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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

2015年J1第七節 横浜FM対湘南ベルマーレのレビュー 「湘南ベルマーレと攻守のバランス」

はい、みなさん、こんにちは。本日は先日行われましたJ1第七節、横浜FM対湘南ベルマーレの試合のレビューを行いたいと思います。内容は大反省会です。この試合なんですが、今シーズン最悪の内容でした。ここまでボコられると逆に清々しくなってきます。スコアは3-0でマリノスの勝利。湘南の完敗です。




本日は、最初に湘南のサッカーの話から始めましょう。戦術面の詳しい話はしません。基本的に、湘南ってチームのコンセプトのお話です。今回の試合ってのは、湘南ってチームのコンセプトに関わる問題が出たので、まずは湘南ってチームのコンセプトを説明します。



湘南ベルマーレと攻守のバランス


今回も、攻守のバランスの話になるのですが、湘南ってチームの話をする際に、この話は避けては通れないので、やっぱり攻守のバランスの話から入ります。



攻守のバランスってのは重要だけど、退屈なテーマです。興味ある方だけ、おつきあいください。



ここ数回のエントリで扱ってきましたが、サッカーというゲームには、攻撃、守備、攻守の切り替えの三つの局面が存在します。そして、サッカーにおいては、




攻撃が引き起こす問題
「攻撃を効果的に行うには、ボールより前に多くの人を送り込む必要があるが、ボールより前に多くの人を送り込むと、切り替えの局面で守備の人数が足らなくなる。結果として失点が増える。」



守備が引き起こす問題
「守備を効果的に行うには、ボールより後ろに人を沢山残してスペースを消す必要があるが、ボールより後ろに人を沢山残すと、切り替えの局面で攻撃の人数が足らなくなる。結果として得点が減る。」




この二点が常に問題になります。



サッカーという競技では、「得点が多く失点が少ない」チームを作ることが目標と言って良いのですが、一方で、サッカーという競技の性質上、得点を多くしようとすれば失点が増え、失点を減らそうとすれば得点が減ります。ここはある種のトレードオフが存在します。



このトレードオフを解決するには幾つか方法があるのですが、その一つが



攻守の両局面でコンパクトな陣形を保ち、ラインを高く保つ



というのがあります。これが出来ていれば、最終ラインが高い分、ボール奪った後、人数かけて攻撃する事が出来ますし、守備面ではボールを失った時にすぐプレッシャーをかけてボールを奪い返せます。簡単にいえば、これが出来ている限りにおいて、「攻守で人数をかけるサッカー」が可能となり、「得点が増えて失点が減る」という理想的なチーム状態に繋がるわけです。



攻守の両局面でコンパクトな陣形を保ち、ラインを高く保つ」事の重要性はしばしば言及されますが、なんでこれが大事かというと、これが完璧に出来れば「得点が増えて失点が減る」からです。



そして、湘南というチームが目指しているのも、まさにココでして、湘南というチームはハイプレス・ショートカウンターをお家芸にしているのですが、要は「攻守の両局面でコンパクトな陣形を保ち、ラインを高く保つ」事で、「攻守で人数をかけたサッカー」を可能にし、「チームの得点を増やし、失点を減らす」というのが狙いなんです。




一方で、これだけ明確なメリットがあるにも関わらず、ハイプレス・ショートカウンター系のサッカーは、それほど採用するチームは多くありません。また、「攻守の両局面でコンパクトな陣形を保ち、ラインを高く保つ」というのは、現実的には多くのチームが出来ていません。



なんでかっていうと、これをやろうとすると、鬼畜な運動量と集中力がチーム全員に要求されます。ですが、チームのコンディションが十分でないと、「プレスがかからず、チーム全体が攻守で間延びし、ラインが低くなる」状態になります。にも関わらず、この手のチームは「人数かけて攻撃し、人数かけて守備しようとする」為、何が起きるかというと、



「攻撃で人数かけるのでカウンター食らいやすく、守備で人数かける割にボール奪取位置が低く、カウンターしにくいサッカー



になってしまうンです。これは、いわゆるハイプレス・ショートカウンタータイプのサッカーをやるチームが崩壊する時に、しばしば見られる現象でして、こうなってしまう前に、手を打つ必要があります。



攻撃において、敵陣深くに6人以上を送り込んだ場合、フィニッシュで終わらない限りはカウンターを絶対に食らいますし、守備に人数かけてるのにボールの奪取位置が低いチームは、カウンターが非常に難しくなります。結果として、「失点が多く、得点が少ない」チームが出来ます。



身も蓋もない話なんですが、ハイプレス・ショートカウンター系のサッカーは、ハイプレスがハマっている限りにおいて「失点が少なく、得点が多い」チームになります。一方で、ハイプレスがハマらないと、「失点が多く、得点が少ない」チームに成り下がります。



「攻守の両局面で全員がハードワークする系」のサッカーってのは、歯車が狂うと、この手のしょーもないチーム状態になってしまう事があるんです。チームでハードワークしてるのに、「失点が多く、得点が少ない」ってのは切ないですが、「攻守の両局面でコンパクトな陣形を保ち、ラインを高く保つ」為には、ハイプレスを機能させる必要があり、それが機能しないのであれば・・・・結果は悲惨な事になりがちです。




今回の試合で出た問題点ってのはココでして、プレスが全くハマらず本当に酷い事になりました。詳しい話は後でしますが、マリノスの遅攻で前半8分に綺麗に崩されて失点。そっから後は、もうどうにもなりませんでした。前プレがはまらず、ブロック作っても守れない。こうなると、湘南ベルマーレってチームは、「攻撃で人数かけるのでカウンター食らいやすく、守備で人数かける割にボール奪取位置が低く、カウンターしにくいサッカー」をやることになってしまうので、どうにもならなくなります。


横浜FM対湘南ベルマーレの前半8分の失点の話


まず、試合のハイライト動画張りますけど



www.youtube.com




コレです。この動画の最初の0:37秒からが、湘南の最初の失点の流れになります。この失点の流れを文章で説明しますが、横浜のゴールキック。GKのロングフィードを湘南のバイアがはね返すが、セカンドボールは横浜の左SBの下平に拾われてから、


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追記 キャプでガンバの藤春とマリノスの下平を間違えております。大変失礼しました。



こーなりました。これ、前半7分にも、似たような攻撃されてます。前半7分の時は右サイドでしたけど、


1,マリノスの右SBがボールを持つ
2、オフザボールの動きで、湘南のダブルボランチの一枚をサイドに釣り出す
3、残ったボランチの両脇にマリノスのFWが一人降りてくる。
4、降りてきたFWに楔を入れる。そうすると湘南のCBが食いついて来る。開いたCBのスペースにマリノスの選手が一人走り込む。
5、パスをスルーして、食いついて来たCBの裏のスペースにボールを送る。
6、ポストプレーから、湘南、華麗にバイタルを取られる。


って流れでした。この二つのシーン見る限り、横浜は、この形での攻撃を練習してきたんだと思います。正直な所、見事と言うしかない攻撃でした。




この失点なんですけど、ホントーに良くない失点です。ってのも、完全に湘南の守備陣形が揃っている状態から崩されて失点してるわけで、


「7分のシーンだと前プレがはまらずバイタル取られている」
「8分のシーンだとブロック作ってるのにバイタル取られて失点」



という形でして、これがひじょ~~~~~~に不味いのは、「前プレがはまらない」「後ろでブロック作っても守りきれない」という状況に陥った事を意味するからです。こうなると、湘南ベルマーレってチームは、ホントに何もできないんです。



湘南ってチームはカウンターが重要な得点源なんですけど、前プレがはまんないとショートカウンターが出来ませんし、ブロック作っても守りきれずバイタル取られてシュートされてしまっては普通のカウンターさえ出来ません。



この試合、湘南はまともに攻撃できませんでした。というのも、先制された事と、前プレが空転した事、ブロック作っても守りきれずシュート打たれてしまう事のトリプルパンチでカウンターをまともに出来ない状況になったからです。


じゃあ、人数かけて攻撃するしかない・・・んですが、この状況で人数かけて攻撃したら、当然マリノスにカウンター食らいまくります。実際、この試合、面白いようにマリノスのカウンターが決まってしまいました。マリノスの残りの二点はカウンターです。



前半8分で失点してからは、あとはずーっと横浜ペースで、マリノスのやりたい放題な試合でした。





一応、横浜FMの今シーズンの話もしときます

この試合は湘南の完敗だったので、マリノスの悪い所はほとんど出ませんでした。


今シーズンからマリノスは監督が代わってるのですが、樋口さんからモンバエツさんに変わって、チームとして変わった事が幾つかあるんで、それを箇条書きしときますが、




1、2015年の横浜FMは、結構、前に人数かけて攻めてくる。



2、右サイドの守備に問題を抱えており、川崎戦や浦和戦で右サイドの守備の問題が噴出していた。マリノスの右SBの小林は守備が良い選手なんだが・・・



3,アデミウソンなんだけど、以外と守備をやってくれる。レナトタイプかと思ったら、どうも違う模様。


4,ビルドアップではパスが右方向に偏りがちになるという欠点があり、チームとしてのビルドアップに難がある。これは藤本と俊輔のコンディションが戻ってスタメン復帰するまで続くと思われる。(にも関わらずハメられない湘南・・・・)




と、僕がみた所、こんな感じになってます。一番大きな違いは、モンバエツさんは攻撃では人数結構かけてきます。なので、以外と今年のマリノスは点とれそうなチームです。ただし、反面、守備では、いくつか問題を抱えてまして、今年はマリノスさんがリーグ最小失点取るのは難しそうな気配です。見た感じ、得点も失点も増えそうです。


あと右サイドの守備。ここは問題があります。この試合の43分、湘南はマリノスのバイタル取って、その後シャドーの大槻がシュートまで持ち込んでるんですが、大槻マークしてたボンバーが大槻に簡単にターンされてシュートまで持ち込まれてます。あれはちょっと頂けません。そもそも絶対にターンされちゃいけないエリアでターンされてるわけで、今後もマリノスの右サイドは狙われると思います。



最後にマリノスのビルドアップについてなんですけど、現在、モンバエツ監督なんですけど、フジモンと俊輔が使えないせいで、前の選手でレフティがいないって問題って問題抱えてました。なので僕は、「結構プレスでハメやすいかもな~」とか思ってたんですけど、全くハメられませんでした。



ここまで、横浜FMの試合は3試合ほど拝見したのですが、今の所、モンバエツさんのカラーはそれほど強くは出てないと思ってます。なんで、これからじゃないかなあ、と思ってます。モンバエツのマリノスについては、もうちょっと試合をやってくれないと、わからない部分が多いです。なんで、モンバエツさんについては、もうちょっと時間が必要かと思います。



まとめになりますが、非常に不味いベルマーレ


最後になりますが、湘南ベルマーレについては、今回の試合、シーズン最悪の出来でした。



2013年シーズンがそうだったんですけど、あのシーズンは、湘南はハイプレスがハマらない、後ろでブロック作っても守りきれないという状態であっさりと降格しました。



湘南はやってるサッカーの関係上、ボールを効率的に狩れないようだと得点が思うようにはとれなくなるばかりか、失点も増えていきます。カウンターができない以上、点取るには前に人数かけるしかないわけで、そうなると前がかりになってカウンター食らいまくるからです。湘南は、悪循環にハマる一歩手前です。




今、GW連戦中なので、コンディションが良くないのはしょうがないですが、次のトス戦までに、守備の問題だけはチームで話合って、問題点を潰しといてもらわないとやばいので、どうかよろしくお願いします。



今日はこのあたりで。ではでは。