読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

セリエAと守備の文化はどこへ逝った?

皆様、お久しぶりの更新でございます。盛大にさぼってましたが、私は元気です。


えーと、本当はW杯の総括とかやった後に日本代表の話して、アギーレジャパンの話でもしようかと思ってた訳です。サボっちまいましたがね。ただ、先日、サッカーニュース眺めてたら、



財政難のセリエA、チーム数と所属選手数を削減へ…FIGC会長が明言



こんなニュースが飛び込んできまして、「あーあ」という感じです。セリエAなんですが、昨今、もう問題山積みでして、ウンザリするようなニュースばかり目につくリーグなんですが、またウンザリさせられました。


実は、ホントは日本代表と守備の話について書こうと思ってたんです。こないだの親善試合2試合で、日本代表はやらかし4つで未勝利になりましたんでね。「日本には守備の文化がない」と言ったのはトルシエですが、それから随分経つ訳ですが、日本代表は相変わらず守備の基本の所でミスが多いです。


ちょいと、先日発売されたフットボール批評の紹介をさせてもらいますけど、


フットボール批評issue01 アギーレを殺すのは誰か?

フットボール批評issue01 アギーレを殺すのは誰か?



この中の記事でシエナのユース監督フランチェスコ・マクリのコロンビア対日本戦の分析が載ってます。宮崎隆司さんの記事です。で、内容はっつーと、



世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)

世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)



宮崎さんの著書である、これの奴とそう変わりません。この本の中で、何度も「守備における初歩的なミスが多すぎる」とイタリア人監督に指摘されてるんですけど、マクリの結論もそれと一緒です。ちと、フットボール批評の記事から引用しますが、

「いずれも『一対一の基本』に反した守備。代表レベルのディフェンダーがこのレベルでは、やはりこう問わねばならないでしょう。一体どのような指導が育成年代で行われているのか?小さくない疑問を抱かずにはいられません。『一対一』はもちろん、最も重要である『2対2』の守り方、ここを徹底的に改めるべきではないでしょうか。逆にいえば、そこが徹底的に強化されれば、日本代表はより勝てるチームになるはずです」


って奴です。記事の詳細な内容はフットボール批評買って読んでください。書いてあるのは極めて基本的なレベルの話で、「前を向いている相手に無闇にボールを奪いに行ってはならない」、「スライディングは守備の最終手段」っていう一対一の基礎的なレベルの話を日本代表の選手が守れていない、「一人が上がれば一人が下がる」っていう2対2の守備の基本が出来てないなんて話です。



この話は、宮崎さんの前著でもイタリア人監督が繰り返し繰り返し指摘している事で、いつまで経っても治らない日本代表の守備の問題点であります。岡田、ザック、アギーレと監督が変わって選手が変わっても治る気配がありません。そもそも論として、インテルでプレーしてる長友がこのセオリーを守れてない事がある訳です。イタリアでプレーしてる長友がアレなんですから、他の選手がミスするのは当然としか言えませんし、代表監督がいくら指導した所で焼け石に水なんですけどもね。



そもそも、こーいう基本を教えるのは代表監督の仕事じゃありません。ユースの監督の仕事です。だから、マクリに「一体どのような指導が育成年代で行われているのか?小さくない疑問を抱かずにはいられません。」とか言われちゃう訳です。



ただね。


先日行われたインテルサッスオーロミランパルマの試合なんですけど、もう信じがたい守備のミスが連続した結果、大量に点が入るというセリエAでは考えられない試合展開になってました。この二試合、ホントにありえないミスが出てます。



インテルサッスオーロミランパルマの試合におけるミスの話


まず、試合のハイライトへのリンク貼っときますが、


FCインテル・ミラノ vs USサッスオーロ・カルチョ


[セリエA 2014-15] パルマFC vs ACミラン



この二つです。ちなみに僕はインテルサッスオーロはハイライトしか見てません。ただ、インテルの試合に関しては、ハイライトみただけでも、サッスオーロの右CBがおかしい動きしてます。ありえません。



まず、インテルの一点目ですけど、サッスオーロのCBが飛び出し過ぎです。なんであそこまで飛び出したのか意味不明です。ガンバの今ちゃんを「食いつきすぎる」と言ってきた僕ですが、こんな食いつき方は今ちゃんだってしません。しかも、空けたポジションを全力で埋めないといけないのに、途中からあきらめてジョギングしてる。CBのプレーじゃありませんよ、あんなの。それと右SBはなんでCBが飛び出した後のカバーに入ってないのかも意味不明です。


その後も延々コレです。CB突っ込んで交わされる、右SBは中央のカバーしない。この連続です。イタリアの守備のスタンダートに照らせば、ありえない守備です。この試合、インテルは全得点、サッスオーロの右CBと右SBの所で取ってますけど、あそこはありえないレベルの酷い守備でアマチュアかよってレベルです。CBが突っ込んで交わされて、その裏をSBがカバーしてないからインテルにやりたい放題やられて7失点です。


ちなみにミランの試合では、パルマの13番の右SB、6番の右CB、この二人でミランに4点プレゼントしたようなもんです。1点目と2点目、パルマの右SBは一体何をしてるんだ?という感じです。ただ、ミランの1点目と2点目はまだ良いんです。本田のゴールも素晴らしいヘディングでしたしね。


ただし、3点目のPKに至るプレーではDF陣はどういうポジショニングしてんだって話です。メネスはスピードがあるのわかりきってたろ。なのに、パス一本でぶっちぎられてPK与えるとか。



4点目に至っては、これ言語道断でして、言い訳ができる訳がない酷さです。CBとSBのパス交換で、デヨングに取ってくださいと言わんばかりのスピードの緩いパスをしてるばかりか、右CBの6番のポジショニングがまたおかしい。イタリアの予防的カバーリングはどこにいったって話です。そして5点目は、右SBのありえない緩さのバックパスかっさらわれてやられてます。


ハイライト見ただけでアレですが、イタリア人監督が言う所の「守備の文化」は何処に行った?という話です。これら2試合のハイライトでは「前を向いた相手に無闇にボールを奪いに行ってはいけない」、「スライディングは最後の手段」、「予防的カバーリング」、「一人が上がったら一人は下がる」、「最終ラインでのパス回しではパスコースを複数用意しておく」って基本が出来てないんです。



セリエAでこんなプレーが起きてる以上、セリエAは組織的で守備的とかいう看板はもう必要ないと思いますよマジで。トップリーグの連中がこんなプレーを見せてるのに日本代表の試合みて「イタリアならユースの段階で叩き込まれる動きが出来てない」とか、どの口で言えるのかと。



正直な話、サッスオーロパルマの守備みてから、日本代表の守備についてアレコレ言うのが馬鹿馬鹿しくなりましたわ。セリエAのクラブであれじゃ、Jリーグのクラブも日本代表も似たようなモンでしょ。どこに守備の文化があるのだ。ネバーランドか。



でもって、ついでに、サッカーにおける八百長の手口について、ちょっと書いときますがね。



あなたの見ている多くの試合に台本が存在する

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する



これは、「黒いワールドカップ」の著者、デクラン・ヒルがサッカーにおける八百長について取り扱った本です。この本の中には、八百長の例がいくつも載っているんですが、その中に、


ディフェンダーがキーパーにパックパスを出すとき、敵のフォワードが奪いやすいようにゴールキーパーがクリアもキャッチも出来ないような中途半端なパスを出す。得点をプレゼントするようなものだ・・・・サッカーファンならそういうシーンを見たことがあるはずだ。でも、偶然の産物でないこともある・・・・。

ボリッソー他、1960年、II


ってイングランドの話と、マレーシア・リーグの有名選手の警察での自供、


左右のディフェンダーは敵に攻められている中央のスイーパーをサポートしない。中央のスイーパーは左右のディフェンダーが敵に攻められていてもサポートしない。守備陣は全力でプレーせずに敵がかわしてゴールへ迎えるようにする。

ってのが紹介されてるんですがね。こういう話を知ってるんで、僕は汚れているせいか、こーいうプレーを見ると、八百長疑っちまう性分なんです。



この試合で見られたミスって、これらのミスがほとんどなんですよ。ただし、八百長なのか単なるミスなのかは、プレーだけからは判別できません。これが八百長の面倒なところですけど、「単にミスから抜かれたのか、故意に抜かれたのか」は判別できないんです。なので、八百長が発覚するのは大概の場合、警察の捜査があった場合に限られます。カルチョポリもそうでしたけど、警察がメディアにリークしてからですからね、騒がれたの。



セリエAと守備の文化はどこへ逝くの


ここまでの話、僕にとっても書いててあんまし気持ちの良い話ではないです。ただね、セリエAについては、正直、「もうダメだわ、あそこ・・・」ってのが正直なところです。



イタリアサッカー連盟の新会長タヴェッキオについては、先日、問題発言で物議を醸してましたが、とりあえず、それは置いておくとして。



以前、こんな記事がイタリア紙コリエレ・デッロ・スポルトで出たそーです。




イタリアサッカーに革命を起こす「カルチョの再生 5つの提言」




この五つの提言なんですけど、「2.安全で快適なスタジアムを」と「5.スター選手の学校訪問」は良いと思うんですが、他は疑問なんですよ。


ただ「1.セリエAを18チームに」なんですけど、これ時々日本でも議論のネタになりますよね。日本代表の選手の日程がきつすぎるから、J1のチーム数減らして代表強化の日程作ろうって奴。プレミアの過密日程もよく問題にされますがね。


ただ、代表強化の為にリーグ戦の試合数減らすとか本末転倒です。普通に考えたら、単にチームの広告収入と観客動員減ってチケット収入減るだけです。ついでに試合数減ったら、その分、TV放映権料も減りますけど良いんですかね?クラブの収入減ったら、ユースに投資する為の金も減らさないといけなくなりますよ?それが代表強化に繋がるんですかね。


それと関連するのが「3.若手の育成」なんですが、ドイツ代表があそこまで強くなったのって、2000年代のユーロでの惨敗から、ずーっと継続的にユースに莫大なお金を投資し続けたからでしょうに。ドイツは18チームでリーグ回してますけど、それとドイツ代表の強さはそんな関係ないでしょう。あそこが強くなったのはユースに15年間、辛抱強く投資を続けて、その見返りを今受けてるだけな訳で、投資もせずにリターン得ようとかどーなってんですかね?



あと、WSDのNo418でイタリア人記者のジャンカルロ・パドバンがタベッキオをdisってるんですけど、その記事の中にタベッキオが会長やってたLND(イタリアのアマチュアサッカー連盟)の高額な登録料の話があるんですけど、あれマジなんですか?アマチュア最上位の5部リーグの登録料が年間6700ユーロ(約93万8000円)とかギャクの領域なんですが。



ユースに投資せず、アマチュアサッカークラブ、選手から登録料吸い上げてるようじゃ、人気も実力も落ちて当然だと思うんですけどね。



でもって、「4.多すぎる外国人選手」です。これはプレミアでもよく問題にされます。プレミアは外国人選手取りにくいリーグな訳ですけど、それでも外人が多く、「イングランド人が外人選手のせいで試合に出られない」ってのが問題視されてます。それはある意味では事実な訳ですが、問題なのは、「イングランド人プレミアム」です。つまり、“ホームグロウン・ルール”が制定されて以来、イングランド人選手の移籍金、給与がどんどん高騰してるって奴ですね。これね、“ホームグロウン・ルール”みたいなルールを作れば副作用として当然おきます。


こうならない為には前もってサラリーキャップ作るしか無いわけです。セリエBではすでにサラリーキャップがあるようですが、ホームグロウンルールをやるなら、セリエAにも必要になってきます。


ただ、これやっちゃうと、イタリアで育てた才能が他国のビッグクラブに引っこ抜かれていく事になるんです。結局、スター育てても、すぐに海外に取られちゃうというアレ。




も一つ、凄く嫌な話もしときますが、セリエAセリエBからチーム数減らすとします。そうなると、降格レースは、生きるか死ぬかの戦いです。セリエAは勿論ですが、セリエBとCじゃ全然違いますから、命がけになります。もともと、セリエB八百長やポイントの売り買いが多いので有名で、コンテもセリエB時代にそれ関連でやらかして、監督の資格停止されてた期間もあったわけですよ。今回紹介したデクラン・ヒルの著書にもセリエBにおけるポイント売買の話が出てきます。


セリエAとBからチーム数減らすなんて話をサッカー連盟の会長が宣言したら、まず間違いなく、セリエBではポイントの売買が始まりますけど、ホントにそれで良いんですかね?セリエBは人気がないから別にコンペティションとして滅茶苦茶になってもいいという判断なんでしょーか。セリエBなんですけど、J2より平均観客動員少ないです。


これから3年間かけてセリエAのチーム数減らすみたいですが、その期間、セリエAでもポイントの売買が盛大に行われる可能性があるんですけどね。大丈夫なんですかね?もう一回、カルチョポリクラスのスキャンダルが起こったら、セリエA終わりますよマジで。


カルチョ・スキャンダル


カルチョポリの時、ユーヴェが不正に手を出した背景には、


1、本拠地移転したことによる観客動員数が低下
2、フィアットからのスポンサー資金の供給停止


による国内でのユーヴェの競争力の低下があった訳なんですけど、大丈夫なんですかね。今度はヨーロッパレベルでの競争力の低下なんですけどもね。


嫌な話ばっかりしてますが、セリエAなんですけど、現状、イタリアサッカー連盟の新会長はアレだし、スタジアムは酷いの一言。スタンドでは人種差別発言が飛び交い、試合前にアウェーチームの選手がバスでスタジアムに移動する際にはサポから投石されるから窓も開けられない。セリエBでは、しょっちゅう八百長騒ぎが起こってるし、セリエAに本物のスター選手はほぼ皆無といった状態です。ついでに経済も金融危機以来アレですし。その上、セリエAの試合じゃ、頼みの守備すら酷いレベルの試合が繰り広げられている始末で、手に負えません。



ホントは日本代表の話をしようかと思ってたんですけども、セリエAの試合であまりに酷いモンをみたので、そっちに切りかえた次第です。イタリア人監督に日本代表の試合見せると、「守備の文化がない」「ユースで守備の基本教えてないんじゃないか?」とか言われちゃうし、ザックやフィカデンティは「日本の選手は守備の個人戦術がちょっと・・・」って言われちゃってます。でもって、こないだの親善試合でも、やらかし4つで4失点とかいう輝かしい記録を作ったばかりなのですが、サッスオーロパルマが日本代表を超えるやらかしを一試合でやってたので、守備の文化どうこう言うのが馬鹿らしくなった、そんな週末でしたとさ。


あれが八百長ならその時点で問題ですし、八百長でないなら守備の文化はどこに行ったという話です。


なんかまとまりのない話になってしまいましたが、本日はこのあたりで。ではでは。