち点3が取れたので、グループリーグ突破が決まりました。ただ、裏の試合で、スペインがやらかしてホンジュラスが勝っちまったので、ホンジュラスの一位通過の可能性が残ってます。一位通過しないと、ベスト8でブラジルと当たっちまうので、それだけは避けたい。一位通過ならベスト8でベラルーシかエジプトなんでベスト4への道が開けます。ベスト4に行ければ、最終日まで残れるし、高確率でメダルゲットです。


なんで、次の試合もガチでいくしかないのか・・・とちょっとうんざりしてます。主力休ませたかったんですけどね。


次、引き分けでもいいんですけど、引き分け狙いで、宇佐見とエヒメッシ先発は、そりゃちょっと違うだろって話になるし・・・ストライカータイプ多めのスタメンで引き分け狙いってのはありえませんしねえ・・・


んまあ、今日はそんな所で。


ホンジュラス戦も日本の勝利を期待して寝ます。


それでは皆さんご機嫌よう。