読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

サッカーにおける八百長の種類の話

皆さん、こんにちは。本日は、ちょっとイヤーンな話になりますが、サッカーにおける八百長の種類の話でもしようかと思います。こんな話しようと思ったのは、


アギーレ監督、八百長疑惑で告訴へ


アギーレ監督に事情聴取、八百長関与の事実なしと発表


という感じでアギーレ日本代表監督が八百長で告訴されかかってるからです。



サッカーってスポーツの八百長に関してなんですが、これ、幾つか種類がありまして、今日は、その代表的な奴を3種類ほど紹介しときます。





調整型のサッカー八百長


まず、最初に紹介するのは「調整型」と呼ばれる八百長です。これは主にクラブの関係者によって行われます。この分類については、デクラン・ヒルの



黒いワールドカップ (現代プレミアブック)

黒いワールドカップ (現代プレミアブック)

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する



この2冊の著書のうち、後者の本で扱われています。この本の中で、デクラン・ヒルは、クラブ関係者によって行われるタイプの八百長を「調整型」と分類しています。



で、内容はどういうものかというと、サッカーというスポーツにおいては「昇格」と「降格」というシステムが存在します。問題の根源はコレなんですが、昇格がかかってるチームが星を金で買ったり、降格を避ける為に星を買うといった行為をデクラン・ヒルは「調整型八百長」という形で分類してます。



この調整型の八百長としては、最近もニュースで出ましたが、



2部ニームに「八百長」、マルセイユに「移籍金絡みの賄賂」。2大汚職が同時に勃発したフランス




こういう奴です。こっちのはフランス二部のニームが、降格を避ける為に星を金で買ったんじゃないかってスキャンダルですけど、これはサッカーの世界ではそう珍しいスキャンダルって訳じゃなくて、定期的に出るスキャンダルだったりします。降格を避ける為に、星を金で買うってのは、そう珍しい話じゃありません。これはチームの会長が主導した奴みたいですが、クラブ関係者が八百長に手をだすのは、大概の場合、昇格か降格がかかった試合です。


デクラン・ヒルは、著書の中で、頻繁にジョー・マクギニスの「the miracle of castel di sangro」から引用してますが、こっちの話はイタリアの話で、アメリカ人ジャーナリストのマクギニスが、イタリアのセリエBで目撃した八百長試合の話です。


簡単に内容をまとめると、


1、セリエB最終節で、ASバーリは、カウテル・ディ・サングロに勝てば昇格という試合を迎えた。
2、マクギニスは、試合の前にサングロの選手が八百長について話しているのを聞いてしまう。
3、その選手によれば、他のチームも金でポイントを買っている。ASバーリは最終節に4点とって勝つ。金が支払われる。
4,セリエでは「イル・システマ」と呼ばれる仕組みがあり、オーナー同士がある種の星の貸し借りをしている。


ってモンです。これはイタリアの話ですね。



でもって、今回のアギーレの話になるんですが、これは、メディアの報道見る限り、「調整型」の八百長です。


【現地発最新情報】アギーレへの疑惑も限りなく“クロ”に近い――。検察の動きから追うリーガ八百長事件


こっちで流れが追えますけど、当時アギーレが率いていたサラゴサは降格に瀕していた。そして、最終節で「試合を買った」って話です。主導してたのは、クラブ関係者のようです。



ちなみに、スペインについては、ちょっと前から



スペインでの八百長を危惧するLFP副会長


こんな感じで、現リーガ会長のハビエル・テバスが「リーガでは試合が買われつつある」って話をしてましたので、スキャンダルが出てくるのは時間の問題だったと思います。そもそも論として、リーガでは給与の支払いが行われてないチームもあったみたいですし、そうなったら、星の売買が起こるのは当然なので。



この話で珍しいのは、リーガの会長が「リーガでは試合が買われつつある」と発言してみたり、警察に八百長の捜査の依頼をしてたって所です。これは非常に珍しい。というのも、普通、サッカー協会ってのは、「臭いモンには蓋」をするもので、サッカー協会が主導して捜査して八百長暴いたケースは殆どないんです。皆無に近い。


そんな訳なんで、何でリーガの会長がここまで八百長撲滅にやっきになっているのか、それが不思議な部分もあります。「リーガでは試合が買われつつある」なんて発言したら、普通、観客動員の減少を招くし、リーガというコンテンツそのものの信頼性を損なう訳ですから。



賭博型八百長

次は、賭博型の八百長です。これは以前も扱いましたけど、現在のサッカーの最大の問題の一つなんですが、アジアの賭博市場を拠点とするアジア系のフィクサーが欧州の試合を操作しているって話です。これについては、



サッカーで八百長100回、仕掛けた人物に初のテレビインタビュー



こんな記事も出ましたけど、東南アジアでは、サッカー賭博が非常に人気があって、試合結果を操作できれば大金が転がり込みます。なんで、向こうのマフィアが、欧州サッカーの試合結果を操作して八百長仕組んでるってのが最近問題になってます。デクラン・ヒルの「黒いワールドカップ」は、この手のアジアのフィクサーへの取材をまとめた本だったりします。



でもって、実は、ピルロの自伝にも、この手の問題についての記述があります。



我思う、ゆえに我蹴る。アンドレア・ピルロ自伝

我思う、ゆえに我蹴る。アンドレア・ピルロ自伝



この本のP112~114に、イタリアにおける八百長事情が載っています。内容を簡単にまとめとくと、



1、セリエCでは給与の支払いが滞るのが珍しくないので、選手同士で談合して試合結果操作してサッカー賭博で稼いで食いつなぐ。
2、セリエBだって同じようなもの。シーズン終盤になるとおかしな事が起こり始める。
3、セリエAでも、そんな試合があると噂されている。



ってモノです。一国の代表選手が「3部リーグで八百長が起きてるよ」なんて著書で書いたら、大スキャンダルになりそうなモンですけど、こんな事書いても問題にならないのがイタリアらしいといえばイタリアらしいです。


調整型の八百長が古くからあったのと比べると、賭博型の八百長は比較的新しい問題だったりします。インターネットを通じて、世界のどこからでもサッカーの試合に賭けられるようになったってのが、この手の八百長の規模を増大させてる訳なんですね。



選手売買での八百長


三つ目はこの話になります。この話については、どういう事かというと、UEFAプラティニが演説で述べているので、引用しときますけど、

さらにプラティニ会長は、第三者による選手保有に断固反対する姿勢への共鳴を訴えた。「狡猾な手法と卑劣な目的により、これらの慣行は人間の尊厳やスポーツ大会の正当性だけでなく、草の根レベルのスポーツに対する出資さえも蝕んでしまう。これまで南米でのみ顕著だったこの非倫理的行為は、今や欧州全土に広がりつつある」

UEFA会長は、こうした慣行がEU基本権憲章に違反していると指摘。「第三者による選手保有は、選手を経済的権利で切り刻み、単独または複数の投資者で分け合っている行為に等しい」と説明した。「こうした選手たちに契約自由の基本原則は適用されず、保有者は自らの経済的権利を濫用し、選手を犠牲にして利益だけを追求した経済取引を行う。つまりこうした選手たちは、それぞれにあるべき自由意志を奪われていることになる」

同じ保有者が経済的権利を持つ選手が様々なチームから出場している大会では、果たしてどのようなことが起こるのだろうか? その答えは簡単だ。八百長という悪魔が、その醜い頭を持ち上げる。つまり、スポーツで体現されるべき正当性や偽りのなさという基本的価値観が無視され、汚されてしまうだけだ


UEFA会長、EUに支援を要請

黒字強調は筆者によるモノですが、UEFAはちょっと前から、「第三者による選手保有の禁止」に動いています。



なんでこれを禁止したがってるかっていうと、これ、ある種の八百長の温床なんです。



これ、サッカーとお金の話をしていた時に、しようとおもっていた話なんですが、現在、サッカー選手の移籍金ってのは非常識なレベルで高額になってまして、サッカー選手の移籍金ビジネスによって、代理人に支払われる額ってのも、非常識な額になっています。



でもって、この選手が移籍した時の移籍金の一部が代理人、もしくは選手を保有しているクラブ、あるいは金融ファンドに入るという仕組みがあると、何が起こるかというと、一番、わかりやすいのが、



セレソン入りのために賄賂? クラブ会長発言が物議



こういうケースなんですが、ブラジル代表に選手をいれてもらう為に代表監督にクラブの会長が賄賂を支払ったって話です。ロマーリオがブラジル代表には、そういう悪しき慣習があると、しょっちゅう攻撃してますが、これも、ある意味では、起こって当然というアレです。



つまりね、ブラジル代表ってのは特別なブランド価値をもってますから、一回でも招集されると、クラブの選手を欧州に高値で売り飛ばす事が可能になる訳です。だから、代理人とクラブが、代表監督にリベートを払ってでも、自分のトコの選手を代表に呼んでもらおうと必死になる訳です。南米だと、こんな話、珍しくもなんともありません。



ちなみに、ここで問題なのは、タチの悪い代表監督の場合、代理人に自らリベートを要求する奴がいるんです。「お前の選手呼んでやってもいいが、わかるよな?」という感じでね。僕は、やたらと新しい選手を試したがる南米代表監督見ると、「代理人からリベートもらってるだろ」って疑うクチです。



でもって、話を戻しますが、欧州だとスペインは第三者による選手保有が禁止されてない訳で、



『マルカ』、保有権の半分が投資ファンドにあるとの報道を否定



こんな記事がでたのは知ってる人も多いと思いますが、この記事の中で出てくる「ドイエン・グループ」ってのがクセモノでしてね。


簡単にいえば、彼らは、サッカー選手に投資して移籍金で儲けるってファンドです。スペインだと、アトレティコとセビージャに彼らの金が入ってるんですが、彼らは「選手売って儲ける」ファンドなんで、何とかして、選手の価値を吊り上げて、ビッグクラブに高値で売り抜けようとしている訳です。



そうなったら、どうなるかってーと、プラティニが危惧してる通り、「八百長」がおきます。どういう事かといえば、



リーグでの試合を操作し、自分のトコで保有してる選手に数字稼がせて、ビッグクラブに高値で売り払う



ってのが当たり前のように行われる恐れがある。アジアのフィクサーは試合結果操作して賭博市場で儲けてますが、悪徳代理人とかグレーな金融ファンドは、試合を操作して自分の選手に数字稼がせた上で、ビッグクラブに売り払って儲けるってのが成り立ってしまうんです。



そんな訳なんで、僕はプラティニが「第三者による選手保有の禁止」を進めいてるのは基本的に賛成なんす。タチの悪い人身売買と変わらない上に、八百長の温床になるシステムなんでね。





とまあ、ざっと三つ紹介しましたが、僕の知る限り、サッカーにおいて八百長の種類ってのは、八百長仕組む連中によって、三つに分類できますよ、という話なのでした。



本日は、こんだけにしときます。暗い話続けてもアレなんで、ではでは。