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2014ブラジルW杯 日本対ギリシャのプレビュー

さて、みなさん、決戦前夜でございます。今夜はコロンビア対コートジボワールがあるんで、あんまし詳しくプレビューやってる時間がございません。そんな訳で、手短になりますが、ギリシャ対日本のプレビューをやっておきます。ホントに時間がないので、ギリシャのシステムの解説だけで勘弁してください。




ギリシャ代表のシステム


まず、システムの話からしますが、ギリシャ代表は433を採用しています。


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なんで基本配置はこうなります。初期配置で戦った場合、日本とギリシャはシステムが完全に噛み合っていますから、ミスマッチは起きません。基本的に一人一殺みたいな形になります。


ただし、ギリシャ代表なんですが、攻撃時には変形します。


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システム的には、よくあるアンカーを最終ラインに落としてCBを両ワイドに広げるタイプです。これで2トップのプレスをアンカー+2CBで回避し、サイドで数的有利を作り出すという形です。



一方で、守備面では基本的に後方でブロック作って守ります。


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こんな感じで守ります。岡田ジャパンの時にやってた414のガチンコブロックですね。


ギリシャは明日の試合でも、この形は全く変えてこないと思います。これ以外にオプションは持ってないみたいなので。


ギリシャのビルドアップ


今回の話のメインになりますが、ギリシャのビルドアップについて扱います。えっとですね、前回の試合で日本はプレス外されまくったので、この部分については、書かないといけないと思い、まとめておくに至ります。


ギリシャはポゼッションタイプのサッカーをするチームではありません。ただ、現代サッカーだと、442のプレスをはがせないチームは、どうしようもありません。なんで、どのチームも一つか二つ、442のプレス回避方法ってのを持っています。



ギリシャもその例に漏れず、442のプレスの回避方法というのをチームとして共有しています。で、このチームがどういう風に442のプレスを回避するのかというと、これはギリシャの初戦で、コロンビアが先制してから引いて442で守りを固めたので、あの試合みれば大体の所はわかるわけです。



ちと、キャプでやりますが


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これはコロンビア戦でみられた形です。ギリシャの442のプレスの外し方のうち、日本代表が一番やられそうなのがコレで、3バックポゼでボールを落ち着けてから、CBの一人がボールをもって持ち上がります。で、これでブロックを片方のサイドに寄せてから、1度降りてきたボランチにボール当てて逆サイドのCBに落とすってやり方です。これでプレス外してライン下げれたら、サイドチェンジ入れて、そっから突破って形に持ち込みます。



も一つ、


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こっちはよくあるゼーマンの433タイプのやり方。日本代表もよくやりますが、CBがボールを持って持ち上がり、WGがSBとCBの間のスペースでフロートするポジションを取ります。そこでCBの楔を受けて相手のSBを食いつかせる事でSBの裏にスペース作ります。その後、ボランチに落とし、ボランチからオーバーラップしたSBに展開というやり方です。



前回の試合を見る限り、日本代表が注意しないといけないのはこの二つのやり方になります。これでプレス外されて、ラインずるずる下げられて、WGの位置を下げられてしまうと面倒な事になります。


ギリシャのカウンターと日本のカウンター

次に、日本とギリシャのカウンターの話になります。えっと、この2チーム、カウンターのメカニズムで良く似ている部分をもつチームです。


まず、日本の話をしますが、日本はWGを使うサッカーをしている関係上、WGが高い位置を取れないとどうしようもありません。ただ、守備ではSBが上がってきた場合、WGも下がってブロックに参加しないといけないため、カウンターの時に大迫が孤立しやすいという問題を抱えてます。


つまりボールを奪い返した際、WGの位置が低くなりがちでCFが孤立しやすいってのは日本の問題なんですが、この時に本田のキープ力がモノを言う訳です。カウンターの時に日本代表は本田が一旦、ボールを落ち着かせて両WGが高い位置を取るためのタメを作ります。



一方で、ギリシャの場合、この本田の役割を担っているのが左WGのサマラスになります。


ギリシャはボールを奪い返す位置が低いチームなので、1度サマラスに当てて、そこでタメを作り、WGとインサイドハーフが上がる時間を作ります。そして、サマラスから落として貰ったボールをカラグーニスがパスをして一気にゴールへってのが彼らの得意パターンです。



両チームのカウンターの時のボールの預け所ってのは、ほぼ決まっています。なので、サマラスと本田、この二人がどれだけキープ出来るかの勝負といってもいいと思います。サマラスに簡単にキープさせてしまうようではギリシャのカウンターを防ぐのは難しいですし、本田が簡単にキープできているなら、日本はカウンターするのは簡単です。ここは一つの見所になります。






で、試合の展望になりますが

今回はプレビューなんで簡単に済ませますが、ギリシャ代表の狙いはわかりやすいです。まず間違いなく、右SBのトロシディスを使ってきます。


今回のエントリの最初に書いた方法で日本の2トップのプレスを回避した後、左から右へのサイドチェンジ、もしくはWGへの楔からSBのオーバーラップという形で香川の位置を下げに来ます。これで日本の左サイドを自陣低い位置に押し込んで、日本の得意の形には持ち込ませないってゲームプランで来るでしょう。



日本に押し込まれた場合には、サマラス経由のカウンターに切りかえると思います。こっちのケースでは、とにかくサマラスにキープさせない事が重要です。サマラスのキープを防げないと、そこからカウンター食らいます。



で、日本の方のゲームプランなんですけど、試合前の報道とか見る限り、カウンターではトロシディスの裏狙いですね。相手が右SB上げてくるのは火を見るより明らかなので。


一方、遅攻になりますが、相手は414でブロック組むので、アンカーの両脇をきっちり取るのが大事です。あそこが414ブロックの泣き所なので、あそこを取って上手く攻めれば攻略は可能です。ユーロのドイツ対ギリシャ戦とかが参考になるかもしれません。



とりあえず、本日はこの辺りにしときます。



最後に。


コロンビア対ギリシャ見れば、相手がどういう形でビルドアップしてくるのかなんてわかりきってるんだから簡単にプレス外されるんじゃねぇぞ(゚Д゚)ゴルァ!