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日本代表におけるバイタルの守備のやり方についての話

はい、皆様、こんにちは。超お久しぶりです。またもや間隔空いてしまいましたが、ちょっと気になった事がありまして、本日は現在の日本代表における守備のやり方について取りあげたいと思います。



すでに前回のボスニア・ヘルツェゴビナ戦から一週間以上経ってるので、周回遅れ気味なんですが、2016/6/11 に行われたガンバ対湘南戦や、6/15に行われたガンバ対浦和戦を見て、「バイタルの守備のやり方」について思う事があったので、ちょっと一筆書いておこうと思った次第です。



日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表における失点シーンの話


さて、まずは前回の日本代表の試合の話になります。あの試合、日本は1-2で負けてる訳なんですが、日本の2失点のシーンをキャプで解説しときます。どっちも日本のバイタルでの守備のやり方に問題があります。


https://www.youtube.com/watch?v=UYaF9gRyQtQwww.youtube.com


こっちに動画を張っときますが、キャプでやると、



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こうなんですけどね。


この試合なんですが、はっきり言って日本のCB二人がボスニアのCFに一対一で負けまくっていたので失点はしょうがない部分があります。ただし、日本のバイタルの守備方法は正直感心しないので言わしてもらいますが、このやり方は問題があります。


どう問題があるというと、ボランチの柏木です。あそこでCBがボールもった時、引いてくるボスニアボランチを柏木が捕まえて前にでてしまってるんです。その結果として、バイタルが1ボランチになり、その後のプレーで1ボランチの両脇を使われて、CBを前に引っ張り出され、最終ラインに出来たギャップを使われて失点してます。



このシーンだと、柏木にも勿論問題があります。ボールが頭上を越えた時点で、ボランチは最終ラインとの距離をすぐに詰めないといけないんですが、ハッキリ言って遅いです。ただ、柏木みたいな守備専ボランチじゃない選手にそこまで求めるのは酷かもしれません。



実は、これ2失点目も全く同じ形で失点してます。




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こーでしたがね。




これね、2失点ともそうなんですが、ボールが出る前から、ボランチがチェックに出るもんだから、日本のバイタルが1ボランチになってるんです。その結果として、1ボラの両脇がガラ空きになって、そこを使われて失点してます。



前回の試合で、僕が気になったのはココで、全く同じ形で2失点してるんですわ。バイタルの守備方法に明らかに問題がある。この試合、柏木は前半で交代させられて、後半から遠藤航が入ってきましたが、ぶっちゃけバイタル1ボラ問題は後半も継続してました。その結果が後半の2失点目に繋がる訳です。ボランチの対人の強さの問題じゃねぇんですよ。ボランチがボールが出る前からチェックに出て、バイタルが1ボランチになった所をやられている訳ですからね。



後半でもしょちゅう同じ問題が生まれていたんで、チームとして、2列目の守備のやり方に問題があるといわざるを得ません。



今の日本代表なんですが、2列目に浅野とか宇佐美みたいな実質FWといっていい選手を使う傾向があります。こういった選手は守備面では、対面の選手をみるのに精一杯でバイタルのケアまでは頼めません。そういう選手を使っている以上、バイタルからボランチが引っ張り出されないようにトップ下とCFがボランチの前のスペースを消し続ける必要があるんですが、この辺、今の日本代表の守備は適当と言わざるを得ません。


この試合の前半の場合、ボスニアの方はCFとセカンドトップボランチの前のスペースをきちんと消して引いてくる日本のボランチはFWが捕まえてました。結果としてダブルボランチが常にバイタルを固めてましたから、ボスニアバイタルはかなり硬かったです。一方、相手が中央固めていたので、サイドにはスペースがあり、それが前半の宇佐美無双に繋がったわけですけどね。



正直いって、同じボスニア出身監督でも守り方は随分違うなと思った試合だった訳です。




ガンバ大阪バイタル問題について


次にガンバ大阪の話をしときましゅ。今回、周回遅れでボスニア戦の話題を取りあげたのが、最近見たガンバ大阪の2試合が非常に面白かったからです。



6月11日に行われたガンバ大阪対湘南の試合の方ですが、



www.youtube.com



動画張っときますけど、コレです。



この試合なんですが、湘南の3得点は全部スーパーミドルでした。ただし、全部そうでしたが、この試合のガンバの守備方法って、基本的にバイタルが空くんですね。



どういう事かというと、ガンバってチームはサイドを攻められて4バックにギャップが出来た場合、ガンバのボランチが一人、必ず最終ラインのカバーに入るって形を取ってます。そうなると、必然的に、バイタルが1ボラになりますから、1ボラの両脇にはスペースが生まれます。



ガンバの1失点ですが、湘南にサイドを攻められた時、4バックの中央、CBの間にギャップが生まれました。そのギャップを埋める為にボランチがカバーに入ってます。その結果、バイタルがガラ空きになりました。そして、空いたバイタルから湘南のミドルが決まって失点。


2失点目は、これはアデミウソンの怠慢守備です。このシーンの場合、ガンバの守備ブロックは整っており、これといってスペースは生まれてません。ただ、あの位置に持ち上がった下田にアデミウソンがしっかり寄せてればミドル打たれなかったのに、怠慢な寄せしかしなかったので、スーパーミドル突き刺されました。



そして三失点目。これは興奮しましたが、湘南のサイド攻撃の結果、ガンバのCBがサイドに引っ張り出されたので、ボランチが最終ラインのカバーに入りました。このプレーは特に問題はなかったのですが、クリアしたボールが運悪くバイタルに転がりました。ボランチが最終ラインのカバーに入った訳ですから、バイタルにはスペースが出来ます。このこぼれたボールを湘南の下田が再びスーパーミドル突き刺しました。




現在のガンバさんなんですが、前目の選手の守備意識にちょっと問題があります。ボランチが最終ラインのカバーに入る以上、バイタルのカバーをセカンドトップとWGがやらないといけないのですが、ぶっちゃけ、そこが上手く行ってません。第一節の鹿島戦、第四節の神戸戦なんかでも、その辺が上手く行ってなくて失点してます。



でもって、面白いナーと思ったのが、実はこないだのガンバ大阪対浦和の試合んですよね。


前回の湘南戦でバイタルミドルを三発食らい、僕は「同じ守備のやり方してたら浦和に絶対狙われるぞー」とか思ってた訳ですよ。どういう事かってーと、これは湘南戦でのキャプでやりますが、


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これですけど、こういう守備やってたらガンバは絶対浦和にボコられんだろ・・・って守備でした。あそこで3421の2シャドーをフリーで前向かせちゃうような守備やってたら浦和相手はダメです。


さて、ガンバの長谷川監督。対浦和で何したのかっていうと、スタメンをガラッと変えてきてまして、フットボールラボさんからのキャプですいませんが、


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湘南戦

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浦和戦


となってました。このビッグマッチで井手口使ってきたのには驚きましたが、結果的に、これは当たりでした。後半66分に井手口がミドルシュートのブロックに行ったシーンとか、素晴らしい判断の良さでした。湘南戦で散々やられてた形でしたが、きっちりと対応してましたからね。


浦和戦なんですが、ガンバの方は、442でがっちりブロックを組み、ボランチの前のスペースは遠藤とアデミウソンで完全に潰してました。湘南戦では前の守備が適当でボランチが引っ張り出されるシーンがよくありましたが、浦和戦では遠藤とアデミウソンでがっちり鍵かけてましたので、ボランチが前に釣り出されない。結果、ガンバのバイタルにスペースがないって状況でした。


となると浦和としてはサイドなんですが、ガンバの右サイドは阿部と丹羽ががっちり固めてて難しい。ガンバの左サイドは宇佐美なんで、狙い目になるんですが・・・・今の浦和さんって、右サイドの高い位置で違いを作れる選手ってのが・・・いない。


そんなこんなで、ガンバが前半の1点守りきって勝利という結果でした。ガンバは湘南戦からはスタメンも守備のやり方も随分と変えて、非常に守備的に戦ってました。結果はしっかりついてきた訳ですから、あれはあれで良いと思います。



今回の話はバイタルの守備のお話なんですけど、442でバイタルを完全に封鎖したい場合、両サイドの選手の守備、そしてFW二枚がバイタルのケアを行う事が必要不可欠になります。今の日本代表ですが、その部分で上手く行ってません。ガンバさんもスタメンによってムラがあります。今日はそんなお話でしたとさ。