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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

2014年ブラジルワールドカップ 日本代表対ギリシャ代表のレビュー 「噛み合ってないチーム」

さて、皆さん、こんにちは。本日は先日行われた日本代表対ギリシャ代表のレビューをしたいと思います。結果は0-0のドローでした。多分、皆さん、怒ってると思います。僕も試合後イライラしっぱなしでしたが、土曜のJ2の試合で湘南が磐田に勝ったので、気分が持ち直しました。そのおかげでレビュー書く気力が出来た次第です。


今回の試合、前半でギリシャのカツラーニスが退場となり、10対11で勝てなかったので、そりゃーもうストレスマッハな試合でした。正直、選手及び監督への罵詈雑言でブログ埋め尽くしたい気分なんですが、それはWカップ終わった後でもやれる訳なんで、普通にレビューだけしたいと思います。


日本代表対ギリシャ代表、前半のレビュー


さて、まずスタメンから入りますが、


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こうなってました。ギリシャ代表はほぼ予想通り。日本代表のほうはスタメンいじってまして、香川がベンチスタートで岡崎左、大久保右。でもって、ボランチは山口と長谷部、CBには今ちゃんが復帰してます。



今回のスタメンなんですが、ボランチの選考には文句を言いたい所があるんですが、その話はやめときます。ザックがやろうとした戦術と関係あるんですが、遠藤か青山は絶対必要だろうと。



えっと、まず、今回のスタメンとザックの取った戦術なんですが、先に図で説明しておきますが


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こうなります。点線がボールの動き、直線は人の動きです。基本的には、大迫と本田をアンカーの両脇に落として、そこに楔を入れてボランチに落とし、裏に走るWGにラストパスか、サイドチェンジって戦術になります。これ自体は何の問題もなく、オーソドックスな対4141戦術の一種になります。4141は、その性質上、相手CBのうち、一人がフリーになります。なので、そこからアンカーの両脇に楔を入れてボランチに落とし、そこから裏へのパス、又はサイドチェンジってのが有効な手になります。今回の試合、大迫のポストプレーが目立ってましたが、これはそーいう理由からです。


でもって、遠藤使えってブー垂れてるのはボール落とした先が長谷部と山口じゃ、どうしてもその先の展開がきついからで、遠藤か青山のどっちかは最低でも必要だろと思うからです。ポストプレーからの展開を主軸にするなら、ボランチに最初からゲームメーカーいれろよ、という奴です。サイドチェンジ一つとっても、青山と遠藤は必要だろうと。前半のドン詰まり展開の原因の一つがコレで、サイドチェンジが少なすぎました。




今回、香川が外れた理由として、

――なぜ、香川真司をスタメンに入れなかったのか?

ザッケローニ監督 「香川を入れなかったのは、戦術的な理由。サイドに力を入れようと思ったことと、相手を疲れさせようと思っていたから。そこからの攻撃を考えていたので、よりスペースを広げる、特に相手のディフェンスのスペースを広げることができる選手を選んだ。香川も相手のスペースを使うプレーが多いが、彼はより中央への動きが多いので、意向が合わず、戦術的にこのような決定をした」


ザック監督「勝つべき試合だった」 W杯 ギリシャ戦後監督会見


ってのがありますが、香川の場合、中にはいってきてしまう選手の為、頻繁に大迫とポジション被るんです。まあ、どういう事かってーと、これ、コートジボワール戦で使った奴の再利用ですが、


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これ、前半開始直後の奴ですけど、香川と大迫が同じスペースにはいってきちゃってるンですね。日本代表の場合、あそこを頻繁に香川が使ってしまう為、CFがポストプレーで使いたいスペースがないって問題が起きてたりします。清武も似たような問題おこす選手です。彼らを使う場合、中にはいってくるプレーヤーなのでSBが上がらないとサイドチェンジしにくくなるって問題も起きます。


今回の試合の場合、アンカーの両脇は大迫と本田が使い、両WGはサイドにはった状態から、斜めにゴール前に入っていくのが求められます。そーなると、岡崎と大久保ってのは理に叶った選択になります。二人とも裏抜けは得意ですからね。香川はバイタルにスペースあると、そこに入りたがる傾向があり、サイドから斜めに裏に走るプレーってのが少ない傾向があります。ここは彼をWGとして使ってしまうと起きる問題の一つです。


で、こういう攻撃の意図は、前半開始直後から見られ、それぞれキャプ使って説明しますと、



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これはひじょ~にベーシックなビルドアップでして、SBから斜めにCFへの楔を打ち込み、CFが落としたボールをトップ下が受けて、斜めにゴール前に走り込む左WGにラストパスって狙いです。


相手のアンカーは本田にマンツーマン気味でついていくので、本田の動きで相手のアンカー動かして、CFに楔打ち込んでいくって方法ですね。



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こっちは前半6:00にやった奴です。ただ連続二回目なんで、流石にギリシャのCBに読まれてました。でもって読まれているって事で、次はちょっと趣向を変えて、


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これは前半6:33の攻撃ですけど、一つ前の攻撃で大迫への楔は読まれていたので、今度は直接、岡崎の裏へのランニングにパス合わせてます。ここまでは問題なしで、ザックの狙い通りの攻撃が出来ているという感じです。右サイドからの組み立てから、左の岡崎のダイアゴナルランにボールを合わせるという形です。


今回の試合、コートジボワール戦とは比較にならないほど大迫のポストプレーが多かったですが、大迫のポストプレーから本田、山口、長谷部に落として、そこから裏に走り込むWGにパスって流れを日本代表が意図してやってたからです。



ただ、ちょっと頂けないのが、大久保で中に入りすぎてるんです。なんでこんなに中に入っちゃうのか、意味がわからない部分がありました。ザックの指示なのか、本人の選択なのかよくわからんのですが、アレやっちゃうとサイドチェンジできないので困る。前半7分の時も、9分の時でも、大久保が中に入りすぎててサイドチェンジ出来なくなってます。


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これ、前半7分の大久保のプレーなんですが、右WGなのに、何でかあの位置にやってきてるんです。バイタルにスペースがあるのはわかりますが、そこは本田か大迫が使う場所で、大久保はWGなんで裏に走る、幅を作るってプレーが求められているはずなのに、あそこにやってきてしまってる。


その後、前半8:27のシーンになるんですけど

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こういうシーンになっちゃうよね、という話になるんです。あそこで大久保が前むいても、右サイドの高い位置に誰もいないから攻撃がドン詰まりになって縦パスカットからボール奪われてカウンター食らいました。


あそこで大久保が中にはいってきちゃうと、左から右へのサイドチェンジできないので、これは困るんです。両SB上げるなら、入ってもいいんですけど、この試合、前半はうっちーはサマラスのケアのため、低めの位置にいたので、大久保は幅作る為にサイドにいないと困るンですが・・・・岡ちゃんが「大久保が自由に動かせてもらってますね」って中継で言ってましたが、大久保が右に張っておらず、中にはいってきちゃってたのを受けての話です。


ここも一つの不満ポイントなんですけど、大久保にあそこまで自由与えるなら両SBあげろよと。じゃないとサイド攻撃出来ないだろ。


ちと、15分のビルドアップを例にしますが、



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ここなんですけど、うっちー、長友が上がってるのをみて、下がっちゃうんです。バランス考えてね。でも、このケースだと、大久保が中に入っちゃってるから、うっちーが上がってないと、サイドチェンジできない。サイドチェンジ出来ないと、ギリシャは左サイドにスライドかけてスペース圧縮して守ればいいだけなんです。で、この後、ボール奪われてカウンター食らいました。


大久保を自由にやらせるなら、両SBあげるか、大久保が中に入ったとき、本田か大迫に外に流れるようにしろとダメですよ。でないとサイドチェンジ出来ないので、相手にボールサイドに陣形を寄せられてひっかけられてカウンター食らうに決まってます。




あのですね、前半18分の時の攻撃をキャプで解説しますが


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こういう攻撃するなら、いくらでも大久保が中に入ってもかまわんのですよ。うっちーが上がってきてるなら、大久保が自由に中に入ってもいい。



両SB高い位置取ってるなら大久保が自由にやっても構わんのです。勿論、カウンターの時、相手のサマラス誰が見るんだって問題が生まれますけどね。


でもって、前半20分にも、又まずいビルドアップがあるんですけど


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ここなんですけど、また右サイドに誰もいない状態なんです。この状態だと、ギリシャはボールサイドに全体を寄せて、楔を潰していけばいいだけなんで、日本の攻撃はそんな怖くない。



この後、22分の右サイドの攻撃の時は、うっちーがあがってましたし、前半26分の時には


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こういう風に両SBが上がってる状態なら、大久保が自由に動いても僕は何も文句言わないのですけどね。で、この後、32分に大久保のヘディングまで行った攻撃があって、これは良い攻撃でした。この辺り、日本はいいリズムで攻撃できており、37分に二枚目のイエローでギリシャのカツラーニスが退場。


37分以降、ギリシャは441に変更。で、もうこうなっちゃうと日本は本格的に両SB上げて、両SBを使ってサイドチェンジで攻めればいいんですけど、41分、45分と狭い方いっちゃうんですね。まあ、別に悪い攻めじゃないかったんですけど、ギリシャは一人少ない為、中央固める守備やってたので、サイドチェンジをなんでしないんだろうと不思議でした。


前半を見返してチェックすると、大久保がやってる事とザックが言ってる事が噛み合ってないんです。ザックは「よりスペースを広げる、特に相手のディフェンスのスペースを広げることができる選手」ってのをチョイスしたみたいですけど、大久保が中に入ってきてしまっているので、相手のDFを横に広げることが出来てません。むしろバイタルにいる時間のほうが長かったです。



前半はサイドチェンジが少なく幅を作れてないので、相手にとって守りやすくなるだけでした。ギリシャは引いて守る関係上、裏のスペースはあんましありません。だから、横に広げる必要があるんですが、サイドチェンジを有効に使えてませんでした。


大迫のポストからサイドチェンジを有効に使うなら、ボランチに一人ゲームメーカー入れて、逆サイドに張りだした選手が必要になります。ただ、意味がわからんのですが、どっちもいない。噛み合ってないんですよ、チームとして。


大久保がこの日の前半に頻繁に中に入ってたのは監督の指示なのか、本人の考えなのか、よくわからない所があります。しかし確実に、前半、日本がサイドチェンジしにくい原因になってました。


うっちーが高い位置をとってる時は良い攻撃できてましたが、そうじゃない時は大久保の中に入る動きは問題だと言わざるを得ません。


日本代表対ギリシャ代表の後半のレビュー


こっから後半のレビューに入ります。


まず第一に相手はすでに10人なわけです。後半始めから遠藤が入りました。これは当然だと思います。ついでに両SBあげちゃって良かったんですが、最初は偉い慎重に入ってて、両SBあげてこない。


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これ、1分


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これ3分。



なんで、両WG中に絞らせて、両SB上がらせないんだろ?と不思議になるアレです。



相手一人少ないんですよ。だったら、両SBあげて大久保と岡崎、中に入ったほうが良いんです。何度も言いますけど、相手一人少ないんです。両SB上げてWG中に絞らせたほうがいい。




まあ、途中からやりはじめるンですけどもね。両SB上げ始めたのが大体後半7分あたりからで、


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こうなりました。これは悪くない攻撃です。両SBを上げて幅を使い、それによってボランチとSHの間を広げれば、そこのギャップも使えるようになります。




で、この後、香川が入って、22分に


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この形ですね。繰り返しますけど、両SBが上がってるなら、別に大久保が好きに動いても構わないんです。えっと、狙いとしては図でやっときますけど、


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まず、この赤で囲ったスペースを取りたいんです。ここで大久保、香川、本田のいずれかに前向いて欲しい。ここで前向ければ、そこからオーバーラップしたSBに出してクロスあげるなり、コンビネーションするなり、ミドル打つなり、何でもできる。



ただ次に24分の攻撃の時、ここでは、香川の問題がでるんですけど


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ココなんですけど、組み立ては良いんです。ギャップ取れてるし。問題は香川と本田が同じスペース使おうとしちまった所で、香川はあそこのスペースは本田に使わせて、サイドに張ってれば良かったってのがあります。もしくは、本田は前に張ったままで、香川にあそこのスペース使わせて、香川からラストパス待ってればよかった。



でもって25分にはうっちーの惜しいシュートもあって、次に31分



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これは良い攻撃でした。もっとも、ここもうっちーがフリーだったんで、そっちに出しても良かったんですが。うっちー、岡崎と長友はマーク外してたし訳だし。




次は36分にはカウンターから良い形作れてますし、後半37分の攻撃も良かったです。両SBあげて、ギャップとって、サイドチェンジからうっちーのクロス。




この辺りの時間帯は良かったんですが、最後、又ザックがパワープレーに切りかえちゃうんですよね。もっとも点取れてないし、非常手段って事なんでしょうけど、パワープレーやるなら、大迫変えたのは悪手だったし、そもそもマイクと豊田何で外したの?という話になる。




まとめと今回の試合の感想になりますが、色々と噛み合ってない日本


さて、なんですけど、これ書いてる最中に、



ザック異例の練習中止「メンタルのため」



日本代表「疲れたまっている」と休養選ぶ



こんな記事飛び込んできたんですが、とにかく噛み合ってません。監督は「メンタルのため練習中止」、協会スタッフは「疲れたまっている」で、言ってる事ちがわね?という。練習中止とかフランス代表思い出すだけなんで止めて欲しいンですが・・・・・



あと、ザックが「2試合続けて、攻撃にスピードがなかった」って言ってますけど、そりゃ、先発ボランチが長谷部と山口なら、そうなりますよ。攻撃のスピードアップの起点となるボランチの所にゲームメーカー入れてないですもの。そんな事、日本代表で遠藤がいない時とかに顕著だった訳ですし。



今回の試合、見直してチェックしましたけども、チームとして噛み合ってたのは、前半の20~37分と、後半の22分~39分くらいで、他の所は、どうにも噛み合ってません。



こういう試合やってしまうと、監督と選手の間に溝ができかねないんです。監督が戦術をいじって、それで結果がでないという試合なんで、こーなると「この監督の言うこと聞いてたら勝てない」って選手が思うようになりますから。


ちょっとまとめときますが



ザック「2試合続けて、攻撃にスピードがなかった」

選手側「それが問題なら何で先発ボランチに山口と長谷部並べたの?攻撃遅くなるに決まってるじゃん。」


ザック「よりスペースを広げる、特に相手のディフェンスのスペースを広げることができる選手を選んだ」

選手側「じゃあ、何でWGの大久保があんなバイタルに入ってきてるの?」


ザック「パワープレーはしない」

選手側「二試合続けてパワープレーしてるんですけど?」



って形で選手サイドから反発でかねない試合なんですよ、ギリシャ戦。



ザックは試合後、全選手と個別で話し合ったそうですけど、何も起きてない事を祈るのみです。


今日はこのあたりで。ではでは。