読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

2014ブラジルワールドカップ 日本対コートジボワールのレビュー

さて、皆さん、こんにちは。本日は先日行われた日本対コートジボワールのレビューを行いたいと思います。非常に残念ながら、1-2で日本が負けました。今回のWカップ、ここまで11試合中5試合で逆転勝ちが出ており、「サッカーでは先制点取った方が超有利」とかウソーンという展開で笑えます。先制点取ったチームがここまでひっくり返される試合が多いのは本当に珍しいです。ちなみに引き分けが一試合も起きてません。スペイン対オランダ、コスタリカ対ウルグアイみたいな大番狂わせの試合も出ており、グループリーグから大荒れ模様です。


とまあ、それはさておき、日本代表に話を戻しますが、日本は負けちまったわけですけど、とにかく負け方が良くなくて、ポゼッションを4割前後しか取れませんでした。データはデータ元によって異なるのですが、日本のポゼッションは39~43%、対するコートジボワールが57~61%となっており、日本代表は自分達のサッカーを出来ていませんでした。ボール繋ぐサッカーを4年間やってきたのに、本番でポゼッションで圧倒されてどーすんねん、という奴です。


最初に、選手監督の試合後のコメントを貼っておきます。


ザック「大切なのは今後何をするかだ」 W杯 コートジボワール戦後監督会見


コートジボワール戦後、選手コメント


これですね。



ザックのコメントを引用しときますが、

――後半についてどう分析するか?


 一般的に言うと、まずスタートは良かったし、序盤は非常にダイナミックであった。何が起こったかというと、コートジボワールが力を増してきて、われわれに勝った。前半の最後の20分もそうだが、われわれは相手に対して十分に攻撃することができなかった。相手に攻撃ばかり許してしまったので、もっとアグレッシブにプレーするべきだったと思う。ピッチでの距離を埋められず、ディフェンシブにも攻撃的にもプレーできなかった。しかし、コートジボワールが勝ったのは、外的な要因があったと思う。つまり彼らにはスペースがあったからだと思う。われわれは通常なら素早くプレーできるのだが、今夜はスペースを与えすぎた。


ってのがあります。あとは、遠藤の

(前半からショートパスを取られたりしていたが?)最初は中盤のプレスが速いというのは想定済みだったので、ボールを取った後のビルドアップが少しぎこちなかったのはあった。相手にひっかけてカウンターというのが前半は何度もありましたし、後半もそれで2失点しているので、極力ボールを取った後のセカンドプレーくらいまでは、セーフティーにやれれば、失点の場面もなかったんじゃないかなと思います。前半からもう少し高い位置でボールを回すことができれば、もう少し自分たちのリズムになれたとは思います。


ってのが、今回の試合の感想かな、という感じです。



最初に結論から言っときますが、日本の二失点ですけど、一つ目はボールを取った後のビルドアップでのロストから、二つ目はコートジボワールがボールをもった時、日本の右サイドが前からいかず、後ろに下がってしまい、そこからサイドチェンジを入れられ、その後のセカンドボール拾われてやられてます。どちらのケースも、試合前半から頻繁にみられた傾向でした。


日本対コートジボワール、前半のマッチレポート

ここからはマッチレポートになります。まずスタメンですが、



f:id:pal-9999:20140616222911j:plain


こうなってました。スタメンで驚いたのがボニスタメンだった事です。あと、日本は長谷部が山口とボランチを組み、右CBにはモリゲが入ってました。初戦なので、割と堅実なスタメンをザックは選んできてます。ショートハイライトも一応貼っときます。



2014FIFA ワールドカップ 日本代表 日本対コートジボワール 逆転負け 敗因ドログバ ...



さて、ここから試合の話になるんですけど、ザックの言う通り、前半の入りは良かったんです。大体、前半の20分あたりまでは日本はいつものサッカーが出来てました。


前半1分の日本のプレーなんですけど、


f:id:pal-9999:20140616224702j:plainf:id:pal-9999:20140616224705j:plainf:id:pal-9999:20140616224707j:plainf:id:pal-9999:20140616224709j:plain


こーいうのがありました。これ、コートジボワールの守備の問題点が全部出てる奴でして、プレビューで書きましたが、WGの守備適当、CBがFWのマーク外すことがある、最終ラインにギャップが出来やすいって奴です。でもって、前半5分にも又、

f:id:pal-9999:20140616225222j:plain


こんな感じで香川にパスが通って、香川にあそこで前むかれちゃう訳です。この後、香川のパスミスでボール失う訳ですけど、簡単に香川があそこで前向けてる状態で、ここまで、日本はきっちりコートジボワールの守備のギャップを取れており、攻撃は上手くいってます。コートジボワールも前から守備してこなかったので、ボール持つのに苦労はありませんでした。ぶっちゃけ、ヤヤ・トゥーレは怪我明けだったので、守備あんましてませんでした。


また、前半12分には長谷部のいいサイドチェンジがあって、


f:id:pal-9999:20140616225623j:plain


こういう風に左から右へのサイドチェンジも出来てましたし、


前半14分には、今度は山口から、


f:id:pal-9999:20140616225926j:plainf:id:pal-9999:20140616225927j:plain


こーいうキレーなサイドチェンジが通ってました。でもって、日本はここでCKを獲得。このCKから本田のビューティフルゴールが決まり、日本は先制に成功します。ここまでは、日本の攻撃は上手くいっており、コートジボワールのギャップを取れてますし、サイドチェンジを有効に使ってビルドアップできてました。右から左へ、左から右へ、良い攻撃できてます。また、19分には自陣内でボールを奪い、そこからカウンターに繋げ、うっちーのシュートにまで繋げてます。大体、前半20分までは日本ペースで試合を進めることができてました。


とまあ、ここまでは何に問題も無かったのですがね。ザックも言ってますが、序盤はダイナミックな攻撃が出来てました。


じゃあ、どっから日本はおかしくなったのよ?という話になるんですが、僕の見た所、日本がおかしくなり始めたのが前半26分からです。こっからおかしくなってます。前半26に起こった事なんですけど、



f:id:pal-9999:20140616230956j:plainf:id:pal-9999:20140616230958j:plain


これですね。このシーンなんですけど、岡崎は前から行くんでなく、即座に守備ブロックに戻ってしまってるんです。後ろ、うっちーがいるんだし、降りてきたカルーのマークには岡崎がいかないと、フリーで前向かれちゃうから、どんどんラインが下がってしまう。でも岡崎は上がってきたSBが気になってるのか、守備ブロックにいるだけって守備です。この後、カルーがヤヤ・トゥーレとワンツーしてシュートまで持ち込みました。この時、逆サイドに展開されてたらやばかったです。


ちょっとここで、コートジボワールの攻撃時のポジションチェンジについてまとめておきますが、


f:id:pal-9999:20140616231756j:plain


動きとしてはこんな感じです。最近流行ってる、攻撃時のポジションチェンジですが、攻撃時に415もしくは3421みたいな感じになります。両SBを上げて、WGが中に絞り、SBが上がったスペースにはボランチが降りてきて、ボランチが開けたスペースに前4枚のうち一人が降りてくるという形です。


コートジボワールは、こんな感じで攻撃時、415、もしくは3421みたいな感じになります。前半2分、このポジションチェンジから、コートジボワールに上手くプレスかわされたシーンをキャプでやりますが、



f:id:pal-9999:20140616232956j:plainf:id:pal-9999:20140616232959j:plainf:id:pal-9999:20140616233004j:plainf:id:pal-9999:20140616233007j:plainf:id:pal-9999:20140616233016j:plainf:id:pal-9999:20140616233018j:plainf:id:pal-9999:20140616233020j:plain


こんな感じで上手くプレス外されました。ここ、香川はSBが上がってきてるんで、あそこのボランチにいけなかったんですね。


コートジボワールによる日本のプレス回避のやり方を図でやっときますが、


f:id:pal-9999:20140617004746j:plainf:id:pal-9999:20140617004748j:plainf:id:pal-9999:20140617004750j:plain


こうなります。この形は後半でも引き続き見られました。この形でプレス外されて、ラインを下げられ、WGが守備に奔走する状態に持ち込まれました。



でもって、日本の守備なんですが前半36分あたりから本格的に崩壊しはじめます。特に、日本の右サイドで、相手のボランチ、SBにプレスかからなくなってくるんですけど



f:id:pal-9999:20140616233748j:plain



これは前半36分。


f:id:pal-9999:20140616233917j:plain


これは37:58のシーンですけど、ここも自陣内でボランチに前向かれてます。このシーンの前の流れを説明すると、コートジボワールはCB二人とボランチ二人で日本の前2人のプレスを回避。でもって、右CBから降りてきたボニーに楔いれて、そこからヤヤ・トゥーレとのパス交換から、上がってきたボランチにボール落としました。


42分には、右から左へのサイドチェンジから、やっぱりボランチに自陣内で前向かれてボール持たれてますし、43分には、ボール奪われた後、全くプレスに行かず、自陣に戻ってブロック組もうとした事から相手左SBのボカにフリーでフィードを許し、そこからサイドチェンジ入れられてます。その時の流れをキャプでやると


f:id:pal-9999:20140616235731j:plainf:id:pal-9999:20140616235734j:plainf:id:pal-9999:20140616235736j:plainf:id:pal-9999:20140616235738j:plain



ここ、この後、フリーの左SBから左から右への綺麗なサイドチェンジくらいました。


で、この後も日本陣内でコートジボワールのボランチが前を向いてしまう流れに歯止めがきかなくて、44分、45分にも相手ボランチに日本陣内で簡単に前向かせちゃってます。こうなってくると、日本のDFはライン上げたくても上げられないので、どうしようもありませんでした。



えっと、コートジボワールってチームなんですが、CBはそれほど繋げないので、ボランチが前むいてボールもてない事には何も始まらないンですけど、日本のプレスが、コートジボワールのポジションチェンジによって完全に空転しており、ボランチを自陣内で前向かせすぎました。ボランチが日本陣内で前向いちゃうと、コートジボワールの攻撃陣は強力無比なんで、はっきりいってどうしようもなくなります。



前半見返して思いましたが、このチーム相手にするなら、広島か浦和とテストマッチしたほうが良かったですね。マジで。システム的には、攻撃時にあそこと一緒の形になるので、テストマッチの相手として最適だったんじゃねぇかなと思います。


こういう相手に対する対策としては、浦和対策とか広島対策でよくある完全ミラー方式か、相手チームを押し込んでしまって、相手が変形しきる前に前プレかけてボール取ってしまう方式、FWが鬼のように走り回りスライドを素早く行って相手を封殺する442方式があるんですが、日本はそのどれも出来てませんでした。

日本対コートジボワール、後半のレビュー


でもって、こっからは後半のお話になります。今回は、時間ないので、日本が逆転されるまでを扱います。後半最初の10分くらいは悪くなかったんですが、後半11分あたりから、またコートジボワールのポジションチェンジでプレス交わされ始めます。後半、11:24には右から左へのサイドチェンジでボランチに日本陣内で前向かれてますし、後半13分には、


f:id:pal-9999:20140617003607j:plainf:id:pal-9999:20140617003609j:plainf:id:pal-9999:20140617003612j:plainf:id:pal-9999:20140617003615j:plainf:id:pal-9999:20140617003618j:plain


こーいうボール回しで、日本陣内でボランチに前向かれました。これは前半2分でやられたのと一緒のやり方です。この後、15分にも、この形でボール回されて自陣内でボランチに前向かれてます。


でもって16分にドログバが入ります。ここでラムシ監督は、ボランチ削って前の枚数増やしてきました。これはラムシ監督がよくやる変更で、点欲しい時はボランチ削ってFW増やしてきます。ヤヤ・トゥーレはこの後、ボランチに入ります。



そして、運命の時、18分。まず、モリゲがドログバへの楔を潰そうとしてイエロー貰います。これで自陣内でFKとられました。その後、日本がボール奪いかえして、そこからカウンターってシーンになるんですが、香川がドリブルで持ち上がって本田にパス。ただ本田の所で奪われてしまい、そこから逆にカウンターくらいます。この時、香川が中央にいたので、遠藤は左サイドの守備に入らないといけなかったんですが、中央にいたカルーのマークに入ったので、上がってきたコートジボワールのSBがフリーに。そこからクロス入れられて日本は失点という流れでした。ここはキャプやらんでも、動画にのってるので、そこで確認してください。


この試合なんですけど、ボール奪った後に即ロストってのが多すぎました。前半だけで4~5回あり、勿体ないロストが多すぎました。


でもって、その後の20分。


f:id:pal-9999:20140617012424j:plainf:id:pal-9999:20140617012428j:plainf:id:pal-9999:20140617012431j:plainf:id:pal-9999:20140617012435j:plainf:id:pal-9999:20140617012438j:plainf:id:pal-9999:20140617012440j:plain


これですねえ・・・・


ココなんですけど、相手、ビルドアップの枚数削って前の枚数増やしてる訳ですから、前からハメに行くのは楽になってるんですよ。ただ、岡崎がSBのチェックに出ないんです。これも前半43分の時と一緒なんですけど、ブロック固めてからって感じで、SBは割とフリーにしちゃうんです。中に入ってくるカルーがそんなに気になるのかなーと。


ここだと、吉田が競り合いで勝ったんですけど、セカンドボールはコートジボワールに拾われ、そこからもっていかれました。で、クロスから失点して、日本はココでジ・エンド。


二失点とも、中に入ってくるWGを気にしすぎて外をフリーにしてしまい、そこからクロス入れられて失点してます。


でもって、この後、日本は反撃したい所なんですが、前半から走らされすぎてしまい、最後はみんな足止まってました。長友まで止まってたのが印象的でした。そのまま何もできず試合終了となりました。


やりたい事をコートジボワールにやられた日本という結果に


まとめに入りますけど、とにかく、この試合、コートジボワールは自分達がやりたい事を全部出来てました。それが皮肉な事に、日本がやりたい事でもあったんですけど。


えっとですね、こういう風に両SBあげてくる形のサッカーに日本代表が負けたのは、これが初めてじゃありません。ブラジル代表とやった時、こういうサッカーされて完敗してます。あそこも両SBあげてくるんですが、両SBの上がりでWGを低い位置に押し込められ、そこからサイドハーフとセンターハーフの間のスペースを良いように使われて形でボコられました。


コートジボワール戦は、そこを使われないように、岡崎や香川が中に絞り気味のポジションとってましたが、それが原因で相手SBをフリーにして、そこから結局やられました。


コートジボワールは、両SBの上がりで日本のWGを低い位置に押し込み、FWの大迫を孤立させ、更に守備でWGを消耗させることに成功してました。日本のプレスもポジションチェンジで上手く回避し、ポゼッションを確保してました。



こういう相手には、日本はきちんとポゼッションを確保して、逆に相手を押し込んでしまうってのが出来ていれば良かったんです。ただボール奪った後のロストの仕方があまりに悪く、さらに途中から縦に急ぎすぎで単調な攻撃に終始してしまい、逆にポゼッションを失うハメになりました。



この日、コートジボワールがやった事って、日本がやりたかった事なんです。しっかりボール保持して、相手を自陣に押し込んで、相手WGに守備を強要して消耗させていき、ボール奪われたら即プレスかけて奪回して二次攻撃っていうね。押し込んでしまえば、コートジボワールはポジションチェンジできない状態でプレス食らいますから、厳しくなる。


ところが、現実には、日本はコートジボワールに押し込まれて、WGが守備を強要されて消耗していき、ボール奪った後にすぐロストして二次攻撃食らう、そんな試合になってしまいました。


この試合は、ホントに日本の良いところを出せませんでした。



次の試合はすぐあるので切りかえるしかないんですが、とにかく、きちんとボールを保持して相手を押し込まないと、このチームの良さは出ないので、そこをきちんとやって欲しいです。押し込んでしまえばハイプレスかけるのは楽なんです。相手のポジションチェンジに悩まされる事もないんです。ポゼッションしっかり取って、相手を押し込んでしまえば、WGがあんなに守備やらされる事もなくなります。さらに相手を走らせてしまえば、絶対に相手のほうが後半、先に足が止まるので、そうなったら後は好きにやればいい。



ギリシャ戦では、とにかく自分達のサッカーをやること、それだけです。


あと、この試合を見返して思いましたが、向こうのラムシ監督、日本をしっかり研究してたのが試合のチェックをしてみてよくわかりました。たぶん、日本が完敗したブラジル戦二試合を参考にしたんでしょう。



今日はこの辺りで。ではでは。