香川真司と今季のドルトムントのお話
さて、久しぶりの更新です。
スポーツナビ | サッカー|日本代表|ザッケローニ監督「この2試合で予選突破を決めたい」(1/2)
とうとう、次の日本代表のW杯予選のメンバーも発表されましたし、今日は、香川と、香川所属のドルトムント、それから日本代表の話を絡めて、一つ、記事でも書いてみようかという気になりました。
内容的には、日本代表が今後、おそらくやられるであろう日本代表対策の話ですね。
と、その前に香川真司のプレースタイルのお話。
で、なんですけど、その前に、枕として香川の話をしてみようかと。時々、「香川の使い方ってどういうのがいいの?」って聞かれる事があります。これに関しては、彼がどういう風に今のスタイルにいきついたのかって話になるんですが。
香川ってプレーヤーが頭角を表すきっかけになったのが、彼が18才の時です。すでにその時、セレッソでプロ契約を済ませていたんですが、その頃は目立ったプレーヤーじゃありませんでしたし、注目してる人もほとんどいませんでした。しかも、この頃はボランチでした。
香川の転機になったのは、その頃、セレッソで監督交代が起こった事です。現在もセレッソで監督を務めているレヴィー・クルピが監督としてやってきたんですね。
クルピがセレッソの監督になった時、まず最初にいじったのが、香川をボランチからトップ下へのコンバートした事。そして、もう一つ。J2にいた当時のセレッソで、ポゼッションサッカーを始めたって事です。最初、セレッソがポゼッションサッカーをはじめた時は気でも狂ったのかと思いました。下手なポゼッションなんてのは、J2のカウンターサッカーの餌食にしかならんからです。
しかし、香川のトップ下へのコンバートと、セレッソがポゼッションサッカーをはじめた事は、香川のキャリアにとって転機になりました。現在のセレッソのサッカーに至る道筋がここに始まります。
レヴィー・クルピのセレッソにおけるチーム作りの基本は、「右利きのトップ下とレフティーのゲームメーカー」になります。これが当時から現在まで、徹底した基本であり、セレッソのサッカーの根本です。左サイドのレフティのゲームメーカーから、右利きのアタッカーに繋げて崩す。セレッソは4321、433、4222、3421、4231とフォーメーションを何度も変化させますが、この関係性だけは崩していません。(怪我人やサスペンションで出来なくなった事は時々ありますが)
この関係性は、2007年から、選手は入れ替わりがあっても、基本的に変わっていません。2007年の時は左サイドの香川とゼ・カルロス。2008年は左サイドの香川とジェルマーノ、左サイドの香川と尾亦弘友希、2009年からは左サイドの香川とマルチネスでJ2から昇格し、2010年に香川が移籍してからは左サイドの乾とマルチネス、2011年に乾が移籍してからは、左サイドの倉田とマルチネスorボギョンor扇原となっています。
セレッソのサッカーは、SBか左ボランチにレフティーのゲームメーカーを使い、そこから右利きのトップ下に縦パス、もしくは斜めにパスを入れて行きます。ここが、セレッソのポゼッションの出発点であり、セレッソのサッカーの心臓部でした。
左サイドにレフティーのパサーを使うのは、レフティは、左サイドでは縦パス、あるいは斜めのパスを入れやすいからです。DFから遠い方の足でボールを持てるってのと、パスの軌道がその理由です。そして、そこから、右利きのトップ下にパスを入れます。レフティのパスは、右利きの選手にとっては、非常に受けやすく、前を向きやすい軌道を取ります。
この関係性は、香川の今のプレースタイルを作った部分でして、彼は、左サイドの底からレフティーのパスが出てくるときは、鬼のように良いプレーをします。というか、J2だと、セレッソの左サイドから良いパスが出てくる時は、香川を抑えるのはほとんど不可能でした。44でがっつりブロック作ってても、余裕で崩されます。僕はベルマーレサポなんですが、こいつに何度やられたことかって話です。
たしか、2008年あたりに、ベルマーレがセレッソ相手に先制して、守りを固めてカウンターって狙いをした事があるんですが、引いて守ろうとしたら、セレッソのボランチにプレスがかかりにくくなり、結果として、セレッソの左サイドからのビルドアップを止める事ができなくなって香川にボコボコにされた覚えがあります。
まぁ、衝撃的な試合でして、それ以来、セレッソ研究をはじめたんですが。
色々と学ぶ所の多いサッカーでして、結論としては、クルピのセレッソ相手には引いて守ったら駄目で、とにかくセレッソの左サイドのビルドアップを潰さないと駄目だって事がわかりました。あそこで潰さないと、その先の香川と乾を捕まえるのは無理ゲーでした。動きがカオスだし、ポジショニングも的確。狭いスペースで受けるのが本当に上手い!!J2ではチートクラスの個人技もある上に、コンビネーションプレーはまさにゴールデンコンビ。ビルドアップの時点で潰さないとボコボコにされるって事です。左サイドのパサーをまず潰さないと話にならない。
香川って選手は、そういうチームで育った為、特にレフティーのパサーとの相性が抜群でして、左サイドから良いパスが出てくる時の香川は、本当に超絶的に止めるのが難しい。そこでボールを奪ってカウンターとかいう狙いは絶対やっちゃ駄目で、カウンターが成功する前に香川にやられる可能性のほうがずっと高いんです。
これは日本代表も同じで、左サイドに流れてくる遠藤を潰さないと、絶対に香川にやられます。あそこから良いパスが出てくるチームなら、香川は絶対に違いを創り出します。そのくらいレベルが違う選手です。
なんで、香川を使う時は、左サイドから良いパスが出てくるチームであることが条件になるんです。左サイドから良いパスが出てくるチームなら、後は香川がなんとかしてくれます。
勿論、逆の関係もあります。例えば、「右利きのゲームメーカーとレフティーのトップ下」のコンボです。多分、一番、今、誰でも思い浮かぶのがシャビとメッシの関係でしょうね。この場合、右サイドからのビルドアップを主体とすることになります。バルサのストロングポイントは右サイドですが、あれは、メッシとシャビの得意なサイドが右だからです。
これ、逆だと、あんまり上手く行きません。アルゼンチンのメッシはいっつも苦しんでますが、右サイドの底から、あんまし良いパスがでてこないンですよね、今のアルヘン。あれだと、メッシが下がってこざるを得ず、PA近くでプレイできない。
これは香川にも言えて、左サイドの底から良いパスがでてこないと、香川は相当苦しみます。そういう時は香川は下がって来るか、逆サイドに流れたりしますが、相手にとっては、香川が下がってくれると逆に楽だったりです。
クルピとセレッソが、やったらとレフティーのパサーと小柄な右利きのシャドータイプを集めてるのは、あそこのサッカーの心臓がまさにこの部分にかかってるからです。あそこのポゼッションサッカーは、レフティーのパサーと右利きのシャドーを基本として左サイドからビルドアップをするサッカーなんで、そういうプレーヤーを出来るだけ多くもってないといけないんです。じゃないと、怪我人が出たとき、セレッソはポゼッションサッカーが出来なくなる。
でもって、この間のケルン戦でドルトムントが大勝した理由
で、なんですが、こないだ、ドルトムントがケルン戦で大勝しました。いわゆる夢スコだったんですが。
動画を張っときますが、こんな試合でした。
以前の記事で、ちょっと話をしましたが、今季のドルトムントの課題は、まず、サヒンの穴を埋める事です。左サイドから、どうやってビルドアップするのか?って話です。これが上手くいかなくて、香川とゲッツェが苦しんでました。ちなみにゲッツェって事は、現在、19才で、「ドイツ史上最高のタレント」なんて言われてる子です。マガトは「100年に一人の逸材」とか言ってたみたいですが。
ゲッツェと香川は、プレースタイルがほとんど一緒です。利き足も右で一緒。ああいう選手にとって、左サイドからのサヒンのパスは、最高のプレゼントといっても良い位です。双方、体が小さいので、フィジカルコンタクトでは負けてしまう。だから、ファーストタッチでのボールの置き所や、ワンタッチで前を向く技術で勝負をする選手です。そして、そういうプレーヤーにとって、サヒンのパスほどやりやすいモンはないんです。スムーズに前を向けるパスを呉れますからね。
で、なんですが、サヒンがいなくなってから、ビルドアップで苦労してたドルトムントでしたが、ケルン戦から、ちょっと変化をつけてきました。まず、ドルトムントでサヒンの後釜としてボランチやってたギュンドアンがベンチになり、その代わりにセバスティアン・ケールがボランチに入ってます。ケールはレフティの選手で、これで、ドルトムントの左サイドには、シュメルツァーとケールという二人のレフティが揃う事になりました。
そしてもう一つが、CBのフンメルスの使い方ですね。このフンメルスってのも凄いプレーヤーでして、190を超える身長に、異常に強い対人、その上で、フィードの精度も抜群で、イケメンという存在自体がチートみたいな選手です。クロップは、ケール、シュメルツァー、フンメルスを使って、左サイドからのビルドアップする形に変更したわけです。
ケルン戦で問題になったのはここでした。つまり、左サイドから、ケールとフンメルスの縦パスが入るようになったんです。特に、ポゼッション時に、フンメルスがボールを持つと、フンメルスは左サイドの底にドリブルであがってきて、縦パスいれたり、サイドチェンジを入れることで、ドルトムントの攻撃が一気に活性化させてました。まさか、ああやることで、左サイドのビルドアップを復活させるとは思いませんでしたよ、あたしゃ。まるでベッケンバウアーの再来じゃねぇか。
ちとキャプでやりますが、
これは先制点のシーンです。香川のゴールの前の奴ですが、あそこまでフンメルスがあがってくる。どうも、ケルンは、フンメルスがドリブルでボールを持って上がって来た時に誰がプレスに行くのか、決まってなかったようで、この形で何度もフンメルスに縦パスやサイドチェンジを入れられてしまい、ズッタズッタにされてました。事実上、フンメルスがドルのゲームメーカーのチームになってました。ゲームメーカーとして取ってきたギュンドアンを切った理由がこれかよって感じです。このシーンでは、この後、妙に高いケルンのDFラインの裏にフンメルスが縦パスいれて、それを抜け出したグロスクロイツが受けて香川にクロス。そして香川が久しぶりのゴール。
そして、これは二点目のシーンです。やっぱり、あそこでボールをもったフンメルスにプレスがかかってない。これで、右サイドにいた香川にロングフィード飛ばされて、そこからゲッツェに繋がれ、最後はシュメルツァーのミドルで二点目でした。
こいつは5点目のシーンですが、やっぱり、あそこでフンメルスがフリーになってる。もうどうしようもない。あんだけやられてもフンメルスにプレスにいかないと、ケルンの監督は何考えてるんだろうって話で。槇野はえらいチームにはいっちゃったね。
この試合のフンメルスの使い方は、ちょっとびっくりさせられました。元々、サヒンがいなくなった後、縦パス通せる選手はフンメルスくらいになっちゃってたんですが、ポゼッション時に、あそこまでフンメルスを高い位置に持ってきてビルドアップさせるなんて・・・と。
クロップって監督は、ホント思い切った事やる人だなあと。つくづく思いました。ただ、これ、対策は簡単なんですよね。
で、実際に、次の岡崎がいるシュツットガルトは、この部分にきっちり対策してきてました。
ドルトムント対シュツットガルト。シュツットガルトのドルトムント対策
で、本日のメインディッシュになるのがコレです。この間のシュツットガルト戦。岡崎対香川の試合ですね。
フォーメーションは、こんな感じです。ドルトムントはいつも通りの4231。岡崎のシュツットガルドは442です。
で、次にマッチアップですが、こんな感じになってました。注目すべきポイントは、シュツットガルドのCFであるカカウが、フンメルスに張りついてた事です。これは、明らかにフンメルスを試合から消すために行われたマッチアップで、フンメルスは前半、ほとんどビルドアップに絡めませんでした。
試合は、開始早々、ドルトムントペースになりました。最初、シュメルツァーのマッチアップがどうにも曖昧で、そこをいきなり香川に利用されてました。以下、キャプでやりますが、
こんな感じで決定機作られてました。
ドルトムントってチームと試合をする際、あそこから簡単にビルドアップさせてしまうのは絶対NGなんです。あそこからボールが出てくると、香川が左サイド寄りにポジショニングして、ゲッツェが中に絞ってきます。で、香川かゲッツェに縦パスが入ってしまうと、もう最悪。中央で、香川とゲッツェのコンビネーションが始まってしまうと、まず止められません。
ただ、シュツットガルドは、すぐに対策を打ってきました。どんな感じかというと、こんな感じです。
まず、CFのカカウをフンメルスに貼り付けて、次にボランチ一人をケールにぴったりと貼り付ける。そして、シュメルツァーには右SHのハルニクを貼り付けました。
こんな感じで、ドルトムントの左サイドのパスの出し手をぴったりと潰しに来たわけです。この形で、ドルトムントの左サイドを完全に潰し、攻撃を右サイドに誘導していました。
ドルトムントの右ボランチのベンダーと右CBのスボティッチは繋げるタイプじゃありません。ですから、そちらに攻撃を誘導し、そこでボールを奪ってカウンターという形にもって行こうとした訳です。
ゲームプランとしては間違いがありません。僕も同じ事考えてました。フンメルスとケールに左サイドからパスを入れさせなければ香川は大した脅威じゃなくなるし、右サイドには繋げる選手がほとんど皆無ですからねドルトムント。また、フンメルスのサイドチェンジがなければ、ゲッツェに良い形でボールが渡る事もないので、ゲッツェも封じ込められます。時々、SBやCBが縦パスをゲッツェにいれようとしてましたが、それは簡単にシュツットガルドの岡崎とSBがゲッツェを挟み込んで対応してました。
ドルトムントは、前半、この形に非常に苦しみました。ドルトムントとしては、左サイドのフンメルスかケール、シュメルツァーからビルドアップを開始したい。しかし、そちらのサイドは完全に蓋をされている。となると、空いてる右から始めるしかないが、右のベンダーとスボティッチは繋げないときてる。
結局、ここがドルトムントがシュツットガルドにペースを握られてしまう原因になりました。ドルトムントの攻撃を右サイドに限定し、そこでボールを奪ってカウンターって展開です。岡崎も非常に良くやってました。というわけで、前半30分過ぎあたりまでは、シュツットガルドペースでした。
ドルトムントによる右サイドのプレス潰し
なんですが、ここからは、今回、ドルトムントが前半で同点に追いついた理由です。香川とドルトムントは、シュツットガルドのゲームプランに相当苦しみました。左サイドのパスの出し手にぴったりと人はりつけられ、右サイドに攻撃を限定されて、そこでボールを奪われてカウンター食らう悪循環。
前半の主戦場は、右サイドでした。ここで、シュツットガルドのプレスを回避できればドルトムントが有利になる。逆に、シュツットガルドは、右サイドでボールを取れば、そこからカウンターに行ける。
正直、ケルン戦の後、「フンメルスにCFが張りついたら、どうするんだろ?」とか思ってたんですが、ドルトムントのクロップは、それ自体は、計算してたんでしょう。つーか、誰だって、相手がそれをやってくるのは読めるわけだし。
今回のゲームでは、相手の右サイドのプレスの回避策がきちんと用意されてました。こんな感じです。
おお、セレッソだなあと思ったシーンです。セレッソのよくやる数的優位作戦。左サイドのパスの出し手にぴったりと人を貼り付けられたら、香川を右サイドに下ろして数的優位を作り、プレスを回避する大作戦を敢行。もっとも、このシーンだと、上手くいかなかったんですが、このシーン、ゲッツェがフリーになってしまってるのがわかると思います。あそこで、ゲッツェに縦パス入ってたら、一気に突破にいけたんですけどね。
ドルトムントは、こんな感じでポジションチェンジを行い、相手のプレスを回避する作戦にでたわけです。
で、次が、見事に右サイドのプレスの回避に成功したシーンです。
流れ的には、こんな感じでした。ちょっと、途中のキャプで文字が抜けてますが、面倒なのでこのままで。流れ的には、ドルトムントは、香川を右サイドの底に下ろして、右サイドに5人集めてました。対するシュツットガルドは4人なので、一人はフリーになれます。このフリーになった一人を起点にしてプレスを回避し、パスを繋ぎ、サイドチェンジか突破ってのがドルの狙いです。
このシーンでは、まず、ベンダーが最終ラインに降りてきてボールを受けてます。これで、シュツットガルドのセカンドトップのプレスが無効化されました。スボティッチとベンダーの二人に同時にプレスに行けませんからね。
ここで、岡崎がベンダーにいくと、ピシチェックが空いてしまうので、それはNG。なんで、スボティッチは、一回、香川にボールを当てます。で、ここで、岡崎とボランチの一人が香川を囲みに行くんですが、香川はワンタッチでスボティッチに戻す。で、スボティッチは、岡崎が香川に当たりにいったのをみて、フリーになってたピシチェックにパス。
そのピシチェックには、岡崎とボランチ一人がすぐに寄せに行くんですけど、ピシチェックは下がりながら香川にパスを入れる。で、ここで注目して欲しいのは、香川にボランチが一人寄せてきて、ゲッツェにも一人ボランチがついてるって事です。
ボランチ一人がケールのマークを捨てて、右サイドにいってしまたので、シュツットガルドの右SHのハルニクが自分のマークであるシュメルツァーを捨てて、ケールのマークに入ってます。これが命取りになりました。
というのも、このせいで、左SBのシュメルツァーがサイドでフリーになってるので、香川はそこにサイドチェンジ。見事に右サイドのプレスを抜け出されてしまった上に、絶対にフリーでもたれたくない左サイドでフリーの選手が生まれてしまった訳です。こうなりゃ、後はドルトムントのターン。
シュメルツァーには猛烈なスピードでハルニクが寄せてくるんですが、シュメは、慌てずにそこでフリーになったケールにパス。これで、超良い位置で、ケールが前むいてボールもてました。何にも書いてないキャプですが、注目して欲しいのは、中央に走り込んで来てる香川とゲッツェ。左サイドで良い形でボランチがボールを持てれば、彼らは止まりません。
結局、ここでは、ケールが一人ボランチを引きつけ、走り込んだ香川にボランチがついていった事から、ぱっくりと中央が空いちゃいました。ここにペリシッチとゲッツェが入り込んでボールを受けた時点で、ほぼ詰み・・・だったんですが。
どうみてもPKです。本当にありがとうございました。でも、審判は何もせず。この日、ちょっと審判がホーム寄りすぎて引きましたよ、あたしゃー。
ただ、シュツットガルドは、これだけやられても、すぐに対策できませんでした。右サイドのプレス網を突破されはじめた時点で、手をうっとけば、この後、ドルに同点にされる事はなかったと思うんですけどね。で、ドルの同点シーンです。
結局、数的優位アタッコにやられちまった訳です。ここでいいプレーしたのが右SBのピシチェックで、右サイドで、相手がプレスにこないとみるや、中央にドリブルを始めます。これをやられたせいで、ボランチの一人が出ていかざるを得なくなり、香川のマークを捨てるハメになりました。で、香川のマークを剥がしてから、ピシチェックは香川にパス。香川はパスを貰うと、逆サイドに張ってたゲッツェにパス。で、ゲッツェに当たりにSBが出てくるのはわかりきってる事なんで、香川は一気に、SBとCBの間に出来るであろうスペースに走り込んで、ゲッツェからパスを貰い、ここでシュート。DFに当たっちゃいましたが、こぼれた所をピシチェックが押し込んで同点となりましたとさ。
で、なんですけど、最後に日本代表の話になりますが
さて、ですけど、最後に日本代表の話なんですけどね。
基本、ドルトムントやセレッソと同じように、日本代表も、左サイドからのビルドアップを基本としてます。ゲームメーカーである遠藤が左に流れる形なんで、狙いは同じなんです。
ただ、これは、もう対策されはじめてるんです。北朝鮮は、テセを遠藤にはりつけてましたが、ああいう形で、遠藤にCFを貼り付けられると、日本代表は苦しくなりますし、実際、北朝鮮に、それで苦しめられました。
ドルトムントに対してシュツットガルドがやったようなやり方は、日本代表にも有効です。遠藤にCF貼り付けて日本代表の攻撃を右サイドに限定すれば、ボールの取り所は、簡単に定まります。つまり、ウッチーの悪癖である「マークついてる岡崎に縦パス入れる」って所でボールを奪ってカウンターって形です。実際に、それで何度かやられそうになってます。セレッソも、しばしばコレに苦しめられてます。
タジキスタンが、そういう戦術をとってくるとは思いませんけど(あそこは守備が滅茶苦茶なんで)、北朝鮮は、やってくると思うんで、きちんと対応して欲しいな、と。