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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

2014年ワールドカップ アジア最終予選、第六戦、ヨルダン 対 日本のレビュー

さて、皆さん、こんにちは。本日は先日行われたヨルダン対日本のレビューをしたいと思います。試合自体は、皆さん、ご存じかとは思いますが、日本が2-1で負けてしまい、W杯出場を決めることは叶いませんでした。


えーと、こういう試合の場合、日本にはセルジオ越後という老獪な日本代表をdisって飯を食っている解説者がおられるため、僕がマチレポ書かないでも、セルジオ越後が仕事をしてくれるだろうから、別に書く必要もないかなあとか思うこともあるんですが、今回はそれぞれの国の監督の采配が対照的なモンになったので、本日は、両監督の采配を中心としてマッチレポを書きたいと思います。


そういう訳なんで、よろしくお願いします。負けちゃったし、そーゆーのに興味の無い方は、読み飛ばしでお願いします。



あと、大事な事なんで、最初に言っておきますが、TV局の方、スローインの際にピッチじゃなくて選手の顔や監督の顔写すの止めてください!視聴者はサッカーがみたいんです。ピッチの中の動きが見たいんです。選手の顔とか監督の顔とかいりませんってば。後半のスローインの時、ザックの顔がでかでかと映し出された時には参りましたよ。なんでピッチでなく監督の顔映してるんですか。ココ、頼みますホント。



ヨルダン対日本のレビュー、前半戦


さて、まず、今回の試合でのスタメンですが、



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こうなってました。ちょっと驚いたのが、ケンゴでなく香川のトップ下だった事くらいです。開始前、清武が使われているのみて、「あら、清武右でヨルダンの左サイド狙い?」と思ったくらいです。ただ、始まってみると、清武が左だったので、いつもの日本代表でした。左で作って右でフィニッシュという奴です。



この試合、始まってすぐ気がついたんですけど、ヨルダンの右SBの23番が恐ろしいザル守備やってまして、「なんだコイツ、代表でこんな緩い守備やるとかふざけてるのか?」とか思いまして、twitterの方で、






なんて、呟いてたら、フォロワーの方に「ヨルダンの右SB、FW登録の選手ですよ」と教えて頂きまして、「あー、それでか・・・」と納得しました。



なんで、この23番を使ったのか、ヨルダン監督に聞いてみないとわからないんですけど、とにかく、この23番の守備が緩くて、清武が前半は躍動してて、この23番が前半で交代しちゃうまでは、日本は左サイドでやりたい放題できてました。


まあ、この23番がいる間に点取れなかったのが、今回の敗因の一つなんですが・・・・




で、この23番、「うわー、緩い!!」と思ったのが、開始3分の時で、これキャプでやりますけど、



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このシーンです。正直、開始3分で裏取れるとは思わなかったので、びっくりこきました。で、その後も、この右SBが酷くて、守備が異様に緩い。



そんな訳で、この後、日本はヨルダンの右サイドを攻めてチャンス作れていたので、僕はあそこから点とれそーだなーと思って見てたわけです。ありえない緩さでした。



それから、この日、前田の超決定機のシーンでもヨルダンの右SBがぬるい事やってて、



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これなんですけど、ここねー。長谷部にプレスかかってないんだから、しっかり前田を捕まえとけよという。前田が後ろから走り込んできてるんですけど、しっかり捕まえて体当てないと駄目でしょっていう。手を挙げてる場合じゃない。まあ、前田のヘッドがクロスバーだったおかげでヨルダンは助かったんですけどね。



正直な所、この23番(FW登録のSB)を使っていてくれる限りは、僕はそのうち点は入ると思ってた訳です。清武とマッチアップさせてる選手がFW登録とか、何考えてるんだろう・・・なんて思ってみてたんですね。



それでなんですけど、前半27分に、さらにびっくりしたんですけど、右に9番のサイフィを持ってきて、左に13番のバニアテヤを持ってきたんですね、ヨルダンの監督。えっと、ゴートクの守備が怪しいってのと、右サイドに攻撃的な選手集めることで、日本の左サイドを牽制しようとしたのかもしれません。



ところが、これ逆効果で、32分に立て続けに日本にヨルダンの右サイドを崩されまして、34分には元に戻してます。



これ、ヨルダンの問題の二つ目なんですけど、9番のサイフィ、守備が良くありません。ゴートクのマーク外しすぎだったし。なんで、34分にヨルダンの監督がすぐ元に戻したのは当然だと思います。



で、前半38分、もうこれ以上、右サイドをやられる訳にはいかないって事で、ヨルダンの監督が動きます。右SBの23番下げて、5番のハサンを入れてきます。で、13番のバニアテヤを右SBにします。ちなみに、5番のハサンですが、清武のマンマークを命じられていたようで、ゴートクのマークより、清武のマークをハサンは優先してました。清武が試合後のコメントで、「(途中で入ってきた5番が僕にマンマーク気味にきたので、なかなか後半の最初はチャンスがありませんでした。」って言ってますが、ヨルダンの監督、この辺りの見切りと修正は早いんですよ。ゲームプランが上手くいってなかったら、スパッと変えてきます。



でまあ、twitterで、






なんて愚痴ってたんですけどね。相手がFWの選手をSBに使うなんて意味のわかんない事してる間に点とっときゃ良かったんです。ホントにもう。



で、皆さん、ご存じかと思いますが、前半46分に日本がセットプレーから失点。マーク外したのは岡崎でした。どうも、相手の選手から一瞬、目を離しちゃったみたいでして、「何やってんの・・・」という感じでした。



で、問題のヨルダン対日本、後半戦に入るわけですが!!!!


さて、こっからが今回のメインディッシュというか、問題なんですけど、この試合で、僕が問題にしたいのは後半戦のほうなんです。特にザックの采配が後手に回った事には、言いたいことがあるわけです。


普段、僕は代表監督の采配は好意的に解釈することにしています。代表監督なんてのは、勝っても負けても糞味噌に叩かれるのが仕事みたいな所があって、「サッカーの代表監督は内閣総理大臣の次に嫌われる仕事」なんて名言を残した人もいます。僕が叩かないでも、どうせ日本じゃセルジオ越後が代表監督を叩いてくれますから、僕がやる必要はないんで、そーゆー事はするまい、と思っているんです。



ただね、今回の試合については、ヨルダンの監督が矢継ぎ早に修正を施して、チームを何とか勝たせようと頑張ってて、ベンチワークはいちいち見事でした。やりたい事が伝わってきましたからね。ただ、それに対して、ザックが後手を踏んでしまっていて、「それはどーなのよザック・・・」と、この試合は思ってしまった訳です。



で、なんですけど、ヨルダンの監督、ハーフタイムにはきっちりチームに修正を行っていて、修正後、日本が左サイドでボールもっても、



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こんな感じで対応されるようになってました。清武が「途中で入ってきた5番が僕にマンマーク気味にきたので、なかなか後半の最初はチャンスがありませんでした。」って言ってますが、ヨルダンの監督、しっかり前半の反省を踏まえて、日本の左サイドへの対応をきっちり施してきたわけです。こういう形で守られてしまうと、日本はスペース無くて厳しい。左サイドにボール出ると、ボランチ一人と7番のディーブが左のヘルプに来るんで、日本としては苦しいわけです。


ただ、ヨルダンがメンバー交代で5番を右にいれて、清武にマンツーマン気味についてくるなら、単純に清武と岡崎の位置を入れ替えればいいだけなんです。




twitterで、こんな事ぶつくさ言ってたんですけど、なんで清武と岡崎の位置をすぐに入れ替えなかったんだ?と。清武を右に回せば良いだけじゃんと。相手の右サイドは9番のサイフィーがいるわけだから緩いんですよ。左SBも岡崎に簡単に入れ替わられちゃうくらい緩い。だったら話は簡単で、岡崎と清武の位置を入れ替えればいいだけじゃんと。



で、そんな事をTVの前でも、ぶつくさ言ってたら、後半15分、吉田がやらかして日本が2失点目。これ、完全に吉田の対応のミスなんで、もうね・・・。入れ替わられて中に入らせちゃうとか、CBがやってはいけない事No1じゃねーか。



それでなんですけど、ザックも、この失点で目が覚めたのか知らないけれど、やっと動きます。後半19分前田に替えてハーフナーを入れて、清武と岡崎の位置を交換。これ、「おせえ・・・」と。



なんで、おせえ・・・っていうのかというと、ヨルダンの監督、この後、すぐ動いてます。後半21分、ヨルダンの左サイドの守備の穴になってたサイフィーを下げて、14番のアブダラー・デイブ入れてきてるんですわ。これで、清武と内田のマークをはっきりさせてくるわけです。アブダラーが内田を見て、ファティが清武を見るって形に変更したんですね。



「あーあ、交代策おせえよザック、ヨルダンの監督に対応されちゃったじゃん・・・」と画面の前でため息ついた瞬間でした。交代後は、



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こんな感じで対応されて終わるだけやん・・・とか思ってため息です。ヨルダンの監督がザックの意図を2分で見抜いて交代カードを切ってきたわけですよ。後半頭から清武右で良かったのに。そうすれば対応される前に色々できたのに・・・とか思ってたんですけども。



びっくりしたのは、こっから一気に清武が試合を動かした事で、右サイドに移ってから、いきなり香川のゴールをアシスト、それから、うっちーへのスルーパスでPKとるお膳立てしてます。






ただ、この時は、ホントにイライラしてまして、当時の心理状態は、↑のような感じでした。



で、この後も、皆さん、ご存じの通り、遠藤がPK外してしまい、「ウゴゴ・・・・」状態です。




さて、この後もヨルダンの監督の修正は早かったです。アブダラーがうっちー相手にPK献上というプレーをやってしまったので、ヨルダンの監督、右にいた5番のハサンを左にもってきて、うっちーに貼り付けます。で、アブダラーは右に移動。



マッチアップ的には、



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こう変化させてます。両サイドのマッチアップをはっきりさせてきます。これ、PKのすぐ後に行われてました。ヨルダンの監督、修正が凄く早い。



で、ザックのほうなんですが・・・遅い。後半34分、ゴートクに替えて駒野を入れてきます。これは狙いはよくわかります。駒野とマッチアップする事になるアブダラーは守備は大したことないので、ここを狙いたかったんでしょう。うっちーに振り切られる位だし。



ただ、後半39分、ヨルダンの監督は最後のカード切ってきます。ディーブout、MFのダルドルin。



でもって、ザックも最後のカード切ります。後半41分、清武outで乾貴士in。乾は左に入って岡崎を右に。駒野と乾で、アブダラーとバニアテヤのサイドを崩したかったんでしょう。ただ、これも遅い。ハマド監督、アブダラーをトップ下にして、ダルドルを駒野にマッチアップさせてきます。ザックの修正に対して、即対応ッ!はやッ!



で、その後は、ヨルダンは守備の枚数増やして時間使って、日本に勝ちましたとさ。



あのね、今回、ことごとく、ザックの采配は、ハマド監督に対応されちゃった訳で、ザック、後手後手に回りすぎだよ・・・と。





ここで、両監督の交代策とその意図を、ちょっとまとめておきますけど、

前半38分【ヨルダンハマド監督】 23 サフランOUT 5 ハサンIN

前半、日本に散々、右サイドを崩されたので清武にハサンを貼り付けて清武を封じる。ゴートクと遠藤のケアはトップ下のディーブとボランチに頑張らせる。これで、右サイドの守備を修正し、日本の左サイドを封じにかかる。




後半19分【日本ザッケローニ監督】 18 前田遼一OUT 11 ハーフナー・マイクIN 清武と岡崎の位置を入れ替え

左サイドをハマド監督に封じられ二点を先制されたので高さのあるハーフナーを入れ、同時に清武と岡崎の位置を入れ替える。これで右サイドを活性化し、ヨルダンの左サイドを攻略する。ヨルダンの左サイド、サイフィーは守備が緩いので、清武とうっちーの連携でサイドを抉りたい。



後半21分【ヨルダンハマド監督】 9 アルサイフィーOUT 14 アブダラー・デイブIN

ザッケローニは高さのあるハーフナーを入れ、清武を右に移してきた。狙いはサイフィーだ。サイフィーは守備がアレだから、アブダラーに交代させ、アブダラーを内田に貼り付け、左SBを清武に貼り付けよう。



後半26分【ヨルダンハマド監督】 14アブダラーがPK取られた後、アブダラーとハサンの位置を入れ替える。

アブダラーは内田のマークを外し、PK献上してしまった。アブダラーじゃ駄目だ。守備がよく清武をよく抑えていたハサンを左に出して内田と清武を見させよう。




後半34分【日本ザッケローニ監督】 5 酒井高徳OUT 3 駒野友一IN

ハマドはアブダラーを右に移してきた。アブダラーは守備が良くない。クロスのよい駒野とマッチアップさせればボロを出すはずだ。



後半39分【ヨルダンハマド監督】 7 A・ディーブOUT 20 ダルドルIN

疲れの見えてきたディーブを替えてMFのダルドルをいれて守備力強化。最後のカード。




後半41分【日本ザッケローニ監督】 8 清武弘嗣OUT 19 乾貴士IN

相手の右サイドのアブダラーとバニアテヤだ。アブダラーは守備に難がある。乾と駒野のコンビでなら勝てるはず。



後半41分【ヨルダンハマド監督】20ダルドルを右SHに、14 アブダラーをトップ下に変更

ザッケローニは左サイドにフレッシュな選手を集めてきた。狙いはヨルダンの右サイドだ。なら、こっちはフレッシュなダルドルを駒野に対応させ、乾をバニアテヤに対応させて守備をするだけだ。




となってます。




最後は愚痴になるんですけどね・・・・


で、これ、愚痴になるんですけど、今回の試合は、ハマド監督の采配の早さばかりが目につく試合でして、04年アテネ五輪でイラク五輪代表を4強に導いた実績は伊達じゃねぇな・・・と正直、驚きましたよ。以前、ヨルダンの話をブログでしたときに、「あそこは選手より監督が厄介」って話をしましたけど、試合中の采配とフォメ修正の速度が異常に速い。ザックの狙いを2~3分で読み取って、ピッチ上での対応策を指示できるんだから、凄いもんです。



前回の試合では、日本が早い時間帯で先制できたのと、ヨルダンの左SBが謎守備やってたのでイージーな試合になってましたが、こういう監督相手に先制されて、さらに追加点まで許しちゃうと、もう駄目だなあと。



ただね、この試合に関しては、twitterでもぶつくさ言いましたが、それ貼っときますけど、





って所でしてね。これねえ、後半頭から、清武を右にすべきだったでしょお、と。



清武を右にしてヨルダンの左サイドを突っつけば、決定機作れるのは清武が右に移ってから4~5分で決定機2個作れた事からも明らかで。



勿論、ハマド監督は、その意図をすぐに読んで、ハサンを左にもってくるでしょう。でもハサンを左に移せば、サイフィーを右に移すことになるわけで、今度はヨルダンの右サイドの守備が怪しくなるわけです。そしたら、そこでザックは交代カードを切ればいい。そうすれば先手取れたかもしれないのに・・・と。



まあ、このあたりは結果論といえば結果論なんですけどね。もし、遠藤のPKが入ってたら、今頃、「ザック采配的中、清武と岡崎の位置を入れ替えたのがキーとなった!」って言論があふれかえってますわ。



ただ、この試合では、やっぱりハマド監督の采配に対して、ザックのそれが遅すぎた感は否めないので、そこはね・・・ちょっと文句の一つも言いたいなあと。



とりあえず、ヨルダンのハマド監督に関しては、素直に賞賛するしかないです。二試合しましたが、日本とヨルダンのチーム力の差は明らかでした。ただ、ハマド監督、これだけ力量の差があるチームの対戦で、ホント、素晴らしい仕事をしたと思います。後半、ザックの采配に対して、即座に対応策を見いだして、ピッチ上の選手の並びを変更する能力には、素直に感心させられました。ホントに、この人は凄いと。



今日はそのあたりで。敵ながら、ハマド監督は天晴れでございます。オーストラリア、日本をホームで破った事になりますが、ホントに凄い仕事ぶりです。



それでは皆様、ごきげんよう。