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2018年FIFAワールドカップ、日本対ベルギーのレビュー「日本が史上最もベスト8に近づいた日」

非常に残念ですが、日本のベスト8への夢は潰えました。


本当にあと少しでベスト8という所だったので気持ちの整理に時間が必要だった人も多いんじゃないでしょうか。


本日はそんな日本対ベルギーの試合のレビューをお送りします。結果は2-3で日本は逆転負け。あと20分守れたらベスト8という所まで来てたんですがね・・・。気持ちが落ちてついてから見返してみると色んな事がわかりました。今日はそんなレビューになります。




日本対ベルギー、スターティングメンバーとフォメ


まず、日本対ベルギーのスタメンですが、


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こうなってました。日本は4231で、大迫のワントップに2列目は乾香川原口、ボランチは長谷部柴崎、4バックは長友昌子マヤ酒井の並びです。ちなみに試合が行われる前にポーランド戦でのスタメン流出が問題となり、長友と本田がメディアに「情報流出止めて!」的なメッセージを出す異常事態が起きてます。このメッセが出た時には「あれ?まさかスタメンとフォメいじってくる?」とか思ったんですが、試合前日の会見で昌子を連れて西野監督がインタビューをやったので、「あら昌子が出るなら4231のままだ」という感じでした。もし3421にするなら槇野使うでしょうしね。



一方でベルギーのほうはいつもの3421です。スタメンは完全に予想通り。コンパニがCBで復帰した位ですかね。



この試合なんですけど、試合前に西野サンが言った通りの試合でした。つまり、「日本がここのラウンドに入ったということで、(日本の)チームスタイル、個人のスタイルはすべて分析されているうえで戦う。両チームがそういう中での戦いになると思う。もちろんストロングの部分がベルギーにあるが、されどウイークポイントもたくさんあると感じているので、全面に日本のストロングを出して対抗したい」という奴です。


これ、プレビューで書くつもりだった事でしたが、プレビューさぼってtwitterで書き込みした奴張っときますが、



これですけど、ベルギーってチームは守備で極めてわかりやすい穴があるチームです。ベルギーの試合をチェックしてみて、すぐに「あ、これなら点は取れる相手だ」と思いました。具体的に言えば、左WBのカラスコは本職がMFなんで裏狙えます。右WBのムニエもそんな大したことないです。その上にSBのオーバーラップにベルギーのシャドーがついてこない事が非常に多いのでサイドでは2対1作りやすいです。ベルギーのシャドーは守備意識が薄くて、中盤はフィルターが効かない事が多いです。中盤のフィルター能力が低いチームなので、日本にとってはとんでもなくやりやすい。中盤で簡単に前向けますからね。そもそも中盤の4枚がアザール、デブルイネ、ヴィツェルメルテンスなんですが、守備がキチンとできるのヴィツェルくらいです。


1試合みただけで欠点が大量にみつかったんで、点は取れるなって確信しました。サイドの守備でも中盤の守備でも、ハッキリ言って穴が多い。試合後、カペッロがベルギーの守備に対して「なってない」と断罪してましたが、守備はGKのクルトワとCBの3人、ヴィツェル頼みな所があります。この5人がやられるとベルギーは失点します。



しかし日本も守備は良くないのでお互い様なんですがね!!!



という訳でして、この試合なんですが、日本もベルギーもお互いに相手の弱点を狙って試合を進めていました。お互いに誘い受けみたいなサッカーやってるのでね。突いてくれと言わんばかりの穴があるチーム同士の対戦です。


西野さんは試合前に「ベルギーには弱点があるので対抗できる」と言ってましたが、本当にわかりやすい弱点があるチームです。



試合開始~前半20分まで。日本の時間


ここからは試合内容に進みましょう。


ベルギーの守備上の欠点に関しては開始6分で露わになるんですけど


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このシーンです。このシーンの問題なんですけど、ベルギーが前プレかけた時、アザールとデブルイネが被ってしまってるんですね。そして酒井ゴリがフリーになってしまった。そしてそこから大迫への楔入れられて香川に落とされ、香川から柴崎に繋がれた。これで日本は前プレ突破できました。アザールね、前プレの時も引いて守る時も、守備では本当に適当です。


そしてそこからサイドに展開されてからが最大の問題なんですが、長友が中央にフリーランかけたとき、そこにルカクは当然ついていってません。WBが対応してます。だから乾にフリーになる。


このシーンを取りあげたのは、ベルギーの守備の問題点である「中盤のフィルター能力の低さ」と「サイドで2対1を作られやすい」ってのがモロに出たシーンだからです。前半開始6分でコレですよ。


ハッキリ言って、こんな守備やってたらブラジル相手だと無理ゲーだと思ってたんですが、本日のベルギー対ブラジル戦では流石にスタメンいじって中盤のフィルターを増やし、フェライニヴィツェル、シャドリの3枚にしてブラジルのサイド攻撃の際には中盤1枚サイドに送ってました。


基本的に、このチームはメルテンスアザール、デブルイネの守備に大きな問題を抱えてます。中盤でこの三人がフィルターにならないといけないのに、フィルターとして機能してません。日本の中盤に割と好き勝手にプレーされた原因は、この三人の守備が適当だからです。(ブラジル戦では流石にスタメンいじりましたが)


さらに言えば、開始直後は大迫への楔の対応は最悪に近く、


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これは開始7分のシーンですけどね。開始7分でCBからCFに楔打ち込まれてトップ下に落とされるとか、ヌル杉です。見ててアホかと思った程です。どうかしてるぜ。開始7分でCFに楔打ち込まれてトップ下に落とされてサイドで2対1作られる守備やってたら、試合後にカペッロに「守備はなってない」と言われて当然でござる。


もうひとつロングボールへの対応も酷くて、


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これですよ。この布陣じゃセカンドボール拾えないし、中盤2枚じゃ相手にセカンド取られた後にフィルターが効きません。実際、この後、日本にショートパス3939繋がれて、ヴィツェルの脇で簡単に香川に前向かれて乾にはたかれました。長友は即座に乾を追い越す動きいれて(勿論メルテンスはついてこない)、相手のWBが長友に釣られた瞬間を見逃さずに乾はクロスあげました。原口は斜めにニアに入ってきてヘディングを試みますが、惜しくも合わず。原口は完全にマーク外してコンパニの前に入ってた訳で、あってたらここで日本が先制してました。


完璧な日本の攻撃でしたが、ベルギーは本当に「守備はなってない」。



これがFIFAランク3位のチームの守備です。


ベルギーのサッカーを日本が真似したら、W杯で間違いなくボコボコにされてます。絶対に真似しちゃ駄目。日本じゃ無理。日本じゃガチで無理。最低でもクルトワクラスのGKがいないと無理。


この守備でも何とかなってるのはカウンターが糞強力で帳尻できてるからです。カウンターは世界のトップ3に入ります。ブラジル、フランス、ベルギー、これがカウンターアタック三強です。調子扱いて攻撃してると前3人のカウンターで沈められます。岡ちゃんは試合前に「ベルギーはカウンターでしか点取ってない」って言ってましたが、それが彼らのストロングポイントです。基本的に前3枚はあんまり守備せず攻め残ります。


日本は明らかにベルギーを研究しており、アザール、デブルイネ、メルテンスが守備そんなにやらないという所を狙っていました。アザールメルテンスのスペースが常時空いてる状態だったし、SBがオーバーラップすればついてこない。そこを利用することで日本はチャンスを作り出すことができました。


大体前半20分あたりまでは日本が良い感じで攻撃できてたんですが、ベルギーもやられっぱなしにはなりません。FIFAランキング3位のチームなんですから。


日本対ベルギー、前半20分以降のアザールを中心としたポジションチェンジ


ここからは前半20分以降のお話になります。前半20分あたりからベルギーの時間が始まります。ベルギーはスロースターターな所があって、大体このあたりの時間帯からギアあげてきます。この試合の場合、前半20分あたりからアザールが動き始め、FIFAランキング3位の実力を見せ始めます。



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ここですけどね。アザールが降りてきてデブルイネが上がってますが、ベルギーの攻撃はアザールが中心となってポジションチェンジが起こります。アザールカラスコ、デブルイネがぐるぐるとポジションチェンジしながら攻撃してきます。これに日本はかなり苦労する事になります。図にすると


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こんな感じなんですが、ベルギーとやるチームはどこもアザールを警戒します。アザールに前向かせないように徹底してます。当然、マークも集中します。そういった場合、アザールはマーク引き連れてボランチの位置に降りたり、サイドに流れたりして、空いた自分のスペースをカラスコやデブルイネに使わせます。これが実に厄介でどこのチームも苦労してます。単なるドリブル馬鹿なら対策方法簡単なんですがね(ダブルマークつければ良いだけ)。アザールは周りの使い方も上手いんです。だから厄介なんです、この選手。



そしてもう一つ、長谷部と乾の間のスペース問題。前半20分、22分と立て続けに長谷部と乾の間の所でメルテンス、ムニエに前向かれてます。

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これは前半20分のシーン。

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こっちは前半22分のシーン。


多分、ココでベルギーの選手達は「あ、ここの守備緩い」と気付きました。あそこのスペースだと前向ける、とね。もしくはスカウティングの段階でわかっていたんでしょうが、乾の守備はお世辞にもよくありません。長友との縦の関係はともかくとして、長谷部と乾の関係が悪い。中央のスペースをケアする事に関しては酷いもんです。そのためベルギーに長谷部の左脇のスペースを使われてしまう。この問題は特に後半に酷くなります。


長谷部の左脇のスペース。ここが、この試合における日本代表の最大の問題となったスペースでした。ただ、前半、乾の体力が残ってるうちはまだ良かったんです。後半ですね。本当に深刻な問題となったのは。



この後、前半40分くらいまではベルギー優勢の時間となります。左はアザールカラスコ、デブルイネのポジションチェンジ、右はメルテンスとムニエがポジションチェンジをくり返してきて、日本はマークを掴みづらくなり苦労するようになります。この時間帯は両WGと香川まで下がって来て守備する時間帯が多かったです。


攻撃面でも、最初は通っていた大迫への楔に対して、ベルギーが慣れてきてCBとボランチで挟めるようになってきており、難しい時間帯でした。


尚、前半43分にはクルトワのお笑い未遂、前半44分にはムニエのお笑い守備があったんですが、残念ながら日本は決めきれず。前半は0-0で折り返すことになります。ムニエについては時々アマチュアみたいな守備やります



後半開始,日本の先制点と2点目

さて、日本全国をエクスタシー寸前まで追いこんだのが後半の立ち上がりでした。ベルギーは立ち上がりが緩いんですね。


これはキャプでやる必要もないでしょう。日本の左サイドでメルテンスとムニエがワンツーを試みますが、乾はこれを読んでおりパスカットに成功。ボールを柴崎に預けると同時に原口が右サイドを猛烈な勢いで駆け上がり、柴崎から原口へ。カウンターから3対3の状況が出来、最後は原口がベルトンゲンを外してシュート。クルトワでも止められず、日本が先制!!


このカウンターは3バック相手の基本です。WBの裏を使ってカウンター。基本中の基本ですが、素晴らしいカウンターでした。


ただ、この直後、ベルギーは決定機作ってます。この時、ちょっとベルギーは形変えてきてるんですが、

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これです。ここではベルギーはボランチ一人、WBの裏に落として、そこから組み立て始めました。これは前半には見られなかった形なんで日本はマークのズレが生じてます。そこから一気にアザールのシュートまで持っていかれました。この時、日本が失点しなかったのは運が良かったからです。これは完全に1点モンのシーンでした。


そして、後半から特に顕著になったんですが、ベルギーは執拗に日本の左サイドを狙うようになります。


ただ、ベルギーの左サイド狙いが報われる前に、ベルギーの中盤スカスカ問題が後半6分で出ます。中盤スカスカというか、単なるデブルイネの怠慢守備なんですが・・・・


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まあ、デブルイネが真面目に守備やらなかった罰です。ヴィツェルだけで最終ラインの前のスペースをプロテクトできる訳がない。こーいう守備やるから自分はベルギー相手には点取れると確信してたんです。本当に中盤でフィルターが効かないチームなんです。勿論、乾のシュートはゴラッソでした。アンくらいのシュートじゃないとクルトワの守るゴールは割れませんから。ブラジル戦では枠内シュート9本喰らって失点1のGKです。


中盤のフィルターが効かないチームなので、ベルギーってバイタルミドル対策はCBとGK頼みです。それを何とかしてるのがクルトワなんですよ。日本のチームは真似しちゃ駄目ですよ。あれはクルトワだから何とかなるんです。中盤のフィルター効かなくても守れていた日本のチームなんて全盛期楢崎の名古屋くらいです。そういうレベルのGKもってないならマジで真似しちゃ駄目。死にます。ガチで死にます。


ここでベルギーは2点差を追いかける展開になりました。


赤い悪魔の反撃

もうすでに長すぎるエントリになってますが、この後に起こった後半9分のシーンはとりあえずには居られないので取りあげときます。


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このシーンのカウンター対応ですけど、典型的な日本の守備です。数的同数のカウンター食らってるのに、いきなりボランチが相手のボールホルダーとの距離詰めるっていうね。よく「日本の守備はディレイ」っていう人がいますけど、ここボランチ二人が全くディレイ(ボールホルダーと距離を保ちながら併走)せず、逆に間合い詰めてます。ディレイなんてこれっぱかしもやってません。数的同数のカウンターの状況でね。しかも海外組の選手が、ですよ。


このシーン扱うのは、この試合、逆転された時の山口の対応が強く批判されてるからです。あの時に山口がやらないといけない守備はディレイでした。デブルイネのドリブルに併走する形でPAギリギリか3m手前位まで下がるしかないです。5対3のカウンターだったので、それ以外に選択肢ないんですが、やりませんでしたね。併走をやめてしまってる。でも、このシーンでもそうですが、長谷部も柴崎もディレイやってませんよね。


あの対応、別に山口蛍だけに限ったモンじゃないです。日本のボランチ、あーいうプレーをよくやります。これ日本のサッカー文化です。数的同数のカウンター受けて突っかける、数的不利のカウンター食らってるのにディレイしないとかいう。


ただ恐ろしい話なのはココからです。西野ジャパンはテストマッチ含めて7試合、海外の強豪と試合して13失点しましたが、カウンターからは二失点しかしてません。


SBが高い位置とる上にポジションチェンジ多用するので、いかにもカウンター食らいそうなサッカーしてるチームなんですが意外とカウンターからは失点してません。



そういう訳ですので、僕はこういった日本のボランチのプレーを容認することにしました。カウンターからはあんまり失点してない訳だし、別にええやろうと。イタリア人には「守備の文化がない」とか「日本は時間を稼ぐという守備の基本が出来てない」等と否定されそうですが。



話を戻しましょう。ベルギー戦ですが、皆さんご承知の通り、試合が動くのは後半19分、ベルギーがメルテンスに変えてフェライニカラスコに変えてシャドリを入れてきてからです。フェライニの投入については、攻撃では高さ。そして守備では長友のオーバーラップへの対応です。フェライニはきちんと守備でサイドのケアをやってました。シャドリ投入に関しては、直前のプレーでカラスコが香川と酒井のワンツーであっさり裏取られたので守備で不安すぎるのと、逆サイからのクロスに合わせる係。デカイですからね。攻撃では高さ勝負、そして守備強化という采配でした。


そして一番重要な事ですけど、フェライニ(194㎝)とシャドリ(187㎝)をいれた事でCKの際にルカクが守備やらないで良くなった事です。これ以降、日本のCKの際にルカクは前残りするようになってます。


これはその後のATでのベルギーの大逆転カウンター、ベルギー対ブラジルでのCKからのカウンターに繋がりました。相手のCKからのカウンターの時にルカク使えるのは大きい。もの凄く大きい。そして、日本の選手とベンチはこれに気付くのが遅すぎました・・・。ある意味ではブラジルも。高すぎる代償を支払うことになります。


ベルギーは後半16分,後半20分、後半22分と立て続けに日本の左サイドを狙ってきます。この辺りの時間帯、徹底して日本の左サイド狙いです。左サイドのどこ狙ってるかというと、前半言及した場所なんですよね。日本の左ボランチの脇。この時間帯は長谷部が右で柴崎が左だったんですが、柴崎の左です。


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これは後半16分のシーン。


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これは後半20分のシーン。


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ここは後半22分のシーン。



ここなんですけど、乾が疲れてきて動けなくなってきていたんで、この辺りで代えといても良かったんじゃないかなと思う訳です。左サイドの守備は本当に怪しくなってきてました。途中から長谷部右に出したのはアザール対策なんでしょうけど、左サイドに柴崎乾だと守備のバランスが・・・という奴です。右より左のが深刻な問題だった訳で・・・あそこに起点作られてやられてるのに西野さんの対策が・・・



それでこの後、ベルギーのCKから川島の非常に残念なプレーで日本は失点。川島はもう十分叩かれているので、あえて触れません。


この後もベルギーの日本の左サイド狙いは続いて後半25分の攻撃はやはり左狙い。ここ延々とベルギーの左狙いが続いてるの何も手を打たないというのはちょっと・・・という感じです・・・西野さんェ・・・・


そして問題の後半26分。日本はCK取ってショートコーナーを選択するんですが、柴崎がとんでもなく酷いロストかましてベルギーのカウンター発生。ルカクが前残りしてる状態で数的同数カウンター食らうとかいう罰ゲーム、ゲームオーバー寸前でしたが、デブルイネのシュートにギリギリで昌子のシュートブロックが間に合いました。しかしCKとなり、1度ははじき返したのですが、セカンドボール拾われて再度アザールからクロスあげられてフェライニのヘディングで日本は同点に追いつかれます。ちなみにカウンターのシーンで乾がシャドリにぶっちぎられているんですが、最後のベルギーのカウンターのシーンでもやっぱりぶっちぎられてたりします。


このシーンだとフェライニのヘディングにどうしても目がいってしまうんですが、それ以外にも問題が多すぎるシーンです。ショートコーナーからの柴崎の酷いプレー、ルカクが前残りしてる状態で数的同数カウンター、シャドリにぶっちぎられる乾と日本の三失点目に繋がる伏線出まくってます。



そして後半31分、ここでもベルギーは日本の左サイド狙いです。もう徹底して日本の左サイド狙いうちアザールまで左サイドにくるレベル。


続いて後半32分の攻撃は日本の左サイド狙うと見せてサイドチェンジ。
続いて後半34分の攻撃でも日本の左サイド狙うと見せてサイドチェンジ。


そして後半35分、ここで、ようやっと西野監督が動きます。原口に代えて本田、柴崎に代えて山口。え、左放置!?という采配でした。


ここまでの試合では西野さんの采配当たったんですがね・・・この日は・・・


後半40分、やはりここでもベルギーは日本の左サイド狙いなんですが・・・ちょっとここでの乾の守備はひどい。乾がきちんとマークついてないので・・・・


後半16分からベルギーは徹底して日本の左サイド狙いをしてました。本当に露骨に左サイド狙ってきてました。難しい判断だったのかもしれませんが、交代枠は乾だったんじゃないかなと思います。日本の左サイドに起点作られてやられた訳で、あそこ何かしないといけなかった。交代枠で山口を左ボランチに入れてきてましたけど、それでも足らない。乾の守備が中途半端になりがちなトコを狙われているので、ベルギーの左サイド狙いが明確化した時点で左WGに守備強化のカードをもっと早く切ってもよかった。延長までいけば、もう1枚カード使える訳だし。


そして問題の最後のシーンの話・・・


ただし最後に浴びたカウンターは左サイド関係ないのです。日本は残り30秒時間潰せば延長という状況でCKから5対3のカウンター食らって逆転負けしました。



本当にね、何であそこで本田はハイボール蹴り込んだのか問い詰めたい。心の底から問い詰めたい。



「残り時間30秒で延長戦で」

「ベルギーはカウンターが非常に強力と誰もが知っていて」

「CKからカウンター取れるようにルカクが前残りしてるベルギーに対して」

「エリア内に180後半~190超えの選手が6人守備でいるのに」

「ゴールから逃げていく軌道のハイボールをGKクルトワの守備範囲に蹴り込む」


とか理解できません。なんでやねんと。ショートコーナーで時間稼いで、時間ギリギリまで使ってからカウンター食らいにくいボール蹴る場面だろ常識的に考えて。



しかも、この失点後、自分のtwitterのTLでは「山口蛍氏ね」的なコメントが溢れかえりました。


この国のサッカー文化だと5対3のカウンター食らって失点するとボランチが戦犯にされるみたいです。怖いです。


それと、このCKの時ね、ルカクが前残りしてるのに昌子までベルギーのPA内に入ってるんですよ。後半29分の時は昌子がルカクについて残ってたから最後のシュートブロックが間に合った。でも最後の場面では昌子は上がってしまってて最終ラインに居なかった。恐ろしい早さで戻ってきて、最後の場面、スライディングしてたのは凄かったですけどね。昌子が試合後に死ぬほど後悔してましたけど、あそこでルカク前残りしてるのにPA内にはいった判断の悪さはね・・・・


なんで、あの場面であがっちゃんでしょうね・・・CB一人は残ってないといけなかった・・・後半29分のCKシーンでは残ってたのに・・・何故・・・・本当に本当に理解しがたいミスが幾つもあります、このシーン。


ショートコーナー使わない本田、シャドリにぶっちぎられる乾(2回目です。なんで替えなかったの西野はん・・・・)、何故かPA内に入ってた昌子、ディレイしない山口と立て続けに4つの不味いプレーです。そりゃ失点しますって。


くり返しますが、ショートコーナーで時間潰してれば何も問題なかったんですがね!!


試合の総評と日本代表の今後など

試合の総評なんですけど、このエントリはベルギー対ブラジルの試合またいで書いてます。ベルギーはブラジルのオウンゴールと、カウンターで2点取って2-1でブラジルを下しました。ベルギーのカウンターはCKでのルカク前残しからのデブルイネのミドルでした。ミランダとチアゴ・シウバは最終ラインにおらず、ベルギーのPA内に入ってました。だからカウンターになった時、ルカクのターンをブラジルは防げなかった。(ベルギーとブラジルの試合は面白かったし、レビュー書こうかと思った程です。あれはかなり濃い試合でした。)


この試合で日本が犯した過ちを王国ブラジルが綺麗に再現してて草生やしましたですわ。ベルギーはCKでルカクを前にのこしてんです。CBの一人は残らないといけない。


王国でもやらかすんですから、日本がやっちまったのはしょうがないと割切るしかないです。そうする事にしました。じゃないとやりきれない。


こうやって試合見返してみると、ベンチワーク含めて後半は残念な部分が多いです。後半69分まで完璧な試合でしたが、その後が残念すぎました。色々と。


ただグズグズ言ってても結果は変わりませんからね、この辺りにしときましょう。日本対ベルギーは極上のエンターテイメントでした。それだけで十分。



最後に日本代表の今後の話もしときます。皆さん、知っておられると思いますが、本田と長谷部、酒井ゴートクが代表からの引退を表明してます。一時代の終わり、という感じですね。


長谷部とゴートクの代役については、これはそれほどには困らない部分があるんですが、問題は本田の代役です。来年のアジアカップでは2列目乾香川原口で良いので問題ないのですが、その後が問題になります。香川と乾は年齢的に次は厳しい。本田は日本代表では極めて貴重なレフティでした。良いレフティ無しで良いチームは作れないっていう位、レフティは重要な存在です。いるといないのとじゃ使える攻撃オプションに大きな差がでるんです、本当に。俊輔、本田の次に控えているレフティが未だに出てきてないってのがちょっとした不安材料です。候補は何人かいるんですが、今の所使える算段がついてない。今の所、最有力候補は堂安なんですけどね。久保君はどうなるかなあ。今回のW杯では経験積ませてあげられなかったのが残念。



ここまで書いてきて1万2000字とかいう誰が読むんだよエントリになった事に気付きました。この辺りでやめておきます。ではでは。