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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

ロンドン五輪2012準決勝 日本対メキシコのレビュー and 三決の日韓戦のプレビュー

サッカー

皆さん、こんにちは。日本がメキシコに負けてしまい、精神的にきついんですが、本日は、メキシコ戦のレビューと、次の日韓戦のプレビューを行います。あんまし時間がないので、分量的には少なめにしときます。



もっともメキシコ戦は、終わってすぐに大量のレビュー記事が出回ったので、僕が書くことはほとんど残ってないんで、楽なもんですけど。プレビューもやっちゃったし。

メキシコ戦、日本のプレスとメキシコのポジションチェンジ

さて、いつも通り、マッチアップから。



日本はいつもどおりの4231、メキシコもセネガル戦と変わらず4231でした。日本は、あけてびっくり永井先発。アジジったか、関塚!という感じです。もっとも、永井はそれほど動けてなかったので、怪我の影響は明らかでしたが・・・


さて、前回の記事で、メキシコ戦のプレビューやったんですが、セネガル戦では、あんま見られなかったビルドアップの形が、序盤からメキシコに見られました。こーいうのです。



3番のボランチ、サルシドを最終ラインに落とすボトムチェンジです。「あらら、このパターンがあるのかメキシコうざー」と思ったシーンで、これ、典型的な442でハイプレスかけてくるチームに対する対処法なんですね。


まあ、図にすると、



こんな感じです。442に対して、343にシフトチェンジすることで、システムのかみ合わせをずらして、442のハイプレスを無効化するって奴です。やり方としては、今じゃポピュラーなシフトチェンジでして、いろんなチームで採用されてます。セネガル戦ではあんまりやってなかった感じなんですが、この日は開始直後にこれを見せていて、「ああ、メキシコさんに完全に日本対策されてるねぇ・・・」という感じでした。この試合までにもう4試合、日本はやってるわけで、手の内はバレてるわけですから、こーなりますわな。


ただ、ハイプレスかける側としては、こんなん、相手が絶対にやってくるとわかりきってるプレス回避法な訳ですから、そこで、日本はどうしてたかって話になるんですけど、見た限りでは、




こんな感じです。メキシコなんですけど、左右のCBで、足下の上手さが結構違います。右CBは相当上手いんですけど、左CBはそれほどでもない。だから、右では縦を切って、左に追い込んで、左で縦パスいれさせて取りたい感じでした。ここまでは大体、予想通りでした。まぁ、ふつーにやったら、こうなりますわな。


縦を切る相手と、縦を空けてサイドチェンジさせないように追い込む相手で分けて対応と。まあ、これは普通の対応です。


ただ、これ、FW2人の守備負担が馬鹿みたいに高いやり方なんです。2人で、3人を相手にしてチェイスしないといけないので、もの凄く運動量が必要になります。

日本の疲労

ちと、サッカーライターの元川 悦子さんのコラムに、前U23監督だった反さんのインタがちょいと載ってるので、引用しますけど、

「日本が他の国と違うのは2度追い、3度追いできること。永井(謙佑=名古屋)も大津(祐樹=ボルシアMG)も清武弘嗣ニュルンベルク)も1度かわされても次へ次へと諦めずに奪いに行く。それは同じアジアの韓国でさえもできないこと。関塚ジャパンはそれを実行しているからゲームの主導権を握れているし、失点0も続いていると思う」


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ってのがありましてね。今回のU23,永井、清武、大津、東なんかの献身的な守備と運動量に支えられている部分があって、この日も、前4人の運動量にかなり依存した守り方でした。


それで、なんですけど、こういう運動量をベースとしたサッカーって、基本、連戦すると疲労でパフォーマンスがどんどん落ちてきます。週2の試合でも極端に落ちるのに、中二日で試合が立て続けにある五輪では、パフォーマンスをどこまで維持できるか、それは非常に不安な所だったんですが・・・案の上というか、この日、前半は30分あたり、後半は15分あたりで、前4人の運動量が落ち始めてました。中二日で、あの運動量を維持し続けるのは、そろそろ限界にきてたんですね。


んなわけで、日本がどうにか自分達のサッカーをできてたのは、前半は30分あたりまで、後半は15分あたりまででした。あとは、運動量が落ちちゃって、もうどうにもならんな・・・という感じでした。


それに拍車をかけてたのが、永井のコンディションで、全然動けてませんでした。エジプトの6番、余計な事しやがって・・・という感じなんですが。


永井があまり走れない分、メキシコ戦では東と清武、大津が広い範囲をカバーせねばならない状況に陥ってまして、この3人の疲労が雪ダルマ式にふくれあがる状況でした。


こうなっちゃうと、2列目の3人が最初にへばっちゃいます。この3人は、U23の攻撃の中心なんで、エース達がキレを失えば、日本の攻撃力は半減します。メキシコは、その時を、ただ待っていればいいだけでした。


この日、日本が勝ち越しを許したのは扇原のミスが原因です。ただし、日本がメキシコに負けた原因、日本が自分達のサッカーを出来なかった原因は、日本の運動量が極端に落ちていた事です。運動量をベースにしたサッカーやってるわけですから、運動量を維持できなければどうなるか、それは明白でした。


日本の攻撃とメキシコの守備

さて、ちょいとばっかり、この日の日本代表の攻撃について扱いましょう。この日、前半の最初と、後半の最初だけ、日本はわりと自分達のサッカーが出来ていました。もっとも、時間がたち、足が止まってからは、どうにもならんかったのですが・・・


それで、なんですが、今日はちょいと、8枚守備ブロックの問題点と崩し方について扱おうと思います。ちょうど、日本の先制点がいい題材になるので。


さて、メキシコなんですけど、低い位置にブロック作って守る場合には、8〜9枚でブロック作ってきます。9枚で作られると、ほぼ日本はノーチャンスなんですけど、8枚の時は、割とチャンスがありました。前半の先制点の時なんて、まさにそれです。



ちとキャプでやりますが、









こういう流れでした。ここは、本当に素晴らしい流れでの得点で、こいつは賞賛されるべき得点です。これ、なかなか出来るもんじゃありません。


でもって、僕が、このレベルだと、8枚ブロックはやめたほうがいいって言ってる理由でもあるんですけどね。


五輪のベスト4クラスの国だと、どこの強力なサイドアタッカーを持ってます。サイドに起点を作れる選手達で、日本だと清武、大津、韓国だとキムボギョン、ブラジルだとネイマールとオスカル、フッキ、メキシコだとアキノやファビアンです。


彼らは非常に強力な選手達なんで、たとえば、左WGにボールが出て、高い位置で前むかれてしまうと、



8枚ブロックだと、こんな感じで守らざるを得なくなります。つまり、SBがWGのマークを行い、カバーにボランチが入る。そして、ボランチと右WGが中央にスライドして、バイタルを埋めます。ただ、この瞬間、どうしても空いちゃうのが、



ここの赤で囲った部分の扇原なんですね。扇原のマーカーであるサルシドはサイドのカバーに入らないといけないから、扇原がどうしても一瞬空いてしまう。で、この後に、



こういう流れでボール動かされると、中央1ボラにされちゃって、その両脇にスペースが出来ちゃうんですね。赤がボールの流れですけど、大津から扇原にパス。そうすると、相手のボランチがでてきます。その後、扇原が山口にパス。これで左WGを引っ張り出す。そうすると、中央にダレもいなくなるか、あるいは1ボラ状態になります。あとは、バイタル使って崩せばいいだけ。


8枚ブロックって、この流れに弱いんです。で、このレベルだと、どこも強力なサイドアタッカー持ってるので、こういう流れでボール回されると、非常につらい。


ただ、これ、対策は酷く簡単でしてね。9枚で守備すればいいだけなんですわ。つまり、



こーいう風にすればいいだけなんです。あそこで扇原をFWが捕まえてとけば、ボランチが前に出なくて済むからバイタルは空きません。メキシコのほうも、一回やられたんで、しっかりあそこをココでは切ってます。


メキシコさん、守備での修正はやっぱり早くて、「いいチームだなあ・・・2匹目のドジョウはおらんか・・・」なんてガッカリした場面です。ただ、メキシコは、時々、FWが降りてこない時があって、そういう時は日本チャンスでした。


ただね、こういう崩しって、非常に難易度高いんですよ。大津のゴールだって、ゴラッソでしたし、相当、難しいんです。だから、メキシコの欠点というほどでもありません。はっきりいって、この流れで崩しが出来るチームってのは、そう多くないです。U23日本代表だって、ごくたまーにしか成功しませんからね。


メキシコみたいに、両WGがあそこまでがっつり絞って守備やるチーム相手には、難しいプレーなんです。だから、ここは普通に日本の攻撃陣をほめるべき所でして、コレをやれるだけの実力のあるチームって事で賞賛には値すると思いますよマジに。

で、結局、負けちまった訳ですが

今回、準決勝でメキシコに負けてしまい、金メダル行きのバスは行ってしまいました。あらゆるコンペティションに敗北はつきものですから、それはもう受け入れざるを得ません。バスはもう行ってしまったんです。


ただ、銅メダル行きのバスにはまだ間に合います。あと一試合残ってるんです。


なんで、とにかく切り替えです。もう一試合残ってるんですから。扇原のミスについては、本人が一番悔やんでいるでしょうし、外野があーだこーだ言うことでもありません。本人、試合後に号泣してる訳で、本人が一番、自分のミスだって事はわかってます。あーいうミスは、誰かが指摘するまでもありません。やっちまった選手本人が一番わかってることです。だからあれほど泣き崩れた。


月並みですが、ミスを繰り返さないこと。それだけです。


それから、扇原ですが、いいハートを持ってます。ちと前の事件になりますが、ペットボトル事件なんてのを起こしてるんですが、その後、チームから謹慎くらった後に反省して丸刈りにしたり、復帰直後の試合で2得点決めるなど、いいモンもってる選手です。


なんで、次の試合では扇原がきっとやってくれるでしょう。彼はそーいう選手です。僕はそう信じてますよ。そのくらいしか外野は出来ませんけどね。


さて、次の韓国戦のプレビューになりますが


これも、時間ないので、完結に済ませますけど、ちと先に行われたブラジル対韓国の試合のゴールシーンみてください。全部、同じ形でやられてますんで。



これなんですけどね。


まあ、三回とも同じ形でやられてるんですが、これ、なんでかわかります?


これね、何が問題かってーと、ちとキャプでやりますけど





コレですわ。全部の失点でそうなんですけど、失点時に左WGのキム・ボギョンが戻ってきてないんです。だから、ブラジルの得点では、必ずあそこのスペース使われてました。ボギョンが本来、カバーしているべきスペースが空いてるんですね。


キム・ボギョンって、今年までセレッソでプレーしていて、素晴らしいレフティのドリブラーです。あれほどのドリブルを持っているレフティのプレーヤーは、ちとアジアだと他に見あたりません。


ただね、彼、典型的なWGプレーヤーなんですね。SBについていくって位の守備しか頼めないし、攻守の切り替えもさほど速くはない。だからね、韓国の守備ブロックって、あそこが空く事が多いんですわ。セレッソでもそうでしたけどね。中央に絞って守備をやるって所までは、あんまし頼めないプレーヤーなんです。SHというより、FWに近いWGタイプのプレーヤーなんです。


で、欠点が明白なのに、なんでホンミョンボは使ってるの?と思う人もいるかと思いますが、彼、ホントに得点力があるんですよ。ブラジル戦でも、CFのチ・ドンウォンとキムボギョンだけ、得点の匂いがしてました。一回、PK取ってもおかしくないプレーもあったし、彼を抜くと、韓国はどうやって点とりゃいいのって話になるんで、抜きたくても抜けない。Jでも今年は沢山点とってますけど、彼、得点力は本物です。素晴らしいドリブルと得点力もってます。


韓国戦のプレビューは、ホント、書くことがあんまないです。皆さん、韓国といったらアレと想像がつく位、韓国が日本戦でどんな戦術とってくるかはわかりきってるでしょうしね。


でも、韓国U23に関しては、キム・ボギョンを使う限りにおいて、日本はどこ攻めればいいかは、はっきりしてるので、簡単なんですわ。日本が狙うべきスペースは、キム・ボギョンの所です。彼は、あんまし中央に絞って守備をやるって事を熱心にはしません。典型的なWGなんです。勿論、やる時もあるけど、サボる時も多いんです。


メキシコ戦の時は、プレビューやった時、「これといって穴がない」って言いましたが、韓国に関しては、わっかりやすい穴があるので、日本が狙うのはアソコです。メキシコの4231は、両WGが笑えるほど守備やるんで、「穴がねー」と匙投げましたが、韓国は、一試合みただけで、穴が簡単に見つかって楽でした。もっとも、キム・ボギョンの守備の難については、セレッソの頃から知っていたってのもあるんですけどね。



という訳で、日本としては、突破口がある分、韓国はとっつきやすい相手と言えます。


心配な点は、もうなりふり構わず、韓国は勝ちにきますから、ラフプレーでキープレーヤー壊しにくるだろうなあ・・・というのと、日本がどこまでフィジカルコンディションを回復できるかって所です。メキシコ戦みたいに走り負けたら、もうどうしようもないので、とにかくコンディションの回復に全力を注ぐしかありません。


というわけで、次の試合は医療スタッフに全てがかかっています。たのんます日本の医療スタッフ。