マンチェスター・ユナイテッドのサッカーの問題点の話
さて、皆さん、こんにちは。最近、サッカー系のブログで、マンチェスターユナイテッドの話を見ないことがないという位、ネタにされているモイーズ監督と愉快な仲間達のサッカーですが、本日は、うちのブログでも、その流れにのっかって、ユナイテッドネタをしようと思います。
何がいけないって、「全部だーーーーーーーーーーー」と言いたい所なんですが、守備の話ばっかしても、つまらないので、今日は攻撃方法に焦点を当ててお話します。皆さん、攻撃の話の方が好きでしょうしね。
これは、最近、超話題になったフラム戦でのクロス集です。この試合、ユナイテッドは81本という記録的なクロス数を上げており、それでサッカー関係のブログの話題を独り占めにしてました。
で、なんですけど、これもう、他のブログでも散々話題になった奴ですけど、現在のマンチェスター・ユナイテッドの問題点について、一言でまとめてしまうと、「バイタルエリアを使った攻撃が出来ない」って事につきます。
フラム戦なんですけど、「一番、このシーンがこのチームの現状をよく表している」って思ったのが、前半24分のユナイテッドの攻撃シーンです。
一連の流れをキャプでやりますが、
まず、ここ。これね。ドルトムントなんかがよくやってますが、ライン際にいるWGにあてて、内側をSBが回ってリターンをもらうって攻撃が、このシーンで出来たかもしれないんですけど、それをやらないんです。まあ、そういうのは、チームとしてはやってないんだから、いいだろっていうなら、別にいんですけど、
で、次。
ここも謎なんですが、右WGのマタが中に入ってきてるわけです。でもって、ヤングが顔上げると同時に裏に走り出す。この時、普通、ファンペルシが降りて行く動きと、マタが裏に走る動きを組み合わせるモンなんですけど、その動きがファンペルシに見られないんです。「???」って感じで、謎でした。その上、マタが中に入ってきてるのに、サイドチェンジしても、逆サイドで数的有利は作れません。
でもって、次
この前の二つのシーンで、ユナイテッドには仕掛けるタイミングがありました。ただ、サイドチェンジした結果、バイタルにスペース作れたので、ここは悪くありません。でもって、キャリックがバイタルに出来てるスペースに入ってきて、ラファエルからパスをうけ、ボールをルーニーにダイレクトでパス。ここまでは完璧でした。ところが、ルーニーが前方にパスがだせる体勢なのにも関わらず、斜めに裏に走る奴がいないんです。ここね、詳しくみるとルーニーは一回トラップしてからニアみてるんです。ルーニーだったら、ココ、裏に出せます。だから、走り込めばいいのにね。
で、次
これは、マタ、気の毒に・・・と思ったシーンなんですけど、たった2秒たらずの流れですけど、とにかく遅いんですよ、ユナイテッドは。マタにボール入れたら、即座に動かないといけないのに、ヤングが動いてない。だから、マタはパスをだせずに潰されてしまう。
このシーンなんですけど、ユナイテッドの現状が凝縮されてまして、このチームね、バイタル使った攻撃が極端に下手なんです。バイタルでワンタッチのパス交換して裏を取るって攻撃が出来ない。というより、そもそも、やる気がないといったらいいか。
ヒートマップ張っときますが
フラム戦
相手チームのバイタル使った形跡がほとんど無いんですね。真ん中スカスカ。これね、バイタルで前むいてナンボのマタとか香川使う意味がありません。また、バイタルで前むいても、外の連中が斜めに走り込まないんじゃ、バイタル使う意味ないだろって話です。
でもって、このシーンで、マンチェスター・ユナイテッドがどういう攻撃したら良かったのさ?って話になるんですけど、これ、似たようなシーンで、ベニテスのナポリ(4231)がどういう攻撃してたかってのを見てもらうと、違いがよーくわかると思うので、ナポリ対ミランの試合のキャプで説明しますわ。
こーなりました。これね、見たときは「うわあ、すげえ、攻撃・・・・」と唸ってしまいました。
これね、よりわかりやすく、図でもやっときますけど、
これね、本当によく考えられている攻撃なんです。最初に降りてきたFWにCBがついてこないなら、FWに楔を打ち込まれるだけだし、CBが開けたスペースに走り込むボランチに、ミランのボランチがついていかないと、そこにボールをつけられる。ボランチが開けたスペースに降りてきたWGにSBがついていかないとWGに前を向かれるだけ。どのシーンでも非常に悩ましいんですね。
こないだのミラン対ナポリなんですけど、ナポリサイドが信じられないほど良いサッカーを見せてまして、正直、セードルフが気の毒になりました。ベニテスのナポリは完成に近づいており、攻守に渡ってミランを圧倒してました。5-1くらいになっても全然おかしくなかった。セードルフは監督一年目なんですけど、ベニテスみたいに監督20年やっててCL取ってる監督との差は歴然としてました。一年目の監督がベニテスに勝つってのは、そりゃ無理な相談で、あの試合の事はさっさと忘れた方が良いと思います。
でね、マンUの話にもどりますが、とにかく攻めに工夫がないんです。ここ3試合ほど、パス&ゴーやってるの、マタしかいません。他の連中、パス出しても動かないし、バイタルでフリーの奴がいても、そっちに出さないでクロス上げてます。というか、マタの使い方を根本的に間違っていて、
アーセナル戦でも、こんなシーンがありました。頭オカシイ。このシーンね、キャリックが画面に写ってないんですけど、右サイドにいるんですよ。だから、キャリックはフォローにこれる。スモーリングがマタに出してから、大外回って、一人DF引っ張って、それと連動してキャリックがマタのフォローに周り、マタのカットインから、キャリックとワンツーすればいいのに、いきなりスモーリングがクロス。
こんな事やってるうちは、マタらしいプレーは永遠にユナイテッドでは出ませんわ。攻撃の組み立てってもんがありません。サイドチェンジしてドリブルしてクロス、こんだけです。このチームがやってるのは。
基本的に、サッカーでは裏を取るためには、
・ドリブル突破
・コンビネーションによる突破
・裏を狙う動きと組み合わせたスルーパス
の三つがあるんですが、ユナイテッドはドリブル突破しかねーんです。コンビネーションはどれも下手だし、裏を狙う動きが妙に少ないし、ろくなパサーもいねーです。キャリックはフリーでもなんでか無視されてるし、斜めに走り込む奴がほとんどいないし。創造性のあるプレーが少ないって文句を言う前に、前の連中が地蔵なのと、コンビネーションの下手糞さを問題にしたほうがいいです。
そんな訳ですんで、こんなサッカーやってるうちは、マタの補強は、補強にならないとまとめておきます。パス出した後にマタ以外、誰も動かない、バイタルでボランチ、マタがフリーでも縦に行ってクロスなんてプレーばっかしてるうちは、マタがやる事なんてクロス以外にはありません。
それと、アーセナル戦でも、マタはしょっちゅう中に入っていたのですが、「左サイドで香川みたいなプレーしてると交代させられるんじゃね?」とか思ってたら、72分で交代させられてて乾いた笑いしかでませんでした。
左サイドから中に入ってくる香川が早めに交代させられているので、マタもそうなるんじゃねぇかなとは思っていたのですが、ホントに交代させるとは思いませんでした。60億で買ったんだし。
去年もそりゃ、クロス多かったですよ。でもね。去年は、例えばアストンビラ戦で、ファーガソンはルーニー、香川、キャリックでセンター組んでました。理由は簡単で、アストンビラは前二人が守備やらないんで、中盤中央の守備者がボランチ二枚しかいない事が多い。だから、ルーニー、香川、キャリックの誰か一人はフリーになれる計算で、そこから展開していけば中盤を制圧できる。あの試合、マンUにしては珍しく、中盤で流れるようにパスが回ったんですけど、理由はそういう事です。ただ、今年に入ってモイーズが監督になってから、そういう類の工夫は全くみられなくなりました。
モイーズは、もう馬鹿みたいに毎試合、同じ事をやってるので、ホントにウンザリしてます。そりゃ手の内読まれて勝てなくなりますよ。
最後に、これ、CKの守備の話になるんですけど、ユナイテッドの大きな問題でもあるので、触れときます。
これ、アーセナル戦の24分のCKと、61分のCKで、どっちもアーセナルにスクリーンを狙われて、それでフリーでヘディングされてます。特に61分の奴がキレーに決められていて、
ここ、キレーにスクリーンかけられてマークずらされてます。24分でもやられかけましたが、ユナイテッドの試合みてるど、CKでスクリーンかけられてマークずらされてるのをしょっちゅう見るんで、いい加減、何とかしろやと言いたいです。
勿論、CKをマンツーマンで守ると、スクリーンに脆くなるってのは、ある程度しょうがないのですが、マンツーマンやるなら、スクリーン対策はしとかないとダメなんでね。絶対に相手チームは狙ってくるので。ベンゲルがスクリーン狙ってきたのは当然なんです。
今日はこのあたりで。ではでは。