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サッカーのマッチレポートなどを中心に。その他サッカーのうんちく系ブログ。

続、サッカーにおけるGKの話

皆さん、こんにちは、先日は代表戦がありましたけど、今日は、前回に続いて、サッカーのGKの話をしようと思います。GKって地味だし、あんま目立たないポジションではありますが、もの凄く優れたGKがいると、それだけでJ2昇格を勝ち取れてしまったりするほど、重要なポジションだったりします。

続・GKの話

それで、なんですけど、サッカーはデータにして定量化するのが、野球などと比べると困難です。同じように、バスケットやハンドボールなんかも難しい分野です。


先日、GKの話をしましたが、GKの力量を定量化しようとすると、枠内シュートのセーブ率、センタリングへの反応、最終ラインの裏にだされたボールの処理なども含まねばならず、極めて面倒な作業が必要になります。また、そもそも、データの数が十分集まらないという問題もあります。


たとえば、一対一でGKが素晴らしいセービングをして一点防ぐのと、DFがしっかりシュートコースを限定してくれたのでセービングできたケースでは、同じセーブでも難しさが違うわけです。


以前、Castrol EDGE Rankingsなんてサイトを紹介いたしました。これ、サッカーの全ポジションの選手を同一のポイントで比較できる面白い指標なんですけど、これでも、GKは含まれていません。


GKの勝利値への貢献度数は、フィールドプレーヤーと違っているせいか、移籍市場での値付けが難しいのかもしれません。そのせいかは知りませんが、GKの移籍金とか年俸って、かなり安いんですね。


Jリーグの場合、年俸で一番多くもらってるGKが名古屋の楢崎で年俸9000万円です。Jリーグ№1のGKですから、沢山貰ってるのには、そんな異論はありません。次が、鹿島の曽ヶ端でして、6600万円貰ってます。


この二人は、枠内シュートセーブ率が非常に高い。


ガンバ大阪GK藤ヶ谷の過去5年のセーブ率を調べてみた


こっちで、jリーグのキーパーの枠内シュートのセーブ率を調べた人がいますけど、曽ヶ端が75.3%、楢崎は74%となっていて、ぶっちりぎりで高い数値です。なんで、Jリーグで一番高給取りのGKなのも当然かなと。


でね、J1レベルの正GKであれば、大体、枠内シュートを68〜73%セーブできるわけです。ザルと名高いガンバの藤ヶ谷でも67%です。ガンバについては、毎年のように「なんでGK補強しないの?」という声がでるわけですがね。


J1だと、最低でも枠内シュートセーブ率が70%のGKは欲しいです。なんですけど、セーブ率70%くらいのGKって以外と安いんです。だから、補強ポイントとして、狙い目なんです。


たとえば、上記のリンク先だと、枠内シュートセーブ率が70%超えてるGKって、曽ヶ端 75.3%、楢崎 74%、北野 73.7%、西川 71.0% 、西部 70.7%(4年) 、東口 73.4%(2年)、山本 73.4%(2年)、キム 71.7%(2年)、徳重 72.7%(2年)、林卓人71.8%(2年)といるわけですが、 年俸は、結構バラバラなんですね。


でなんですけど、えれー安いのがいるんですよ。山本海人キム・ジンヒョンあたりは年俸2000万くらいだし、新潟の東口と川崎の西部は年俸1000万くらいのはずです。


ようするにね、年俸2000万円も払えば、枠内シュートセーブ率70〜73%のGKなら、どっかから引っ張ってこれそうなモンなんです。ブンデスなんて、二部でも良いGKゴロゴロいるわけですよ。ボーフムで乾のチームメートだったGKのルーテなんて、日本でなら枠内シュートセーブ率73%は堅いでしょう。もっとも、言語の問題があるので、そう上手くもいかないでしょうかね。


僕が不思議なのは、それにも関わらず、GK補強の優先度を低くしてるチームが幾つかあることなんですね。費用対効果は非常に高いはずなのに。

今年の磐田とGK川口不在の影響について

で、まずこの話。今年の磐田さんなんですけど、正GKの川口が開幕二試合目で離脱し、3試合目からは八田直樹がGKやってます。なのですが、これ、影響が甚大でした。


今年の磐田なんですけど、攻守に良いサッカーやってましてね。僕が見る限り、あんな沢山失点するような守備じゃあ、ありません。それで、なんであんな失点してるのかって言ったら、やっぱり正GK川口離脱の影響が大きくてね。


ジュビロ磐田[J1 2012シーズン]


こっちのページから、磐田の被枠内シュートの数を調べだして、GKが八田に変わってからの磐田の枠内シュートセーブ率を調べてみると、被枠内シュート88本、枠内シュートセーブ率60%くらいでした。川口の枠内シュートセーブ率が68%くらいですから、これ、結構悲惨な数値です。


ちなみになんですけど、被枠内シュートの数そのものは、磐田は24試合やって93本なので、少ない方なんです。


だから、今年の磐田については、GK川口離脱の影響が、失点を増やしてしまう結果となったと言えそうです。守備については、被シュート数、被枠内シュート数ともに、リーグ平均か、それよりちょっと良いくらいなので、問題ありません。


ぶっちゃけ、枠内シュートセーブ率70%のGKがいれば、今の磐田なら優勝狙う力があります。


大阪の2クラブ、セレッソとガンバのGKの差


さて、次がココです。セレッソとガンバです。ココ、同じ大阪のクラブですが、GKに笑ってしまうほどの差があるクラブです。どういう事かというと。


キム・ジンヒョンの過去2年の枠内シュートセーブ率は71.7%で、相当にいいGKです。試合見てても、ビッグセーブでチームを救った回数が一度や二度じゃありません。


一方で、ガンバのファンタジスタこと藤ヶ谷さんなんですけど、今年の成績が抜群に酷い。


今年のガンバさんだと、被シュート数が243で、被枠内シュート数111となっています。一方で、セレッソさんは、被シュート数240、被枠内シュート数118です。


まあ、この部分はスタッツ的に、大した差はないわけです。ところが、失点数は、ガンバが50、セレッソが36とかなり違う。PKの失点は、ガンバが2点、セレッソが1点です。それを外しても、48と35の違いです。これ、どこから来るかというと、GKの枠内シュートセーブ率の差なんです。


今年のキム・ジンヒョンの枠内シュートセーブ率が72%なのに対して、藤ヶ谷さんは枠内シュートセーブ率57%とぶっちぎりの低さなんですね。


GKを補強するべきだった・・・と今更悔やんでも、もう遅いです。移籍ウィンドー閉まってしまったし。


J1で戦うなら、年間通して枠内シュートセーブ率70%くらいの正ゴールキーパーが必須です。これ、いないと話になりません。開始10試合で、自軍のGKの枠内シュートセーブ率が6割前半切ってたら、急いでGK補強に走った方が良いです。悲惨な事になります。

2006年、横浜FCの昇格と、ワンマンアーミー菅野

さて、ここで、ちょいと柏の正GK、菅野の話をしましょう。彼、背がちっちゃいGKで有名ですよね。しかし、実力はホンモノです。彼が一番凄かったシーズンといえば、GKの力だけでJ2昇格を勝ち取った2006シーズンの横浜FCです。


このシーズンの横浜FCなんですが、別に攻撃がいいってチームでも、守備がいいってチームでもありませんでした。シュート数が多いわけでもないし、被シュート数がすくないって訳でもありません。


ただ、文字通りのワンマンアーミーだったのがGKの菅野で、558本シュート打たれて、32失点しかしてません。J2の枠内シュート率は0.41くらいですから、菅野の枠内シュートセーブ率は、86%前後だったと思われます。


まさに横浜FCのワンマンアーミーです。


で、横浜FCなんですけど、次のシーズン、J1では散々でした。しかし、菅野はJ1でも余裕で通用してました。で、その活躍を買われて柏に移籍したわけですね。


J2だと、時々、こういうチームが出現します。つまり、モンスター級のGKがいるせいで、順位が一気にジャンプアップするチームです。2011年の札幌とイ・ホスンもそうでしたし、今年のファジアーノ岡山中林洋次もそうです。

今年のJ2では№1のGKは中林洋次


で、僕が今、目をつけているのが岡山のGKやってる中林洋次なんすけどね。彼、今期のJ2で際だった成績を残してます。なんと驚きの枠内シュートセーブ率83%です。ちなみにですけど、湘南ベルマーレの正GKのアベノブは、76%です。アベノブのセービングは素晴らしいと思ってるんですけど、これだけ良いGKがJ2にいるとなると、もし昇格したら、是非とも欲しい・・・と思ってる所でしてね。


というより、取れるならなんとしても取ってくれと。J1で出場経験のある貴重なGKだし、年俸も安いので、J1昇格したら、是非とも欲しい。


中林に関しては、以前、ガンバさんも獲得に動いてたことがありますが、今年のJ2じゃ№1のGKです。岡山躍進の原動力といっていい選手です。


まあ、ガンバさんに取られちまうかもしれませんけどね。ガンバさんのフロント的には、流石に、もう今年の成績的に藤ヶ谷は無理だと判断するでしょうから、新潟が落ちたら東口、J2から取るなら中林って感じだと思います。もし、藤ヶ谷を引っ張るとしたら、ガンバは吉本サッカーを目指しているんでしょう。


中林の良いところは、J1での経験がある所、年俸が安い所です。広島で一年ほどGKつとめたことがありますし、その時の成績も非常に良かった。もっとも、その後、西川君にポジション奪われてしまいましたが、西川君相手じゃ仕方ないかと。年俸も750万と格安だし、まだ26です。あと10年はやれるでしょうしね。

松本山雅FCと反町とGK野澤洋輔

さて、松本の話もしときましょう。今年、J2に昇格してきた松本ですが、監督に反さんを迎え入れました。でもって、松本は、あんまりお金もないチームなんですけど、反さんがGKで野澤洋輔を誘ったんですね。流石に実績のある人だけあって、少ない費用で最大の効果をあげる補強ポイントがわかってるねぇと思ったんですけど。


野澤洋輔は、新潟の正GKとして、J1経験も豊富なGKです。フツーにいいGKです。松本じゃ、かなりの高給取りで、就任して最初に取るのがGK!?と思った人もいるでしょう。


でもね、J2だと、良いGKがいるかどうかで、まるで順位が変わってくるんですわ。野澤は、今年の松本での成績ですが、枠内シュートセーブ率74%です。J2じゃ、指折りのGKなんです。


ぶっちゃけね、J2で順位を上げたいとき、最小の費用で効果をあげようとすると、GK補強が一番、安くて即効性があるんですわ。FWもいいですが、これは費用が高いンでね。いいFWは移籍金と給料を相当払わないと手に入りませんが、GKはそこそこの値段で取れちゃうし、即効性が高い。


まあ、反さんは、そのあたり、よくわかってるんです。個人的には、GKは、育成とかせずに、常に即戦力取ってこいでFAでてます。でないと話にならない。


まあ、今日はこのあたりで。



ちなみに、J1最高のGKは、楢崎が衰えない限りは、楢崎です。試合みりゃ、一発で彼のすごさがわかります。もっとも、枠内シュートセーブ率でいえば、鹿島の曽ヶ端も抜群ですけどね。この二人はGKにしては年俸が糞高いですけど、J1で枠内シュートセーブ率が75%って成績を残している訳ですから、そりゃ当然ですよ。


ただ、枠内シュートセーブ率で72%のGKと75%のGKで、年俸格差が4000万とか7000万とかつくほどの差では無いと思ってはいるので、枠内シュートセーブ率72%くらいで年俸1000〜2000万くらいのGK取るのがいっちゃん費用対効果高いとおもっとります。


ま、今日はこのあたりで。