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2015シーズンのガンバ大阪について 「ひたすら理不尽」

さてみなさん、こんにちは。本日は、2015年度におけるガンバ大阪について扱いたいと思います。ガンバ大阪については、去年、J1で2チーム目の3冠を達成しており、現状、J1で一番強いチームと言って良いと思います。




今までエントリにしてこなかったんですが、週末には湘南との試合もありますし、いい加減ガンバの話も書いとくか、と一念発起して書くことに致しました。正直な話、本当にブログで書きにくいタイプのチームです。基本的に理不尽なんですよ、このチーム。



なにがどう理不尽なのかって話を最初にしときますが、簡単に言えば、



「攻撃に人数かけないのにJ1最強クラスの得点力を持っている」




と、コレに尽きますわ。書いてて、イヤーンな気持ちになりますがね、長谷川健太さんのガンバって、攻撃にはそんな人数かけてきません。だからあんまり点取れるサッカーじゃないはずなんです。ところが、去年も今年もJ1で一番得点力のあるクラブなんですわ、ガンバって。



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これは去年のガンバのゴール集です。去年のガンバは、後半から一気に強くなったんで、後半のゴール集みてもらうとわかりやすいんですけど、PA内にそんな人数かけてないのに、サクサク点とっちゃってるんですよ、ガンバって。




先日、FC東京の話をした時に「攻守のバランス」の話をしましたけど、基本的にサッカーというゲームでは、攻撃に人数かけると守備が犠牲になり、守備に人数かけると攻撃が犠牲になります。ところが、ガンバの場合、「攻撃に人数かけないでもJ1で一番点が取れる」というチート臭いステータスを持っておりまして、こんなチームを真面目にブログで解説する必要があるのか、「反則外人サイキョー」と言えば良いだけじゃんかとか思う訳です。宇佐美は日本人だけど、最近のウサミーニョ状態なので。



まあ、そんな訳でして、こっから先読むのが面倒な方は、ガンバは「戦術・反則外人」とだけ思っておいてくれてもそんな間違いじゃないです、ぶっちゃけ、今や欧州のビッグクラブの戦術はどこも「戦術・反則外人」なんすけどね(嗚呼バルサとレアルのFWのチート臭さよ




湘南ベルマーレの話をちょいと挟みますが、湘南ってすっげー前に人数かけた攻撃やります。PA内に5~6人入ってくるのはザラです。ところが、5試合やって5点しか取れてません。一方でガンバ大阪なんですけど、PA内に入ってくるのは3~4人って所です。前に人数かけた攻撃はやりません。ところが、5試合で10点取ってるんですよ。僕が「ガンバ理不尽ガンバ理不尽」って騒ぐ理由がこれでわかって頂けるかと思います。リスク取って人数かけた攻撃やってるチームより、リスク取らず人数かけない攻撃のチームが2倍も点とってるんですよ。やってられるか!!!



まあ、サッカーなんてそんなモンなんですけどね。今日の柏対鹿島の試合なんて、鹿島はカウンターしかしてないのに3点取って勝ってたしね。




ガンバ大阪システムの説明


さて、ほとんと愚痴になってきてるんで、そろそろ本題に入りましょう。すでに、冷め切ってて、システムの説明とかどうでもよくなってる人もいるかとは思いますが、ガンバさん、システムは割ときちっとしてるんで、そこだけ説明しておきます。



えっとまず、2015年のガンバさんのスターティングイレブンは、



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こうなってます。開幕時、今ちゃんが怪我して苦しい事になっていましたが、現在はほぼベスメンに戻っています。で、ガンバなんですが、守備のベースは442フラット、攻撃は442ボックスとなってまして、この辺りでは、西野ガンバと長谷川ガンバに大きな違いはありません。



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ちなみに、長谷川ガンバの442ボックスの攻撃時ってのの基本的な動きは、こうなります。中央に入ってくるサイドハーフの動きで、相手のSBを引っ張り出します。そして、開いたSBの裏のスペースをFWか、SBに使わせるってのが肝。長谷川ガンバの場合、右のスペースはパトリックが使い、左のスペースは宇佐美が使います。ココはほぼ不変でして、パトリックは右に流れる、宇佐美は左に流れるって覚えておいてくれれば、オッケーです。



で、この442ボックスなんですが、スペースで宇佐美かパトリックがボール持てたら・・・そこからは、いくつかパターンっぽいものはあるにはあるんですけど、基本的には「宇佐美が個人技で打開」か「パトリックのフィジカルで打開」が最大の武器になってます。最後の局面では宇佐美かパトリックの個の力での打開でゴリ押ししてきます。西野ガンバはPA内に5~6人とか送り込んできましたが、長谷川ガンバはそゆ事しません。3~4人しかPAにいれてきませんし、西野時代みたいに前がかりになることはありません。なんで、宇佐美とパトリックが個人で打開しない事にはどうしようもない事が多い訳ですが・・・この二人が個で打開できちゃうんですよねえ。インチキくさいレベルでね。



ちょっと名古屋戦の得点シーンつかって説明しますが、




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一点目は宇佐美の左サイド流れです。ガンバってチームは、左サイドに流れるのは宇佐美、右サイドに流れるのはパトリックです。これはチームとしてほぼ決まってます。左サイドの場合、宇佐美の個人技、宇佐美、SH、SBのコンビネーションでの突破が、ガンバの主要な武器になってます。



二点目は右サイド。これは右SHが中に入っていって、外にできたスペースにガンバの右SBがオーバーラップして、サイドを抉ってマイナスのクロスっていう流れでした。ここはSBのオーバーラップでしたが、ガンバで多いのは、SHの中にはいる動きか、降りてくる動きで相手のSBを釣り出して、パトリックにSBの裏を使わせるタイプです。動画には無いですが、名古屋戦の37分のガンバのカウンターでは、パトリックが名古屋の左SBの裏を使ってカウンターを仕掛けていました。あれがパトリックのガンバでの基本的な動きです。



ちなみに、「中に入ってくるSHにSBがついていかなきゃいいじゃねぇの?」という人。それは悪手です。


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これの宇佐美の三点目ですけど、二川さんの中にはいっていく動きにSBがついてこんかったので、二川さんに簡単に前向かれて、宇佐美に楔打ち込まれました。ダメですよ悪手ですよ。




一方で、守備面なんですけど、基本は442でセットします。ただし、宇佐美とパトリックはカウンターの為に前残りする事が多い442です。なので、SH二人は攻守に相当頑張らないといけないシステムになってます。ついでに大切な話なんで言っておきますが、ボランチの今ちゃんが宇佐美のカバーしてます。どういう事かってーと、宇佐美がドリブル始めたら、その斜め後ろに、ほぼ確実に今ちゃんがいると思ってください。宇佐美がロストした時に備えたポジショニングを必ずしてます。



ガンバってチームなんですが、最大の武器は宇佐美のドリブル突破です。ただし、ドリブル突破は失敗すると、ほぼ確実にカウンターを食らうという欠点を持ってます。なので、その欠点が表に出ないように、長谷川監督は、今ちゃんに宇佐美の尻吹き(カバー)をやらせてます。バルサにおけるブスケツ、アルゼンチン代表におけるマスケラーノみたいなもんですね。宇佐美が雑誌のコラムで、「大好きな今ちゃん」とか書いちゃうのも無理はないと思います。お世話になってますからね。1度、嫁さん同伴で今ちゃんと対談でもさせたらワイドショー的な意味で面白いかもしれません。




週末に湘南対ガンバ大阪の試合がある訳なんですが・・・

さて、ちょっと週末にガンバと湘南がやるので、そっちの話も絡めてやっておきます。



湘南ベルマーレなんですが、以前もお話しましたが、このチーム、基本的に前に人数かけてくるタイプのサッカーやります。これは、こないだのFC東京戦でも遺憾なく発揮されてましたが、



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このシーンみればわかる思いますが、後半47分に、いっきなりFC東京のアタッキングサードに7人送り込んでるわけです。PA内に4人、ボールより前に6人・・・こんだけやっても点取れなかったんですけどね。



一方で湘南が失点したシーンだと


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こんな具合でPA内に二人しかいねーのに点取られましたとさ。全くやってらんねーっす。



あのですなー、スポーツの世界の格言に「TEAM(チーム)の文字にI(俺)はない」ってのがあるんです。チームワークが如何に大事かって話をする時につかう訳なんですがね~。



一方で、マイケル・ジョーダンの名言の一つに、「TEAMの中に I という文字はない」と皮肉られたとき、「でもWIN(勝利)の中にはI(俺)ある」と言い返したって逸話が残ってます。





これも、今回のエントリ書く際に避けては通れない話になるんですガー・・・・・・・




先日のエントリで「守備を制するものが勝負を制す」ってスポーツの格言の話をしました。けど、実際の所、Jリーグだと、西野ガンバとか、風間ターレみたいな守備が崩壊気味なのに強いチームってのが存在してきた訳です。



で、「TEAM(チーム)の文字にI(俺)はない」って格言の話になります。チームスポーツの世界では、チームワークほど大事にされるモンはないですし、「チームの為に」は絶対的なマントラ・・・と言っていいんですが、ぶっちゃけ組織的なチームのほうががリーグ戦、トーナメントで勝てるという証拠はありません。



ああ、こういう話すると、「ちょっと待ってよ、アトレティコ・マドリーとか、J2の金沢とかはどーなのよ?」という話になりますよね。どっちもよく組織された良いチームだと思いますよマジで。




でもねえ。一方で、J1のガンバだとか、今のバルサみたいな、圧倒的なFWのパワーで相手を踏みつぶしているチームがJ1で三冠とったり、CLやリーグ戦で勝ってるのを見てると、「組織よりモンスターFWのほうがずーっと重要なんじゃねぇの?」と思ってしまうんですよ。今朝のCLでスアレスがダビド・ルイスに二回も股抜き決めてゴールしてましたが、現役ブラジル代表CBに股抜き二回出来るとか信じられねぇですよマジで。



ここ5年ほど、CLでベスト4に残るチームなんて、ほぼモンスターFW(リーグ得点王)持ってます。



このあたりはバスケなんかもそーなんですが、NBAファイナルに残るチームには、ほぼ確実にスーパースターがいます。プレーオフで勝つ為に必要なのは、皮肉な事に、まずスーパースターなんです。



このエントリの最初で「ガンバの話は書きにくい」って話をしたんですけど、あのチーム見てると、「チームワーク糞くらえ。怪物FWこそがリーグ戦とトーナメントを勝ち抜く為に最も必要ッ!」という悪夢が具現化したようなチームと化してますので、ホント何とも言い難いチームになってます。




ガンバのチームワークが悪いとかいうつもりはないんですけど、「攻撃で人数かけてこないチームなのにJ1最強の得点力をもっている」というのは、個人的に納得しがたいモノがありますわ。まあ、主に宇佐美のせいなんですけど。



前置きが長くなりすぎたので、週末の試合の話に戻りますが、週末の試合のガンバは、絶対に、絶対に、絶対に



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ずえっったいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいにココに来ます。白で囲った三竿(175cm / 68kg)とパトリック(189cm / 82kg)のミスマッチ狙い。これだけはやる前からわかります。絶対にココに来ます。



湘南としては、ガンバの左サイドは宇佐美がいるので、遠藤とバイアはそっちで手一杯になります。だから、どうしても、パトリックと三竿が一対一になりやすくなります。他の多くのチームでもそうなんですけど、宇佐美が怖いせいか、パトリックが右サイドに流れると、パトリックとCBが一対一なんてのがよくあります。



ハッキリ言って、完全なミスマッチです。けど、三竿がパトリックどうにか出来ないと、湘南としては、マジでどうしようもなくなります。宇佐美抑えるためには二人以上必要なんで、バイアと遠藤は中央から動かせません。だから三竿がパトリックどうにかしないといけない。




正直な所、僕にはどうしたらいいかわかりませんわ、こんなの。FC東京の時は、いくつかやりようがあったんですけど、対ガンバは、ホントにキツイ。どーしようもない部分があります。三竿がパトリック完封して、遠藤とバイアが宇佐美完封しないと、マジでどうにもならない。ただ、それが出来ないから、他のチームが泣かされてる訳で。



じゃあ、ガンバが点取る前に湘南が点とっちゃえば・・・・という話になるんですが、ガンバは前に人数かけてこないチームなんで、カウンターするのは以外と難しいんです。ショートカウンターもきつい。パトリックめがけて蹴られるだけでプレス外される可能性大。



ガンバは宇佐美が守備やらないんで切り替えに問題がある・・・と思われがちですが、実際の所、攻撃には人数かけないので、カウンター浴びにくいチームなんです。去年はリーグ戦で31失点しかしてません。これはリーグ最少失点の横浜FMに次ぐ数字です。攻撃にかける人数を制限するってのは、失点を簡単に減らす方法なんです。これだけでカウンターでの失点がグッと減ります。一方で、普通、これやると得点が減るんですが、宇佐美くらいのアタッカーがいると問題ねぇんですよね。(今日、柏さんが前に人数かけすぎて鹿島にカウンター食らいまくって3点とられてましたが、柏さんが、てっとりばやく失点減らす方法は、攻撃にかける人数減らす事です。柏さん、攻撃に人数かけすぎです。ただ、嫌いじゃないです、そのスタイルッ!)



正直、J1で一番面倒なチームでござる。結局の所、最初の話に戻るのでござるが、



「攻撃に人数かけないのにJ1最強クラスの得点力を持っている」



ってのがチートすぎるでござる。ずるいでござる。こんなの反則、チートでござる。きたないガンバきたない。こんなのひきょうすぎるでしょう。世の中には攻撃で人数かけてるのに全然点とれないチームがいるですよ!!




とまあ、今日はこのあたりで終わりにします。愚痴にしかなってないし。


最後がござる口調、ブロント語になってしまったのは、ノリです。



ではでは、でござる。