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日本代表、岡田時代とザッケローニ時代の違い、そしてあんまり変わらなかった事

さて、本日は久しぶりに日本代表ネタでお送りしますわ。つか、書こうとして書きかけにして、お蔵入りしてたネタが大量にあって、まとめとかなきゃいけないんですが、本日はその一つ。日本代表ネタですけど、岡田時代とザッケローニ時代の違いについてです。


これも、書きかけのまま、放置してた奴なんですが、年内に日本代表についてまとめとこうと思って、色々と書き直してエントリにまとめることにしました。


内容的には、ザッケローニのサッカーと、岡田時代の日本代表なんかについての話になります。ちなみに、内容的には、サッカーのうんちくの中でも、あんまり面白くない「守備」の話が主体となっており、攻撃の話を聞きたい人には、あんまり面白くない話かとは思います。





岡田時代の日本代表の問題点について


で、まず、岡田時代の話から始めますけど、その前に今週号のnumberで、ピクシーのインタビューが載ってます。そこにJリーグ創世記の小話が載ってるので、それをちょっと引用しますが、

日本にこれほど長く留まることができたのは、すごく幸運だったと思う。実は1994年に来日した当時、名古屋を辞めてヨーロッパに戻る寸前までいったんだ。当時のグランパスは試合で負け続けていたし、つまらないミスも多すぎた。なのに監督と話し合いをしようとしても、一切聞く耳を持ってもらえなかったからね。


そこで奇跡が起きた。フロントが監督を代えてベンゲルを連れてきたんだ。彼が名古屋にやってきたのは、クラブにとっても僕にとっても大きなターニングポイントになった。


以来、僕は今日まで日本サッカーに深く関わり続けてきた。たしかにスタート直後のJリーグはいくつかの課題を抱えていた。特に気になったのは戦術面だ。ゾーンディフェンスとマンマークの違いなども正しく理解されていなかったから、組織的な守備が本当の意味で浸透していなかった。

2013年、12/26日発売のナンバーより

ってモンです。全文読みたい人はナンバー買ってください。黒字強調は僕ですけど、発足当時のJリーグってのは、守備戦術の面でヨーロッパに比べて遅れておりまして、そのキャッチアップが必要でした。名古屋は1994年、イングランド出身のゴードン・ミルンを監督にしてピクシーを連れてきたんですが、どうも折り合いがよくなかったようで、翌年、ベンゲルが名古屋に就任することになります。こっから、名古屋の本格的なキャッチアップが始まります。


ベンゲルに関しては、まず、守備戦術から入ってまして、名古屋にヨーロッパ流の組織的な守備戦術を1から植えつけた監督でもあります。もっとも、攻撃に関しては、これまたピクシーが言ってますが、「もちろん僕は守備に関しては、監督の指示を忠実に守った。でも攻撃では、自分のやり方を貫かせてもらった。たとえベンゲルに反対されてもね(笑)」なんてインタで述べてるんで、そーいう選手でした。守備は監督の指示通りやるけど、攻撃は俺様が仕切るぜ、みたいな選手でしたからね。ピクシーくらいの選手になれば、それでいいんですけど(笑)。


で、なんですけど、なんでこんな話から入るかってーと、岡田時代以前、トルシエが「日本には守備の文化がない」って言って、それが末永く記憶されている訳です。実は、こないだ、カペッロが欧州サッカー批評のインタで「イングランドには守備の文化が欠けている」って発言をしてまして、イングランドもかー、などと思った事があったのですが。日本代表とイングランド代表に共通する問題として、DFとGKのやらかしが妙に多いってのがあります。



こんな話をつらつらとするのは、岡田時代からでなく、それ以前からずーっと続いている問題として、日本代表及びJリーグってのは、時々、信じられないような個人戦術面での未熟さってのを見せる事があるからでして、特に守備面でそれが顕著です。




そういうのを踏まえて、岡田時代の日本代表の話を始めます。


まず、岡田時代の日本代表を分析した外国人監督というと、主に、スペイン人ではファン・マヌエル・リージョ、ミケル・エチャリ、イタリア人ではレンツォ・ウリビエリ、マルコ・ジャンパオロ、アントニオ・アッコンチャ、シモーネ・ボンバルディエーリ、ミルコ・マッツァンティーニになります。


それぞれの監督の分析については、


『 岡田ジャパン 』 ファン・マヌエル・リージョ


世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)

世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)


日本サッカースカウティング127選手

日本サッカースカウティング127選手


といった書籍で読むことができます。リージョの奴は、随分前のスポルティーバの奴なんで、手にいれるのがちょっと困難ですが、イタリア人監督5人による分析と、スペイン人のミケル・エチャリの分析は、それぞれの書籍で読む事が可能です。



で、これらの分析に共通する岡田ジャパンの組織戦術面での問題点ですけど、羅列しますが、



1,FWのプレス。FWがプレスをかけても後ろが連動しておらず、ライン間が間延びしてしまっている。


2、同一のサイドでの多すぎるパス回し。選手同士の距離を近づけすぎており、相手の組織的なプレスの餌食になっている。


3、リスクを無視した攻め上がり。両SB、両ボランチ、さらにCB(闘莉王)まで攻め上がる事がある。カウンターへのリスク管理が出来ていない。



ってものです。これらは岡田時代の日本代表のダメなほうの特徴でして、イタリア人監督やスペイン人監督から激しくダメ出しを食らってます。どれも、組織戦術面では、常識的なソレではありません。これらは、ザッケローニ時代になってから、全部、日本代表から消え去った特徴でもあります。もっとも、岡ちゃんも本番では、こういった戦術は改めて、阿部ちゃんアンカーのドン引き戦術に切り替えた訳なんですけどもね。



ただし、変わらなかった事もあります。それは、ミケル・エチャリが「日本人選手たちは時折、信じられない戦術的未熟さをせみることもあるが、それも含め、欧州や南米のプレーを見慣れた私には新鮮だった」と言っていますが、日本人選手ってのは、スペイン人監督やイタリア人監督から見ると、時折、信じられないような初歩的なミスを起こすって所です。


これは、Jリーグ創世から続く問題でして、これについては、後述します。




ザッケローニ時代になって変わった事

さて、こっからがザックになってから日本代表で変わった事です。まず、先に述べたような岡田ジャパンの問題点は、ザック時代になってからは、日本代表では見られなくなっています。プレスが連動してないって問題はなくなってますし(フィジカルコンディションが低くてダメな時はありますけどね)、同一サイドでのパス回しにこだわるって事も無くなってます。また、両SBに両ボランチ、さらにCBまでが攻め上がるなんて事は、負けてて試合終了直前とかいう時以外は行われなくなりました。


ザックは組織の守備戦術に関しては、非常にオーソドックスなソレを使ってまして、岡ちゃんみたいな奇抜な事はやってません。というか、岡田時代のアレ、ちょっと特殊すぎました。


ザッケローニって監督ですが、選手選考には特徴があります。ボランチには守備が強い選手を好み、サイドにはカットイン系のWGと突破力のあるSB、WBを好むって所です。FWはビアホフタイプが好みかと思ったら、単純にリーグ戦で点を取っている選手を呼び、使う傾向もあります。


要は343ができる選手を呼んでるって事です。


ザッケローニウディネーゼ時代、ボランチにジャンニケッタ、ロッシット、ワレムという守備的なMFを使い、WBに走力のある選手を使ってましたが、ボランチの人選、SBの人選を見ていると、343をやりたくてたまらないんだなあ、というのが僕の印象です。SBに長友、内田、駒野、ゴートク、酒井ゴリといった選手を呼び、ボランチでは例外的な遠藤を除いて、長谷部、細貝、山口、高橋と守備がしっかり出来る選手しか呼んでませんからね。


ザックの選手選考については、まず343にフィットしそうな人選になっているってのが特徴でして、これは監督の好みの問題ですから、それについては、僕は問題だとは思ってません。大概の監督は、自分の好きなシステムってのを持ってるもんです。



ザッケローニの戦術については、守備は非常にオーソドックスな監督です。というか、現在、主流になってるゾーンを、かなりの初期段階から使っている監督です。これについては、



監督ザッケローニの本質

監督ザッケローニの本質



こちらの本のロベルト・ロッシのインタに詳しいのですが、ちょっと引用しましょう。

私はサッキとジョルジー二の下でゾーンを経験したいたのだけれど、ミステル(ザックの事)の戦術は彼らと比べてより緻密で頭を使わせるものだった。当時、ゾーンで戦うチームが基本戦術にしていたのは、プレッシングとオフサイドトラップだった。チーム全体を押し上げてボールにプレッシャーをかけ、最終ラインはフラットに保って、裏のスペースにボールが出そうになった時は一歩押し上げてFWをオフサイドにする。私は二人の下でそういう戦術を経験してきたから、ミステルとはよくオフサイドについて話をした。


ミステルの考え方は、オフサイドはあくまでプレッシングの結果だというものだ。守備の局面になったらまずボールをサイドに追い込んでいき、そこから奪いにいく。その時、最終ラインはフラットにするのでなく、一人がボールにプレッシャーをかけ、残る三人はやや下がったカバーリングのポジションにラインを形成するというやり方だ。つまり背後がカバーされている。ところがサッキやジョルジー二のやり方だと、一人がボールにプレッシャーをかけ、他の三人はすべてパスコースを塞ぎにいくため、次に起こるのは、ボール奪取に成功するか、オフサイドを取るか。しかし、そのどちらにも失敗した場合は裏に抜け出されてGKと一対一になるしかない。とはいえ、当時はまだこの戦術が広くしられておらず対応策も編み出されていなかったため、そういった事態は一試合に1度か2度起これば多い方だった。選手にとっては、とにかくアグレッシブにプレスをかけ、裏にパスが出たら一歩前に出て片手を上げればいいのだから、話はシンプルだ。


でもミステルのやり方はより高度で注意と集中を要求するものだった。アグレッシブにプレスをかけるとはいえ、常に選手間の距離と位置関係を保たなければならない。そして、そのタイミングに関しても細かい取り決めがあった。サッキやジョルジー二は、「サイドに追い込んだ相手が横や後ろにパスを出そうとする時には、その受け手にすかさずプレッシャーをかけろ」と教えていた。しかしミステルは必ず、「パスが出された瞬間に動き始める」よう指示した。そうすれば、フェイントなどで逆をとられて裏を衝かれることが避けられるからだ。



『タイミング』という概念はミステルの戦術できわめて重要なコンセプトのひとつになっている。パスを受けようとする選手は、三つのタイミングを持っている。ボールを止めるタイミング、顔を上げるタイミング、そしてパスを出すタイミングだ。前のパスが出された瞬間に動き出して受け手にプレッシャーをかけにいった選手は、相手からこの三つのタイミングのうち一つを奪うことを狙う。止めるタイミングを奪えば、ダイレクトパスを強いるかイーブンボールになるかのどちらかだ。止めた後、顔を上げるタイミングを奪えば次のパスが不正確になる。パスを出すタイミングを奪えばそこで追い詰めることができる。もちろんワンタッチでプレーされればそれを止めるのは難しいが、それは相手にとって最も難易度の高い選択肢だ。ボールを奪えなくとも難易度の高いプレーをしいるところまで追い込めば、次のプレーで奪うことはさらにたやすくなる。これがミステルのプレッシングに対する考え方だった。今ではすでに広く受け入れられている考え方だた、当時、こんな事を言っているのはミステルだけだった。

というものです。これは、ザッケローニのプレスに関する基本的な考え方でして、この本の最後のザックのインタでも、それが裏付けられます。ここも軽く引用しときますが、

●ゾーンディフェンスをチームに教えるためのメソッドはどうしたのですか?


「ピッチの上で試しながら、だね。当時はセリエAでもゾーンを導入しているチームはサッキのミランくらいしかなかった。でも私のやり方はちょっと違っていたから。サッキのチームはプレッシングを常時続け、オフサイドトラップを狙い続けていた。私のやり方は、相手が対策を取ってくるのを防ぐため、状況に応じてプレスをかけるというものだった。もちろん、いつやるかべきかというルールも明確で、オフサイドはプレッシングの結果として取るモノだと考えていた。ボールがオープンかクローズか(前方へのパスコースがあるかないか)という考え方はまだ一般的ではなかったが、私はすでにそれを導入していたよ」


これですね。以前、「サッキのプレッシングのやり方をそのまま真似しているチームはもうない」って話をしましたが、それはこーいう理由です。サッキのやり方は、現行のサッカーのオフサイドのルール、そしてハイプレス破りの戦術が広く流布している現状、やるのはリスキーすぎるんです。なんで、現在、スタンダートになっているのはザックタイプの方です。ドルトムントとかバルサは、ハイプレスのチームですが、ハイプレスやるのはボールを奪われた直後の3~5秒程度に留め、ボールを奪取できなかったら、一旦リトリートして陣形を整えてから再度、プレスするやり方になってます。



日本代表のその辺りのルールは、どうなってるのかよく知らないのですが、プレッシングの基本的な考え方は、ザックは現在、スタンダートになってるやり方をそのまま使っており、繰り返しますが、守備戦術で岡ちゃんみたいな突飛な事は特にやっていません。


岡田時代と比較して、明確に変わったと言えるのはココでして、プレスに関していえば、ザックはイタリアで基本的なやり方をそのまま日本代表に持ち込んでいます。



ザッケローニ時代になっても変わらなかった事


で、こっから問題なんですけどね。えーとですね、こっからは、内容的に選手のダメ出しになるので、そういうの読むのが嫌な人は、こっから先は読まない方がいいです。僕個人も、あんまし書いてて気持ちの良いモンじゃありません。



さてさて。



最初の方で、エチャリの「日本人選手は時折信じられない戦術的未熟さを見せる」って話を引用しましたけど、これがどーいう事かというとですね。



まず、日本人GKの話からしましょうか。実は、ナンバーの最新号に、ミケル・エチャリのレポートがありまして、「わたしがJから選んだ”世界に通じる”ベストイレブン」ってのがあります。興味のある人は、買って読んでください。



で、その中にJリーグのGKの話がありまして、「まず、GKのレベルにはばらつきがある。無茶な飛び出し、見るに堪えないパンチング、壁の作り方を間違えるGKも残念ながらいたが、菅野孝憲柏レイソル)、楢崎正剛名古屋グランパス)、西川周作サンフレッチェ広島)は基本技術が高く、ゴールマウスでのリーダーシップと落ち着きを見せている。」ってのがあります。一番評価しているのはFC東京の権田のようです。


でもって、コレ読んだ時に、「無茶な飛び出し、見るに堪えないパンチング、壁の作り方を間違えるGK」ってのを見て、



「ガヤさんのことかーーーーーーーーーーーーー!!!!」



と思ったのは僕だけじゃないと思います。参考までにガヤさんのやらかし動画貼っときますけど、






コレですね。動画の最初からいきなりやらかしてますけど、まず、ガヤさんは、無茶な飛び出しというか、珍妙な飛び出しをする人でして、飛び出し後にやらかす率が半端ありません。この動画で飛び出してやらかすプレーがいくつもあります。これはガヤさんだけのせいでもないんですけどね、DFと意志疎通の問題もありますので。。。。まあ、ガンバについては、「GKが飛び出したら高確率でやらかすチームなのに、何でライン上げてしまうん?」と常々思っておりました。


次に「見るに堪えないパンチング」なんですけど、ガヤさんって、シュートをとんでもない所にこぼす癖があり、この動画でも、そーいうのが頻繁にあります。絶対にこぼしちゃいけない場所に弾いてしまうんです。「ガヤさんにミドルは非紳士的行為でイエロー」というネタがありますが、ガヤさん、ミドルでニアを抜かれてみたり、ミドルシュートをとんでもない所にこぼして押し込まれる事があり、そういう経緯があって、ネタ化されています。



エチャリについては、川島や権田への評価が高いので、それは良いんですが、その川島がこないだの試合でガヤさんばりのバンザイアタックをかましてみたりと、



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「なんで日本人GKやらかしてしまうん?」と、節子ばりに涙目になります。権田もオリンピックの韓国戦で地味にやらかしてるしね。



ついでに、2012 J1第17節 FC東京×ガンバ大阪の動画があったんで、そっちも貼っときます。権田対ガヤさんというハイレベルなGK対決です。



まあ、この動画で一番酷いのは、ルーカスにミドルでニア抜かれてしまうガヤさんのアレなんですけどね。この試合、権田とモリゲも大概なアレですけど、ガンバ相手なんで、点とられるのは仕方のない部分もあります。


ただ、この動画貼ったのは、GKの次のCBの話をしたいからなんです。ぶっちゃけ、動画の4:12からの所。ガンバの失点シーンです。


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このシーンで注目してほしいのは、画面右端の今ちゃんなんですわ。このシーンでも、前に飛び出しちゃってるでしょ?今ちゃんが前にくいちゃったせいで、右CBは、今ちゃんが空けちゃったポジションをカバーすべきか、FWのルーカスをマークするべきかって難しい判断を強いられる羽目になってるんです。今ちゃんが空けたポジションにFC東京の2列目が走り込んできてるしね。今ちゃんの食いつき癖、2012年のリーグ戦だと、もう完璧に狙われてました。


あそこはボランチとSHに任せて、今ちゃんが食いついてなければ、右CBがルーカスのマークを外しちゃう事は無かったでしょ?って話なんです。



これね、うちのブログでも以前から指摘してきましたし、エチャリも前から指摘してる今ちゃんの悪癖なんです。



これもナンバーの2013年8/8号で、エチャリが「コンフェデで浮き彫りになったゲームマネジメントの課題」ってコラムを書いてますが、その中で、



率直に言って、今野、吉田のコンビでは世界を制するのは難しい。前者は軽率にボールホルダーに飛び込む事があるし、後者はヨルダン戦のように致命的なミスを犯し、早さに対応できない点もある。アジアを舞台にしているときから指摘してきたが、今回のコンフェデでその小さなミスが致命傷になった。二人が今大会、高い集中力を見せ、奮闘していたのは間違いないのだが・・・・」



ってのです。


吉田の判断ミスと足の遅さについては、ついこないだ、久々にサウサンプトンでスタメンで出た時に、モロにやらかしたんで、そっちには触れないでおきます。「吉田 やらかし」でぐぐってください。すぐ出てきます。



吉田って選手については、もうエチャリが著書「日本サッカースカウティング127選手」で、その弱点を簡単にまとめてくれてますが、


「まず、ダッシュ力のあるFWを苦手とし、ターンが遅いためしばしば置き去りにされる。その結果、軽率なファウルが多く、敵にやらずもがなのフリーキックを与えることも。また、1度ポジション取りを誤ると修正に手間取り、相手に決定的な仕事をされてしまう。そして不用意なオフサイドトラップからピンチを作るなど、戦術的にも未熟に移る。」


読んだ時、吉田の欠点を洗いざらい、簡潔にまとめてるなあ、と感心した位です。



それからね、最近の代表の試合見る限り、吉田のこういった欠点、相手チームにばれてて、ガチで狙われてるって事です。


ウルグアイ戦、オランダ戦、ベルギー戦、全部、吉田と内田の所で失点してますけど、これ、絶対に偶然じゃありません。明らかに吉田の所を狙ってきてます。特に吉田と内田の間のギャップが狙われてます。


結局ですけど、CB、GKの欠点ってのはプロのスカウト、監督が見れば、まず確実に狙われてしまうんです。



今ちゃんと吉田のアレを書くと、「じゃあ、やっぱり中澤と闘莉王を呼び戻したほうが良くないかい?」って思う人がいると思います。でも、そんな簡単な話じゃないんです。



これね。



スペイン人のエチャリにしろ、イタリア人にしろ、中澤と闘莉王の欠点をすぐに見抜くんですよ。エチャリは、岡田時代の中澤と闘莉王に対して、「ポジション取りが未熟で危うい印象」って話をしてます。



でもって、「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス」では、イタリア人監督に中澤にしろ闘莉王にしろ、かなりダメ出し食らってるんです。どういうプレーがよくなかったのかついては、本読んでもらえればわかります。


で、結局、この本で、イタリア人監督のウリビエリが



「言葉にするとすれば、それは下地ということになるだろうか。すなわち、基本だ。この基本的なことを、おそらく日本の選手達はユースの時代から正しく積み重ねてこなかったのではないだろうか。この試合の中で数多くみられた初歩的なミスを見る限り、そう考えざるを得ない。


サッカーとは、秒単位で局面が変わるスポーツであり、だからこそ瞬時の判断が求められる。そして、その判断を半ば委ねた結果がポジショニングなのだから、それを若い頃から培っていないとすれば、また次の試合でも同じようなミスを繰り返してしまうのではないだろうか」



って話をしてんですね。



岡田ジャパンからザックジャパンになり、変わった事は組織面での戦術、特にプレスに関しては、極めてオーソドックスなそれになってます。



一方で、変わらなかった事。それはDFが、相変わらず、初歩的なミスを繰り返しているって事です。



以前、バスケ関連でに似たような話があんのね、と思って呼んだブログの記事があるんで紹介しときます。



アメリカと日本の違い ~スラムダンク 谷沢くんの話~



こっちの記事で、アメリカと日本のバスケの基本技術の違いについての話があります。サッカーの話とは、ちょっと毛色が違いますが、ちょっと身につまされるお話なので、興味のあるかたは読んでみてください。



あのですね。



よく日本代表について「フィジカルが弱い」って批判がよくあるわけですよ。特にDFに関しては、欧州勢やアフリカ勢と比べて、実際そうなのは否定しようがないんです。



でも一方で「欧州勢や南米勢と比べて、日本のDFは基本が出来てない」ってイタリア人やスペイン人の監督がまず最初に口を揃えているって現実もあるわけです。日本人DFは基本的な部分でミスが多い。でも、何でか、そっちはあまり批判されない。




岡ちゃん時代のサッカーの話をしたり、日本人DFの話をしたり、バスケの話を紹介したりしたのは、ココを問題にしたいからで、イタリア人のザックを監督に持ってきても、結局、ここは変えようがないんです。代表のDFが基本が出来てないってのは代表監督のせいじゃないんです。ユースのレベルの話になるからです。基本を教えるのはユース世代の監督の仕事なんだから。



今日はこのあたりで。攻撃の話については、また今度やります。これも書きかけの奴があるので。



ではでは。