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2013東アジアカップ、日本対中国のレビュー

さて、皆さん、こんにちは。本日は、先日行われた東アジアカップ、日本対中国の感想でも書いていこうかと思います。試合自体は、すでにyoutubeにロングハイライトが転がっているので、そっちを検索してみてください。



えっと、今回の試合なんですが、そもそも準備期間が二日とかしかなかったので、あんまし詳しいレビューをしてもしょうがないし、ちょっと切り口を変えて、ザックジャパンの戦術と、セレッソや広島なんかとの違いなんかを絡めてお話しようかと思います。



ちなみに、この試合のスタメンとマッチアップですが、中国が442,日本が4231で



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こんな感じです。マッチアップ的には普通の442対4231の対戦で、特にミスマッチとか気にせずに戦える布陣同士です。ワントップはセレッソの柿谷、トップ下に広島の高萩、WGは左が浦和の原口、右が柏の工藤となってます。工藤は柏では10点とっててFWとしての色が強い選手でして、基本的に左で作って右で得点っていう日本代表の基本カラーはここでも継承されてます。まあ、この試合は、新戦力の発掘なので、そういうやり方にどこまでフィットできるかってのがこの試合、試された訳ですけども。




レビューの前に日本代表の4231について


まあ、この話、うちのブログじゃ、しつこい位してしてきたんですけど、やっぱり今回のエントリでも確認的な意味でやっておきます。日本代表の4231なんですが、こいつは基本的にサイドからの展開をメインにした4231でして、Jリーグだとセレッソなんかの4231みたいな奴は全く別モノです。


えっと、システムの話になると、「どのシステムが攻撃的でどのシステムが守備的なの?」とかいう質問もらう事があるんですけど、これはアンチェロッティがずばっと言ってるんですが、どんなシステムだろうが攻撃的なサッカーは可能です。例えば4141ですけど、これは攻撃的にもなれば守備的にもなれます。前回のW杯の時、岡ちゃんは守備的な4141を使いましたが、ドイツやスペインが超攻撃的な4141を使う事もあります。同じ事は4231にも言えます。


この辺りの話は、アンチェロッティが「アンチェロッティの戦術ノート」で、非常にわかりやすくまとめてくれているので、そいつを引用しますけど、


チームが採用するシステムに関していえば、「攻撃的」なサッカーに適したシステム、適さないシステムというのは存在しない。攻撃的なサッカーをするためには、ピッチの幅と奥行きを有効に使ってプレーを展開することが重要だが、どのシステムにおいてもそれは可能だからだ。違うのはそれを実現するためのアプローチだけである。具体的にいえば、それぞれの選手がシステムの中で担うタスクの問題だ。



例えばチェルシーやミランのように、中盤が3ボランチ、前線が1トップ+2トップ下(あるいは2トップ+1トップ下)で構成されるシステムの場合は、人数的な厚みのある中央からの攻撃が主体になるが、攻撃に幅と奥行きをもたらす上で両SBの攻撃参加が重要な役割を持つ。中盤がフラットな442の場合はサイドからの展開が攻撃の主体になるため、両アウトサイドハーフ(以下サイドハーフ)に加えてSBも攻め上がり局地的な数的有利を作り出すことが大きな鍵となる。さらに、中央からの攻撃においては二人のボランチのうち一人が前線に走り込む事で、攻撃に厚みを作り出すことができる。



いずれのケースでも、重要なのは後方の選手がボールのラインより前に進出することだ。したがって、チーム全体が「攻撃的」に振る舞うためには、中盤から後ろの選手に攻撃参加のタスクを課すことが不可欠だということになる。



ただし、ボールのラインより前に多くの選手を送り込んでも、それらの選手が効果的にプレーの展開に絡まなければ、攻撃は機能しない。そこで重要になるのは、複数の選手の動きをタイミング的に一致させ、スムーズかつ効果的にボールを動かして攻撃をフィニッシュまで運ぶ、組織的なシンクロニズムである。個々の選手の能力が高くとも、組織的なシンクロニズムが機能していなければ「攻撃的」なサッカーは実現できない。個人能力の高さはあくまでもその「前提」であり、高いクォリティを備えた選手が組織的な動きの中でシンクロニズムとダイナミズムを発揮して初めて「攻撃的」なサッカーが可能になるということだ。


とまあ、こんな所になります。




で、なんですけど、サッカーにおいては、フォーメーションは沢山ありますけど、基本的に3421、4312,4321、442ボックスみたいな中央に人数かけて中央からの展開を主体とするタイプと、442フラット、343フラット、4231なんかのサイドからの展開を主体とするフォメの二つに分類されます。



前回のエントリで、「セレッソと代表だと同じ4231でもシステムが違う云々」って話をしましたが、セレッソは攻撃の時、3421になるので中央からの展開を主体としてます。ちと、トス戦のキャプを使いますが、


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これ、鳥栖戦の1シーンですけど、WGのポジションが最初から中なんです。サイドに張り出しているのはSBのみでして、中央に厚みをかけてます。人数的に厚い中央からサイドに張ってるSBへセレッソが展開したシーンですけど、鳥栖は4バックが中央に絞って対応してるので、サイドのスペースにSB走らせたってシーンです。



セレッソの場合、前線中央が1トップ+2シャドーなんで人数的な密度が高く、中央でのコンビネーションがやりやすいってのがあります。これは2トップ+トップ下でも同じ事が言えます。これについて、また「アンチェロッティの戦術ノート」からの引用になりますけど、


カカがその長所であるスピードを活かすためには、前を向いてプレーすること、そして目の前に十分なスペースがある事が必要だ。したがって、ファンタジスタの中でも、前線に近いゾーンを起点に動くよりも、中盤に近い下がり目の位置を起点にしてプレーすることで活きるタイプのプレーヤーだ。彼はミラン時代、1トップより2トップのシステムの方がプレーしやすい、2トップだと前方にボールを預ける場所が複数あるのに対して、1トップでは一人しかおらず、しかもマークされている事が多いので、単独での突破を選ばざるを得ない局面が多くなる、といった事がある。そしてそれは正しい。カカのスピードを活かすためには、ドリブルで持ち上がった後前線に預け、そこからのコンビネーションで一気にフィニッシュに繋げるというのが、最も効果的で危険な展開だ。レアルマドリーに移籍してからはサイドに置かれる事が多く、本来のスピードを発揮する機会があまり得られなくなってしまったのが残念だ。

これはカカの話なんですけど、基本的に4231みたいな1トップ+1トップ下の場合、前線中央の人口密度が薄い為、PA内での単独での局面打開能力が求められるってのがあります。一方、2トップ+1トップ下、1トップ+2シャドーの場合、エリア内に複数のパートナーがいるため、コンビネーションがやりやすいという利点があります。カカクラスの選手でも、単独での突破ってのは難しいモンなんです。


「カカのスピードを活かすためには、ドリブルで持ち上がった後前線に預け、そこからのコンビネーションで一気にフィニッシュに繋げるというのが、最も効果的で危険な展開だ。」って話をアンチェロッティが言ってますが、こいつはセレッソみたいにコンビネーションによる突破とドリブル突破をメインにしたサッカーやってるチームが一番やりたい事でして、クルピって、基本的に3421だとか442ボックスだとかの中央の人数が厚めのフォメを好みます。



一方で、なんですけど、442フラットや343フラット、4231なんかは中央の人口密度が薄い一方で、最初からサイドに二人の選手がいるため、サイドでコンビネーションしたり、サイドで局地的な数的有利と作りやすいという利点があります。ザッケローニって監督は、どちらかというと、こっちを好む監督でして、日本代表の4231もこっち系統に分類されるサッカーやってます。





ザッケローニの「私の日本」ってコラムのNo27に、ちょっとした記述があるんで、それを引用しますが、


システムについて今回は3バックはやる気はありません。私に関する情報で間違っていることの一つに「ザックはイタリア時代から3バックに固執してきた」ということがあります。イタリア時代、私が3バックを採用したのはウディネーゼ、ACミランの指揮を採ったときだけでした。インテル・ミラノの監督だったときは最初の7試合を3バックで戦い、6勝しましたが、このシステムに欠かせない選手が負傷でいなくなってからは4―4―2で戦い続けたものです。3バックがオプションとして私の頭にあるのは確かですが、日本でも来年のワールドカップまでに完成度を高めることができれば使うこともあるでしょうし、使うにはリスクが大きすぎると見極めればしまったままになるかもしれません。私が日本の3―4―3に可能性を感じているのは長友、内田、酒井宏、酒井高らサイドのユーティリティープレーヤーがたくさんいるからです。彼らのスタートポジションをサイドバックより20メートル高い位置に置けたら、それだけアグレッシブなサッカーができる。そう思うからです。しかし、いくら頭でそう思い描いても、現実がそれに追いつかないのであれば、導入は難しい。システムは常に一長一短があり、「これをやっていれば勝てる」という不変、普遍のシステムなどありません。あれば、どの監督もそれを採用していることでしょう。システムとはあくまでも選手の能力を最大限に引き出すためのものであり、システムに固執して選手を従属させてはならないとも思っています。そういうことを踏まえた上で私なりに試行錯誤しているつもりです。



no.27 「東アジアカップ」

黒字強調は僕ですが、ザックは基本的に、長友、内田、ダブル酒井みたいなサイドのユーティリティプレーヤーが日本にはいるって所に魅力を感じているようで、そっちに可能性感じるなら、まあ、サイドアタック主体になるかな、という感じです。こいつは監督がどこに目をつけるかによるので、それは何も問題ないのです。



で、日本代表のサイドアタックなんですけど、これはどういう形を取るかってーと、これ、以前も使った奴ですけど、ラトビア戦での奴で説明すると、













こういう形になります。



も一つ、コンフェデ杯のメキシコ戦でのキャプ使ってやっときますが、



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こういう形です。



この形については、以前も説明しましたけど、もう1度。こいつはゼーマンの433に代表される3トップのチームがよく使うやり方でして、引いてくるWGが肝になります。



典型的な日本代表の攻撃パターンは、ボランチがフリーで前を向いたタイミングで、CFが裏のスペースに飛び出す動きを見せて相手の最終ラインを押し下げ、同時にWGが外から内に切れ込む動きで敵2ライン間に入ってボランチからのパスを受けます。



それに合わせてSBがWGの空けたサイドのスペースにオフザボールで走り込みます。この時点で相手チームのSBはWGを追うかSBにつくかの二者択一を迫られ、難しい選択を強いられます。


もし、ここで相手SBがWGについてくるなら、WGはフリックでSBにボールを流せばよし(キャプでの香川と長友のプレー)。もし、SBがついてこないなら、WGは状況に応じて、ドリブル突破、パス、コンビネーション、サイドチェンジしてのクロスといった中からベストのソリューションを選ぶって形に持っていきます。



こいつが日本代表のサイドアタックの基本形でして、WGのスタート位置は基本的にライン際になります。最初はライン際にいて、ボランチがボールもって前を向いたら、中に切れ込む動きを見せて相手のSBを引きつけ、サイドにスペースを作るか、SBとCBの間でボールを受けて前を向き、そこからフィニッシュに持ち込むかって動きがWGには求められています。




一方で、センターアタックのほうなんですが、これはCFのポストプレーとWGが斜めにゴール前に走り込むって動きを基本としてまして、これもラトビア戦の時の奴使いますが、








こーいうプレーになります。


基本的なプレーの流れとしては、ボランチがボールもってフリーで前を向いたタイミングで、CFが裏のスペースに飛び出す動きを見せて相手の最終ラインを押し下げ、その後、鋭くターンして2ライン間に入り、ボランチから楔のボールを受けます。同時にWGがダイアゴナルな動きで裏に飛び出し、CFはトップ下にボール落として、トップ下がラストパスをWGに出すってのが基本となります。これはよくあるポストプレーからの展開です。




で、こんな事を長々と書くのは、基本的に日本代表においては、WGってのはサイドからのスタートだってのを強調したかったからです。だから、中央は基本的に1トップとトップ下一人のみとなります。そのため、中央の選手にはどうしても単独での局面打開能力が求められる場面が増えるってのがあります。



また、香川の話になって申し訳ないですが、香川って、外から内、とくに2ライン間に入ってきて遠藤や今ちゃんの縦パス引き出すってのはホント上手いんです。この部分だけ取れば、日本人だと最高の選手です。ただ問題もあって、WGとしては、外から斜めにはいっていって本田のラストパスから得点ってのが日本代表だと極端に少ないんですわ。これはロッシも問題視してましたが。



ちと、僕のお気に入りの若手WGであるエルシャラの去年のゴールシーンの動画張っときますけど




Stephan El Shaarawy Every Goal This Season 2012 ...



この動画見て貰えば、彼がWGプレーヤーだってのがすぐわかると思います。サイドで縦に抜いてゴール、カットインしてゴール、斜めにゴール前に入っていってゴールとか、まあ、WGらしいゴールが実に多い。ザックも香川にこーいうゴール求めているんだと思うんですけど、香川のゴール集とか見て貰えばわかると思うんですけど、プレースタイルがエルシャラとは違うんですわ。エルシャラが外から中に入ってくるストライカーだとすると、香川は基本的に中でスタートのセカンドトップとかシャドータイプなんす。


これも本題からはそれますけど、本田がミランいくなら、僕はミランには4312より4231やって欲しいんですよ。だって、4312だとエルシャラがセカンドトップになるんだけど、セカンドトップは中央からスタートするので、エルシャラみたいに外から中に入ってきて良いプレーする選手にはあんまし向いてないんです。



とまあ、エルシャラの話はこの辺りにしといて、日本代表の話に戻りますが、日本代表のサイドのメインアタッカーであるWGは外をスタートポジションとして、そこから状況に応じてオフザボールで2ライン間か斜めに裏に入ってパスを引き出すってのが基本になります。勿論、サイドチェンジを受けてからの一対一の突破、カットインも重要です。これらの能力をバランスよくもっている選手が日本代表のWGには求められています。ただし、これ、現在の日本には、完璧なWGってのは存在せず、香川にしろ岡崎にしろ、それぞれ長短があるのが現状です。



一方で、日本代表の中央の話になりますがワントップと1トップ下であり、前線中央での人口密度が低いシステムなんで、前線の基準点が少なる、それ故にCFやトップ下が単独での局面打開を選ばざるを得ない場面が多いってデメリットを持ってます。ここが非常に難しい所でして、このデメリットを解消するためにはトップ下やボランチの走り込みが重要になってきます。無論、単独での局面打開能力の高いワントップとトップ下を両方もってるチームであれば、そういう悩みはないわけですが、そんなスーパーなトップ下とワントップもってるチームなんて、そうそうありません。代表チームでも、ビッグクラブでもね。日本代表の場合、そーいう選手はぶっちゃけいません。てか、そんなチームって、ファンペルシーと好調時のルーニー並べて連勝してた時の去年のマンUとかでしょみたいな話です。あの頃のマンUって相手チームにとって理不尽なゴールを積み重ねてましたけどファンペルシの理不尽っぷりが凄くて、TVの前で「ありえねーマジありえねー」の連続でしたよ。



Robin van Persie - All 30 goals for Manchester ...


動画貼っときますけど、理不尽なゴールが多すぎる。なんでそのクロスがゴールになるんだ?とか、なんでそこであっさり反転してシュート決めれるんだよとか、なんだよそのミドルとか。


ぶっちゃけ、この部分に関しては、解消しようがないと思ってます。4231やってるチームは、大概、この問題をどうするかで悩みます。単独で局面打開可能なCFを持ってるチームはホントに運がいいです。そういうCFがチームにいたら、神に感謝すべきです。世界でも、そんな選手、そうそういません。ファンペルシ級のCFなんて世界に数人しかいませんから。



で、今回の中国戦の話になるんですけど


さて、すげー前振り長くなりましたけど、本題の中国戦なんですが、これ、書くことがあんまねぇな・・・と。


えっと、ですね。基本的に、柿谷のワントップで、左が原口、トップ下高萩、右が工藤、左ボラ青山、右ボラ山口、最終ラインが槇野、森重、栗原、駒野って並びですから、ザックの考えてることは大体わかるわけです。


これだと、基本組み立ては左からで、いつものA代表と一緒です。組み立てに秀でたボランチの青山とCBのモリゲを左において、そこから組み立てようって布陣です。で、香川役が原口、長友役が槇野って形になります。工藤は右から中央に入ってきてズドンってストライカー役。山口蛍はリーグ戦で6点とってますんで、守備だけでなく攻め上がりで中央へ走り込むボランチ役となります。



問題となるのは栗原がビルドアップできないってのと、駒野は攻め上がりってのクロスがストロングポイントなんですけど、前が工藤だって事です。工藤に中に切れ込んでいって、2ライン間でボール受けてパスフリックして攻め上がった駒野にボール渡すとか無理だし。そういう器用な選手じゃないので。柏でそういうのやってるのはレドミですしね。しかも右CBが栗原だから、そもそもパスが出てこないという。



最後に前回のエントリでも、気にしてた所なんですが、一番問題になるのは柿谷の所と高萩の所なんですね。ここが一番ポジション的に難しい。


これ、柿谷の話になるんですけど、彼、ボールコントロールの技術は卓越してるから、ポストプレー自体は問題ないんです。ゲッツェなんかもそうですけど、ポストプレーは上手いんです。ただ日本代表みたいに前線中央の人口密度が低いシステムだと、周囲にボールの預け所が少ないので、フィジカルコンタクトの弱い選手には難しいポジションなんです。セレッソは攻撃時、柿谷のサポートにエジノと南野が中央に入ってきますから、まだいいんですけど。


あと、セレッソの場合、守→攻の切り替えの時も柿谷にボール入った時、恐ろしい勢いで南野とエジノがフォローに入るって形がきちんと出来てて、鳥栖戦とか、最終ラインまで守備で戻ってた18才の南野がカウンターの場面になったら、一気に前に走ってって柿谷のフォローに入ってて感心しました。柿谷の為に走るってのを両WGがきちんとやってるんです。



そんな訳でして、始まる前、柿谷へのフォローがきちんとあるのかなあ、特にカウンターの時・・・・などと心配してたんですけど、この心配は杞憂でして、




工藤がゴール! 日本VS中国 東アジア杯2013 Japan vs China - YouTube


この三点目のゴールの時とか、カウンターの時にきちんと工藤と原口がフォローに来てくれて、すばらしーゴールでした。こういう形が作れれば、柿谷の良さが凄く出るんです。



えっと、湘南対セレッソの試合で、柿谷が2ゴール決めてるんですけど、動画張っときますが



柿谷曜一朗2ゴール 湘南ベルマーレVSセレッソ大阪ハイライト J1第9節 5月3日 ...



こんな感じです。1点目も柿谷が決定的な役割をしてるんですけど、最近の柿谷って周囲のサポート使ってシンプルにプレーして、簡単にゴール決めてます。てか、3点のうち、2点は柿谷+杉本+山口の3人だけでもってかれていて、「勘弁してくれよ・・・」という感じでした。もっとも、一番勘弁して欲しかったのは2点目のゴールだったんですけど、この話は湘南の時にします。



えっと柿谷って素晴らしいドリブルの持ち主なんですけど、シンプルにプレーするようになってゴールを量産するようになってるんで、継続して欲しいな、ってのがあるわけです。ただ、サポートが少ない布陣だと、難しいプレーをせざるをえず、それだと最近の柿谷の良さがでないんじゃないかと、試合前に心配してたんですが、柿谷に関しては、心配いらんかったな、と。難しいプレーってのは、要はDF背負って反転して、ドリブルで突破してシュートみたいな奴です。そーゆーの期待してた人もいるかもしれませんが、難しい事はしないでシンプルにプレーしてくれたほうがねえ・・・それで結果出してるわけだし。ファンペルシじゃないんだしさ。



あと、今回の試合だと、原口の所も結構心配してて、「守備大丈夫なんかなあ・・・」とか思ってたんですが、普通に原口が守備頑張ってて、そっちの心配も杞憂でした。ただ、攻撃面では、ちょっと良さがイマイチ出て無くて、アピールしきれなかったなあと。右の工藤は、かなりアピールできてた感じですが、左の原口がアピール不足に終わったので、次は結果出して欲しいな、と。



えっと、左のビルドアップなんですが、これ青山とモリゲ、それから原口で左サイドでゲームメイクってのが求められてたんですけど、これ、前半9分のシーンのキャプになりますが、



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手抜きで文字入れてませんが、これ、日本代表の基本的なサイドアタックの動きしてる所です。WGの原口が2ライン間に引いてきて、ボールを受け、そこに中国のSBが食いついてきてます。なんで、SBの裏にスペース出来てるんで、そこに槇野があがっていってるんですが、原口のフリックがちょっと失敗しちゃったシーンでした。



これ、このパスをフリックして槇野に渡すか、あそこで前むいて仕掛けるってのが、今の日本代表の左WGに求められる役割なんで、これはしっかり通した欲しかったなあ・・・と。



この試合で問題だった事ですけど、ここの部分が両サイドで上手くいってなかったです。引いてくるWGにパス入れて、そこからWGが違いを作れないと、A代表に入れないってのがあるんで。清武と香川はこれがしっかり出来る選手なので、ここに食い込むとすると、このプレーは確実に通さないといけない。


そういや、俊輔が試合前に、

「誰かがボールを持った時に『ここ来そうだな』っていうのを最近、学はすごく感じている。それに代表では困ってほしいね。そうすると、オレのありがたみが分かるから。そういうことを学んできてほしい。『やっぱ俊さん、良いパスを出すな』って」

 その真意を報道陣が図り兼ねている中で、本人は淡々と言葉を続けた。「そういう組み合わせで消えちゃいけないよっていうこと。みんな自分の色を出したいからやっているけど、2トップの左サイドハーフだったら、中に来ても『ボール来ないな』、サイドにいても『サイドバックが上がって来るし』ってなったり、ボールを持っても『出すところがないな』って潰れちゃったりする。でも、今の学はボールをもらう動きも覚え始めているからね。ここではできるのに、代表でできなければ、オレのありがたみを知ることになるでしょ」。



カモメッシの代表定着に期待する俊輔「本田さんの言う『個』の力は持っている」

こんなコメント残してましたけども。最近、カモメッシ、クラブだと凄く調子良いんです。




2013/07/17 第17節 浦和レッズ vs 横浜 F・マリノス ハイライト - YouTube



ハイライト貼っときますが、ゴールに良い感じで絡めてますよね。特に一点目なんですけど、マリノスの一点目、カモメッシが中央に入ってるんですが、バイタルに浦和のボランチがいないんです。あそこ、なんで阿部ちゃんがいないかってーと、俊輔が下がっていったんで阿部ちゃんがそこにくっついてるんですね。だから、カモメッシが中に入ったとき、そこに誰もいないなんて現象が起きてる。で、マルキにロングボールがはいり、その落としをカモメッシが受けて~って流れでした。


ただ、俊輔が「2トップの左サイドハーフだったら、中に来ても『ボール来ないな』、サイドにいても『サイドバックが上がって来るし』ってなったり、ボールを持っても『出すところがないな』って潰れちゃったりする。」って話してますけど、マリノスの場合、トップ下の俊輔が頻繁に引いてきてパス出してくれて、カモメッシと兵藤が、その空いたスペース使える訳ですけど、代表のシステムだと、トップ下は2ライン間から引いてこないのでね。


左WGに関しては、正直、2ライン間でパス引き出して違い作る能力は、清武と香川並になるのは難しいので、原口と斉藤は他の所で勝負したほうがいいかなってのはあります。



工藤に関しては、岡崎役をしっかりこなしてたんで、そこは問題ないのですが、岡崎からスタメン奪うなら、岡崎が苦手なプレーが出来るようにならんとなあと。これは高萩もそうなんですけど、代表のトップ下の2番手はケンゴで、ケンゴからスタメン奪うとなると、パスだけじゃダメなんですわね。高萩はパスいいとこ通してましたけど、それだけならケンゴで良い訳だし。



とまあ、前の選手に関して、色々述べてきましたが、この試合に関しては問題なのは前の選手じゃなくて、後ろの選手の方でして。



前の選手の心配じゃなく、後ろの選手の心配するべきだったというオチです。これ、コンフェデからずっと続いてるんですけど、後ろの選手のポカで失点し続けてるので、もうね・・・・



あのですね、最近、負けが続いてるので、ザックの手腕を疑問視する声も出てますが、コンフェデの失点の多くはDFのポカだし、今回もそうでした。特にこの試合の三点目ですけど、駒野が一対一で簡単にクロス上げられて、中で槇野と栗原がやらかすとか、これ代表監督の問題じゃないでしょって話です。


マークにしろサイドでの一対一の対応にしろ、守備の基本であって、基本を教えるのは代表監督の仕事じゃない訳です。ユースのレベルの話です。



勿論、駒野は前半からクロス上げられまくってたので、徳永に代えとけ、交代が遅いって批判は妥当だとは思います。ただね、イタリア人の監督呼んできて、守備戦術教えても、そもそも一対一とかマークとかの基本的な事が出来ないんじゃブタに真珠でござるよ。



繰り返しますが、基本を教えるのは代表監督の仕事じゃないんです。それ以前の段階の話です。



守備戦術が崩壊したっていうより、単にDFのやらかし(特にCB)が続いているのが今の日本代表で、勝てる試合落としたイタリア戦なんて、二点目は吉田のクリアミスだし、4点目は今ちゃんの軽率なパスミス。今回の試合もCBの栗原が3点に絡む実質ハットトリック。


CB陣がこんだけミスをしてたら、そりゃ勝てませんがな。


高さと早さで負けるのは百歩譲って仕方ないとしても、CBの単なるミスから失点っての多すぎるので、CB陣にはよく考えて欲しいです。


中国戦で右CBだったモリゲのミスのおかげで湘南は東京戦で勝てたので、それには感謝してるのですが、よくよく考えると代表クラスのCBがああいうポカミス繰り返すってのは深刻な問題なわけです。



今日はこのあたりで。ではでは。