2014年セリエA第24節 ミラン対ボローニャのレビュー 「セードルフは何がしたかったのか?」
さて、皆さん、こんにちは。本日は、先日行われたミラン対ボローニャのレビューでもしようかと思います。ちなみに、内容は1-0でミランが勝ってます。バロテッリのスーパーゴールでの勝利でした。本田はスタメンで出場し、後半21分までプレーしてます。
あの試合は、「書く内容とかあんのかよ?」とか言われそうですが、セードルフのミラン、ほんのちょっとですが、やりたい事は見えてきたので、それについて、まとめておきたいと思います。
ちなみに、両チームのスタメンなんですが、
こうなってました。ミランが4231、ボローニャが352です。
でもって、このマッチアップだと、ミラン側は、どう攻めればいいかってーと、
この赤で囲ったギャップを、いかに上手く使っていくかって所がポイントになります。アンカーの両脇、3ボランチの両脇のスペースです。でもって、マッチアップ的に、
この赤で囲ったスペースでミランのSBは絶対にフリーでボールを受けられるので、ここからミランは攻撃を始めることになります。ミラン対ボローニャでは、ミランは、このスペース使って攻撃をスタートさせてました。ここまでは当たり前の話といって良いレベルでして、さて、こっから、ミランはどうだったのか、という話になるわけです。
ミラン対ボローニャの前半、連携が上手く行ってないミラン
この試合の前半の話から始めますが、前半、ミランは連携が上手くいってませんでした。ミランは連携が上手くいってないって話は、前回ミランの話をちょっとした時もしましたけど、この試合の前半、特にそう感じました。でもって、どういうシーンで、連携が上手くいってないと感じたかってーと、前半7分のシーンなんですけど、
この流れですね。バロテッリって選手なんですけど、この試合、もの凄いロングシュート決めてまして、全てをチャラにしてますが、こーいうアレなプレーをする事があるんですよ。この場面、素直にモントリーボかターラブトにボール落として、そこから斜めにゴール前に走り込むカカ、本田、左SBに縦パス入れればいいだけなんですけど、無理矢理、自分でターンしようとする。この後、モントリーボが怒ってましたけど、当然だと思います。
この日のセードルフの狙いは、こーです。センターアタックの場合、これは図でやっときますが、
こーいう狙いですね。これを狙ってるのはすぐわかりました。上手くいってませんでしたけど。サイドチェンジする所までは上手くいってましたが、その後が、ちょっと拙かったです。
で、もう一つ、ミランの連携がビミョ~と思ったのが、前半9分のシーンで、
もうね、ここアホかと。ここもミランは右からサイドチェンジして左WGのターラブトにボールを渡せた。ここまではgood!って感じだったんですけど、その後のフォローが鈍すぎるんです。即、トップ下かボランチがあのエリアにフォローにこないといけないのに来ない。ターラブトは5秒ほど時間作ったんですけど、あのエリアにフォローに誰も来ませんでした。
ミランの連携が悪いって話を、以前、本田の話をした時にちょっとしましたが、この試合の前半でも、そういうシーンがしばしば見られました。フォローが遅いんですわ。
ここまでミランの左サイドの話ばっかしてきたんで、右サイドの話もしますけど、前半4分のシーン、右サイドでいい連携がありまして、
こんな感じで裏取ってました。これはとてもいい感じの連携です。ただ、この後、右SBのデシーリオが二匹目のドジョウ狙って本田に縦パスいれて内を回ってワンツーしようとしてましたが、セリエAのDFが二回も同じ攻撃でやられる事はありません。二回目からはきっちり対応されてしまってました。
もひとつやっときますが、
こんなのもありました。こっちも狙いとしては悪くないんですけどね。ただ、ターラブト、PA内に入っとけよ、というのはあります。ここでもそーですが。
ミラン対ボローニャの後半、セードルフのミランがちょっと前進
この試合で、大体、セードルフの狙いはわかったんで、今日はそんな話です。こっからメインディッシュになります。ちょっと、セードルフが叩かれすぎで、フォローしたい気持ちに襲われたので、彼の戦術を幾つか紹介しときますが、
このシーンね。ここ、途中まではホントに良かったんですけど、本田が最後の所で、ちょっとボール持ちすぎてしまいました。最後、バロテッリとワンツーしてれば、バイタルでフリーで前向けたんですが。
これ、図でやっときますが、
まあ、こういう連携なんですけどね。降りてきたCFに楔を当ててスペースに動き直してリターンを貰うって横のワンツーです。このシーンについては、本田のプレーに難がありました。バロテッリからリターンパスが来る事を信じてパス出すべきでした。(リターンが来るかどうかビミョ~な選手ではありますが)
真面目な話、後半になってから、ミランのほう、連携面で良くなりまして、バロがよく動くようになったんです。ただ、本田がちょっと・・・ってプレーを後半開始直後に二つほどやってしまってました。一つはすでに紹介した奴、もう一つは、
ここなんですけど、ボローニャのアンカーがデヨングに食いついてるんです、ココ。だから、バイタルには誰もいない状況でした。だから、本田が中央方向へターンするか、バロテッリにフリックでボール流して、中央に動き直してリターンもらえればバイタルでフリーで前向けたんですが、SBに出しちゃったんですね。
この後、もう1度、ミランが右でビルドアップしてたんですけど、
こっちは本田が下がる動きでスペース作って、そこに流れて来たバロテッリの個人技でのターンですけど、バロテッリはコレが出来るんですわね。このターンは「おお、上手い」と感心しちゃいました。
えっとですね、セードルフのミランなんですが、就任当初に比べると、大分マシになってきてます。これマジで。
ってのも、最初、4312から4231にシステム変更した時は、選手がどう動いていいかわからない状態で、個人技以外に打開方法がなかったんですけど、少しずつ、連携が取れるようになってきてます。
といっても、まだ連携が拙いってシーンもあって、これもう一つやっときますが、
このシーンなんですけど、カカが絶好の位置で前むけた訳です。この時、本田は斜めにゴールに向かって走ってWBを引っ張るか、本田がちょっと降りる動きを入れてWBを引っ張り、その後、カカと横のワンツーのパス交換をしてから、カカがSBにパスを出せば、ミランのSBが裏を取れていたと思うんですが、ここでは、そーいう連携に至りませんでした。
この後、本田は交代させられて、カカが右サイドになったんですが、その時、カカが結構、良い感じでビルドアップしてたんで、紹介しときますね。
これね。こいつは前回、本田の話をちょっとした時、本田とモントリーボでやって欲しかったプレーです。もうひとつ、
こーいうのです。これ、右サイドで本田が参考にすべきプレーで、「カカ、右サイドも全然イケるじゃんか」と思ったシーンでもありやす。
本田は右サイドで、どんなプレーを求められているのか?という話で〆ます
これ、最後の話になります。ちょっと戦術マニアックな話になりますが、ボローニャ戦みて、セードルフが右WGに何して欲しいかは、大体わかったんで、本田が右サイドでどーいうプレーを求められているかについて、まとめておきます。ちなみに、内容的には、セリエAで流行ってる352相手をした時に、求められる動きです。
とりあえず、この試合みた限りだと、6種類ほどありました。それぞれ、図で説明しときます。
1、本田とSBのワンツー
2,本田とバロテッリのワンツー
3,本田のフリックからの展開
4,CFがサイドに流れる動き
5,本田のカットイン
6,本田のプル&アウェイ
大体、この六種類になります。連携面に限った話では、こういったプレーをやろうとする意図は見えました。とりあえず、本田については、今後も右WGで使われると思うので、これらのプレーの精度を上げていくことが求められます。
ちなみに、こういった連携が今のミランに最も合っているかどうかは、この後のミランを見てみないとわかりません。本田はトップ下のが向いてますが、カカがいる限りは、ミランの右WGでやるしかないので、とにかく連携面を深めて欲しい所です。単独で何か出来るかってーと、それはちょっと難しい感じですしね。
ま、今日はこのあたりで。ミランウォッチは続けるつもりなんで、何か、セードルフが新しい事始めたら書いていきます。
それでは皆さんごきげんよう。